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歯科器材のバキュームチップとは?特徴やメーカー、規格/値段の違いなど、おすすめ20選を徹底比較!

歯科器材のバキュームチップとは?特徴やメーカー、規格/値段の違いなど、おすすめ20選を徹底比較!

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治療中にミラーは曇り、頬粘膜は吸い込まれ、アシストは手が足りない。そんな小さなストレスの積み重ねが、チェアタイムと術者疲労を押し上げる。バキュームチップは消耗品のように見えるが、視野確保と感染対策の運用を同時に左右する器材である。

本稿は、ユニット側の接続規格と再生処理を起点に、先端ゴムから一体型までを横並びで整理する。価格だけでなく、1回あたりのコスト、スタッフ教育、外科と一般処置の切り分けまで踏み込み、自院に合う標準化の形を描く。 本稿では公開情報が確認できた20の選定単位を比較し、選定の迷いを減らす。

比較サマリー表(早見表)

選定単位メーカータイプ主用途適合径目安誤吸引対策再生処理の前提タイム効率の傾向保守の有無供給面の注意包装定価目安1個単価目安
バキュームチップゴムモリタ先端ゴム一般処置10mmと11mm両用トラップ付情報なし交換容易情報なし汎用径10個2,270円227円
バキュームチップ用先端ゴム 10mm用モリタ先端ゴム一般処置10mm情報なし情報なし交換容易情報なし専用径10個2,090円209円
バキュームチップ用先端ゴム 11mm用モリタ先端ゴム一般処置11mm情報なし情報なし交換容易情報なし専用径10個2,090円209円
カラーバキュームチップゴムソフトモリタ先端ゴム一般処置10mmと11mm両用トラップ付情報なし交換容易情報なし汎用径5個2,200円440円
バキュームチップゴムヨシダ先端ゴム一般処置11mm情報なし滅菌可、薬液可交換容易情報なし販売状況要確認5個1,780円356円
バキュームチップゴム ソフトップヨシダ先端ゴム一般処置11mm情報なしオートクレーブ耐熱132℃交換容易情報なし11mm専用10個3,000円300円
バキュームシリコーンチップタカラベルモント先端ゴム一般処置11mm格子オートクレーブ耐熱135℃交換容易情報なし11mm専用10個4,400円440円
シリコーンチップBSAサクライ先端ゴム一般処置11mm情報なし情報なし交換容易情報なし11mm専用10個980円98円
ソフトチップBSAサクライ先端ゴム一般処置内径10mmと11mm情報なし情報なし交換容易情報なし在庫区別が必要10個950円95円
スイーツカンBSAサクライ先端ゴム一般処置情報なし情報なし情報なし交換容易情報なし適合確認が必要10個950円95円
サクションチップLite EM19マイクロテック一体型一般処置接続部16mm情報なし100回オートクレーブ対応とされる再使用で平準化情報なし16mm専用10個5,800円580円
サクションチップLite EM21マイクロテック一体型一般処置接続部16mm情報なし100回オートクレーブ対応とされる再使用で平準化情報なし16mm専用10個5,800円580円
アスピレーターチップロエコディスポ外科アダプター付情報なし滅菌済み開封即使用情報なしアダプター管理20本6,500円325円
サージチップ マイクロ1.2ロエコディスポ外科アダプター付情報なし滅菌済み開封即使用情報なしアダプター管理20本6,000円300円
サージチップ 4.8ロエコディスポ外科アダプター付情報なし滅菌済み開封即使用情報なしアダプター管理20本6,000円300円
サクションチューブロエコディスポ一般処置11mm情報なし情報なし準備短縮情報なし大量在庫向き50本2,200円44円
ZOOAPT多機能防湿と吸引11mmと16mm情報なしオートクレーブ可装着に慣れが必要交換用パーツあり専用パーツあり1個19,800円19,800円
C-ZOOAPT多機能防湿と吸引11mmと16mm吸引力調節オートクレーブ可装着に慣れが必要交換用パーツあり専用パーツあり1個25,300円25,300円
ZOOαAPT多機能防湿と根管補助11mmと16mm情報なしオートクレーブ可装着に慣れが必要交換用パーツあり専用パーツあり1個24,200円24,200円
C-ZOOαAPT多機能防湿と根管補助11mmと16mm吸引力調節オートクレーブ可装着に慣れが必要交換用パーツあり専用パーツあり1個29,700円29,700円

