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歯科器材の咬合採得材とは?特徴やメーカー、規格/値段の違いなど、おすすめ15選を徹底比較!

歯科器材の咬合採得材とは?特徴やメーカー、規格/値段の違いなど、おすすめ15選を徹底比較!

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臨床で「咬合は合っているはずなのに補綴物が高い」と感じる瞬間は少なくない。印象が良好でも、咬合採得が不安定だと再製作や再調整が増え、患者満足とチェアタイムの両方を消耗する。 本稿は咬合採得材の選定を、硬化特性と操作性という臨床軸に加え、材料費と時間という経営軸で整理し、自院の運用に落とし込むための比較記事である。

比較サマリー表(早見表)

この節の目的は、候補を短時間で絞り込み、自院の症例とチェアサイクルに合う材を見つけることである。時間と硬度は再現性と患者負担に直結し、規格と価格は症例単価と在庫戦略に直結する。

製品名メーカータイプ操作余裕時間口腔内保持時間硬度の目安規格の目安参考定価の目安運用ポイント
エクザバイト II カートリッジジーシー付加型シリコーン50秒45秒ShoreA8748mL×2 カートリッジ6,930円ディスペンサーが必要で短時間運用向き
エクザバイトIII エクザクリアジーシー付加型シリコーン 透明系45秒2分情報なし48mL×2 カートリッジ7,200円目視確認を重視しやすい
インプリント バイト 2CTスリーエムヘルスケア付加型シリコーン情報なし情報なし情報なし情報なし6,930円規格表記は流通で差が出る場合がある
インプリント バイト 5CTスリーエムヘルスケア付加型シリコーン情報なし情報なし情報なし情報なし15,200円同一材の補給型として扱う発想が合う
エクスプレス レジストレーション マテリアルスリーエムヘルスケア付加型シリコーン情報なし情報なし情報なしカートリッジ50mL×47,200円口腔内保持時間の設計が要点
フレキシタイム バイトクルツァージャパン付加型シリコーン30秒30秒情報なし50mL×2 カートリッジ7,740円スキャン連携や時短を狙う場合に検討
メモジル2クルツァージャパン付加型シリコーン 透明系30秒3分ShoreA7250mL×2 カートリッジ8,870円長保持で全顎や不安定顎位の保険
メモレッグ2クルツァージャパン付加型シリコーン30秒1分ShoreA9050mL×2 カートリッジ8,870円高硬度でトリミングと装着を速く
リアルバイトボスワース社 モリタ取扱付加型シリコーン情報なし45秒ShoreA9050mL×2 カートリッジ7,300円速さと硬さの両立を狙う
フタールDオクルージョンボスワース社 モリタ取扱付加型シリコーン情報なし2分30秒ShoreD4450mL×2 カートリッジ5,000円高硬度で変形を抑えたい症例に
テイク1 アドバンス バイトボスワース社 モリタ取扱付加型シリコーン30秒1分ShoreA9050mL×2 カートリッジ7,900円先端形状で使用量を抑える設計
グリーンバイト アップルデタックス 茂久田商会付加型シリコーン30秒1分ShoreA9550mL×2 カートリッジ12,000円薄型チップで材料節約を狙う
グリーンバイト アップル スロータイプデタックス 茂久田商会付加型シリコーン30秒1分30秒情報なし50mL×2 カートリッジ8,500円フルバイトで焦らない設定
グラスバイトデタックス 茂久田商会付加型シリコーン 透明系30秒60秒ShoreA8050mL×1 カートリッジ5,300円透明で咬合面の確認を助ける
グラビティバイト山八歯材工業付加型シリコーン情報なし情報なしShoreA9550mL×4 カートリッジ情報なし硬度重視の追加候補として使える

表は順位ではない。まず採得範囲が片側か全顎か、患者が咬合保持できるかを考え、そのうえで硬度とトリミング性を合わせる。 経営面では、口腔内保持時間が短い材はチェアタイムを圧縮しやすい一方、段取り不足だと失敗率が上がりやすい。長保持材は成功率の保険になるが、回転率に影響するため症例の切り分けが要点である。

咬合採得材の役割と選び方の全体像

この節の目的は、咬合採得材が何を記録し、どこで誤差が入り、どこまでを材料で担保できるかを理解することである。材料選びは万能薬ではなく、顎位誘導と咬合接触の管理を支える道具選びである。