表は選定単位で整理している。先端ゴムは同じ製品名でも適合径で運用が分かれるため、10mm用と11mm用を別枠で扱うと混乱が減る。定価目安は取引条件や改定で変動し得るので、院内のコスト計算は1個単価と使用回数、再生処理の手間をセットで見て判断する。 本稿は特定の臨床結果を保証するものではなく、適合と再生処理は各製品の指示に従うべきである。

バキュームチップとは何か

この節の目的は、バキュームチップの役割と規格の地雷を先に理解し、購入後の不一致を避けることである。バキュームチップは高吸引量の吸引管の先端部を指し、先端ゴムを被せる方式と、一体型チップを差し替える方式が混在する。

臨床的には、吸引効率そのものより、頬舌の圧排、視野確保、ミラーの曇り、舌の巻き込みの頻度が問題になる。ここが安定すると、レジン充填や補綴の接着操作で再乾燥ややり直しが起きにくくなり、チェアタイムが揺れにくくなる。

規格面で最も大きい違いは接続径である。11mm系が一般的とされる一方、機種や部位で10mmや16mmも存在する。適合径が合わないと、吸引力の低下だけでなく、空気漏れ音、脱落、スタッフの無理な力みが起きやすい。

【項目別】比較するための軸

この節の目的は、製品スペックを臨床アウトカムと経営指標に翻訳し、どこに投資すると回収しやすいかを明確にすることである。バキュームチップは単価よりも運用で差が出るため、比較軸を先に固定してから製品を読むのが近道である。

適合径と接続規格が合うか

適合径は性能以前の必須条件である。10mmと11mmが両用の先端ゴムは在庫を減らせるが、差し込みが緩いと感じるユニットもあり得る。逆に専用径は密着性が出やすい反面、チェア間の融通が効かず、在庫切れが診療停止に直結する。

患者接触感は材質と形状で決まる

シリコーンなど柔らかい材質は、粘膜への圧が一点に集中しにくい。反面、柔らかすぎると舌圧や口唇圧で変形し、吸引口が塞がって吸いが落ちることがある。硬さは快適性だけでなく、術野保持の安定性に関わる。

誤吸引対策と目詰まり対策をどう担保するか

格子やトラップは、粘膜の巻き込みや異物の吸い込みを避ける意図の設計である。臨床的には安全側に倒しやすい一方、目詰まりしやすい形状もあるため、吸引圧を上げて帳尻を合わせる運用は避けたい。吸引不良は水分管理の乱れとなり、結果として処置時間を延ばす。

再生処理とディスポの境界を決める

オートクレーブ対応は再使用を想定した大きな条件であるが、耐熱温度や乾燥工程の可否は製品により異なる。外科では滅菌済みディスポを常備すると準備のばらつきが減る一方、一般処置でディスポを多用すると廃棄物と原価が増える。どこをディスポ化し、どこを再使用で回すかを診療メニューで線引きする。

1回あたりコストは単価より作業時間で決まる

先端ゴムが1個100円台でも、回収、洗浄、滅菌、乾燥、再装着に人手がかかればTCOは上がる。逆に単価が高い一体型でも、再生処理が簡単で破損しにくい運用なら回収できる。材料費と人件費換算を同じ表に置くと判断がぶれない。

高単価品は紛失と破損がROIを左右する

多機能型は1個あたりの価格が高く、破損や紛失がそのまま投資回収の失敗になる。チェア間の持ち回り運用にする場合は、所在管理と交換部品の入手性を先に決めておく必要がある。

教育負荷と院内標準化のしやすさ

バキュームはアシストワークの中核であり、器材が混在すると新人教育が長引く。色分けや径の統一、外科セットと一般セットの分離ができると、誰が入っても同じ手順で回る。結果として処置中の声かけが減り、診療の集中が途切れにくい。