咬合採得材はクラウンやブリッジ、義歯などの製作に必要な上下顎の位置関係を記録する材料である。現在は付加型シリコーンの比率が高く、変形の少なさとトリミング性を両立しやすい。 ただし硬化が速い材ほど、準備不足のまま噛ませると薄い部分の欠けや接触点の誤記録が起きやすい。材料の性能は術式の整備とセットで初めて医院の利益に転換する。

咬合採得材は記録材であり、咬合調整を代替するものではない。採得後は変形を避けて保管し、汚染や欠けが疑われる場合は再採得する判断が安全である。 一般医療機器として、使用目的と使用方法は各製品の指示に従う。

【項目別】比較するための軸

この節の目的は、スペックの違いを臨床結果と医院収益の因果に変換し、選定基準を言語化することである。比較軸を固定すると教育と発注が標準化し、失敗コストが下がる。

精度と再現性を決める硬化挙動

咬合採得の誤差は、噛み込み中の顎位変化と、硬化後の歪みで生じる。短時間で硬化する材は顎位変化を減らしやすいが、注入と誘導の余裕が減る。

作業時間と口腔内保持時間の意味

作業時間は注入と誘導を終える猶予であり、口腔内保持時間は患者が中心咬合位を保つ負担である。顎位が不安定な症例では保持時間が長い材が安全側になることがある。

硬度と弾性のトレードオフ

硬度が高い材はたわみが少なく、模型装着やスキャン時の変形を抑えやすい。反面、アンダーカットが強いと撤去時の欠けや不快が増えるため、採得範囲と厚み設計が重要である。

トリミング性と技工連携

硬化後の切削性は、咬合器装着のしやすさと技工所の作業時間に直結する。高硬度材はバーが入りやすいが、厚みが不均一だと接触点の判定が難しくなる。 デジタル連携では透明系やスキャン適性をうたう材があるが、最終的な精度は厚み管理と咬合面の明瞭さで決まる。

患者体験と感染対策

抵抗感が少ない材は顎位を乱しにくい方向に働く場合がある。香味や色は受容性に関わるが、目的は再現性であるため嗜好性だけで選ばない。 ミキシングチップと充填チップの使い捨てを徹底し、カートリッジ先端を清潔に保つことが硬化不良と交差感染の両面で重要である。

経営効率とROI

材料費は症例単価の一部に過ぎず、真のコストは失敗に伴う再来院と再調整である。短保持材は回転率に効くが、段取りと教育が追いつかないと失敗率が上がりROIが悪化する。 速い材を使う症例と、長保持材で安全側に寄せる症例を分け、在庫を二段構えにすることが現実的である。

【製品別】製品ごとのレビュー

この節の目的は、各製品の硬化時間や硬度がどの診療スタイルに合うかを具体像で掴むことである。価格だけで選ぶと失敗コストが膨らむため、運用条件と合わせて読むべきである。

エクザバイト II カートリッジ は短保持で回転率を上げやすい

操作余裕時間50秒と口腔内保持時間45秒の表示があり、短時間で採得を終えたい補綴中心の外来に向く。硬度の目安が示されているため教育しやすいが、速い材ほど段取りの質が結果に出る。

エクザバイトIII エクザクリア は透明系で目視確認を助ける

操作余裕時間45秒、口腔内保持時間2分の表示があり、顎位が落ち着くまで待ちたい症例に寄せやすい。保持が長いぶんチェアタイムに響くため、難症例の保険として置く発想が合う。

インプリント バイト 2CT は小容量で在庫リスクを抑えたいときに合う

規格表記が流通で揺れる場合があるため、購入時は包装内容の確認が前提である。使用頻度が低い医院でも期限ロスを抑えやすいが、単価が上がりやすい点は経営的に注意である。

インプリント バイト 5CT は症例数が多い医院の補給型として考える

同一材で容量が大きい仕様は、発注回数を減らし欠品リスクを下げる。導入初期に大容量を持つと期限ロスが出るため、まず月次使用量を可視化してから標準化したい。

エクスプレス レジストレーション マテリアル は保持時間設計で成否が分かれる

カートリッジ仕様として流通する場合、まず保持時間とトリミング性を確認して採得範囲を決めるべきである。短時間材の代替としてではなく、院内の手順に合うかを軸に選ぶと失敗が減る。

フレキシタイム バイト は短時間採得を前提に運用を組みたい医院向けである

操作余裕時間30秒と口腔内保持時間30秒の表示があり、時短に寄せた設計である。アシストが弱い時間帯は失敗率が上がりやすいため、症例を選ぶ運用が必要である。

メモジル2 は長保持で全顎採得の安全側に寄る

透明系で口腔内保持時間3分の表示があり、欠損が多い全顎や顎位がぶれやすい症例で落ち着いて採得しやすい。回転率には不利であるため短時間材と併用して使い分けたい。

メモレッグ2 は高硬度でトリミングを速くしたいときに合う

口腔内保持時間1分と高硬度の表示があり、装着時のたわみを抑えたい補綴中心の医院と相性が良い。薄い部位の欠けを防ぐため、厚みを確保する注入手順が要る。

リアルバイト は速さと硬さの両立を狙う位置づけである

口腔内保持時間45秒と硬度の目安が提示されることがあり、短時間で採得したい医院に向く。速い材ほど担当者間差が出るため、採得手順を固定して教育負荷を下げたい。

フタールDオクルージョン は高硬度ShoreD44で変形を抑えたい症例向けである

口腔内保持時間2分30秒の表示があり、変形の少なさを優先したい症例で検討される。撤去時の欠けが出やすい局面があるため、アンダーカットの強い部位は採得範囲を設計する。

テイク1 アドバンス バイト は高硬度と材料節約を両立させたい医院向けである

作業時間30秒、口腔内保持時間1分、硬度ShoreA90の表示がある。先端形状で使用量を抑える設計は症例数が多い医院で材料費に効くが、均一な厚みを作る標準手順が不可欠である。

グリーンバイト アップル は高硬度ShoreA95と薄型チップでの節約が特徴である

作業時間30秒、撤去が1分後とされ、薄型チップで材料使用量を抑えやすい。短時間材の一種であるため、採得の担当固定とタイマー運用で成功率を上げたい。

グリーンバイト アップル スロータイプ はフルバイトで焦らない設定である

作業時間30秒、撤去が1分30秒後とされ、誘導に時間がかかる症例に向く。短時間材で連続失敗する医院では成功率を上げる安全策になるが、回転率への影響は見積もるべきである。

グラスバイト は透明で確認しやすく撤去の安全側に寄る

作業時間30秒、口腔内保持時間60秒、硬度ShoreA80の表示がある。透明性は接触点の確認を助けるが、薄い部位のたわみを避けるため厚み管理は必要である。

グラビティバイト は硬度重視で選択肢を増やす

硬度ShoreA95の表示があり、硬化後の剛性を重視する医院に合う。時間設定の公開情報が限られる場合があるため、導入時は院内で試用し手順とタイマー運用を確立してから標準化したい。

導入設計と運用の落とし穴

この節の目的は、材料の性能を再現可能なプロトコルに落とし込み、失敗率とコストを同時に下げることである。材料選びより先に、採得の定義と役割分担を決めることがROIに効く。

中心咬合位で採るのか、顎位誘導を伴うのかを院内で統一する。混和開始から噛ませるまでの動線を秒単位で固定し、先端の付け替えと余剰材の処理も標準化する。 硬化不良は材料の問題に見えて、先端の汚染や保管温度、カートリッジの押し出し不均等で起きることが多い。保管は直射日光を避け、表示温度帯で管理する。 付加型シリコーンは硫黄成分や水分の影響を受ける場合がある。ラテックス手袋の使用や前処置材の残留を避け、最初の押し出し分は廃棄してから口腔内に入れる。 材料費を下げたいなら、薄型チップの採用だけでなく採得範囲を見直すべきである。片側採得で足りる症例を増やすことが最も確実に効くコスト設計である。

よくある質問(FAQ)

この節の目的は、選定後に現場でつまずきやすい論点を先回りして解消することである。断定よりも運用条件の分岐を意識して読むと迷いが減る。

Q 咬合採得材はワックスでも十分か A ワックスは手軽であるが、温度変化と変形の影響を受けやすい。補綴の再現性を優先する場合は付加型シリコーンのほうが運用設計しやすい。

Q 高硬度材を選べば補綴の高いが減るか A 硬度は変形を抑える一因であるが、顎位誘導と厚み管理が不十分なら誤差は残る。高硬度材ほど術式の粗さが結果に出るため、手順の標準化が先である。

Q 口腔内スキャナで咬合採得材を読むときの注意は何か A 透明系やスキャン適性をうたう材でも、厚みが不均一だと接触点の判定が難しい。薄く均一に採り、不要部は硬化後に明確に切除してデータのノイズを減らす。

Q 保管と硬化不良を減らすコツは何か A 先端は使い捨てとし、次回使用まで密閉できる形で保管する。保管温度と有効期限を守り、押し出しの左右差を確認してから採得に入る。