【導入設計】チェア運用に落とす

この節の目的は、購入前に院内の吸引系統と再生処理を棚卸しし、現場が回る状態で導入することである。選定を器材係だけに任せると、適合径の不一致と再生処理の過負荷が起きやすい。

まず、全チェアのバキュームホース径と、先端ゴムか一体型かを記録し、互換しない組み合わせを可視化する。次に、外科と一般で必要な吸引の形状を分け、外科は滅菌済みディスポを基準に置くと在庫設計が簡単になる。

最後に、再使用する器材は、洗浄と滅菌の担当範囲を決め、オートクレーブの温度設定と乾燥工程が適合するかを確認する。ここを曖昧にすると、滅菌はしているのに劣化が早いという形でコストが漏れる。

【製品別】製品ごとのレビュー

バキュームチップゴムはトラップ付の先端ゴムである

バキュームチップゴムは内側トラップを備え、10mmと11mmの両用規格である。チェアの混在がある医院では在庫をまとめやすいが、再生処理の前提は情報なしのため院内規定に沿って扱い方を決めたい。

バキュームチップ用先端ゴム 10mm用はモリタ系ユニット向けである

バキュームチップ用先端ゴム 10mm用は10mm径に合わせた設計で、先端へのフィットを重視したタイプである。チェアが10mmで統一されている医院では脱落リスクを下げやすいが、他径チェアへの転用はできない。

バキュームチップ用先端ゴム 11mm用は国内ユニット互換を狙う選択である

バキュームチップ用先端ゴム 11mm用は11mm径に合わせた設計で、他社国内ユニット仕様を想定する。11mm中心の医院では標準化しやすい一方、10mmチェアが混在する場合は買い間違いが起きやすい。

カラーバキュームチップゴムソフトは少量包装で色分け運用がしやすい

カラーバキュームチップゴムソフトはトラップ付で、5個包装のため色分けを小回りよく始められる。単価は上がるが、チェアごとに担当色を固定して紛失と持ち回り混乱を減らす設計に向く。

バキュームチップゴムは滅菌と薬液を前提にした先端ゴムである

バキュームチップゴムは11mm用で、滅菌可と薬液可が明記されている。販売状況の表記が変わる場合があるため、調達可否を確認したうえで院内標準にしたい。

バキュームチップゴム ソフトップはオートクレーブ対応を前提にした先端ゴムである

バキュームチップゴム ソフトップは11mm用で、オートクレーブ耐熱132℃が示されている。接触感に配慮した材質をうたう一方、変形しやすさは吸引安定性とトレードになり得る。

バキュームシリコーンチップは格子付きでオートクレーブ対応である

バキュームシリコーンチップは誤吸引防止の格子を備え、11mm対応で135℃までのオートクレーブに対応する。再使用の標準手順を作りやすいが、格子部の洗浄性を落とすと吸引低下につながる。

シリコーンチップは低単価で色調が固定された先端ゴムである

シリコーンチップは11mmでクリアブルーの色調が特徴で、1個単価が低い。交換頻度を上げて清潔感を維持したい医院に向くが、滅菌条件の公開情報なしのため再使用前提なら確認が必要である。

ソフトチップは内径違いで在庫設計が分かれる先端ゴムである

ソフトチップは内径10mmと11mmがあり、色によって規格が分かれている。単価を抑えて標準化しやすい一方、径の取り違えが起きると吸引不良になるため、チェア側の径と在庫ラベルを一致させたい。

スイーツカンはフリーサイズをうたう先端ゴムである

スイーツカンはフリーサイズとされ、柔らかいタイプの追加が示されている。径の公開情報がないため、まずは1チェアで適合確認し、問題がなければ院内標準に展開するのが安全である。

サクションチップLite EM19は16mm接続の短め一体型である

サクションチップLite EM19は接続部16mmで全長11.4cmの一体型である。100回のオートクレーブ対応が示されており、上限まで運用できれば1回あたりコストを下げやすい。

サクションチップLite EM21は16mm接続の長め一体型である

サクションチップLite EM21は接続部16mmで全長12.9cmの一体型である。到達性を重視する選択になりやすいが、軟組織への当たり方も変わるため術者と歯科衛生士で試用して決めたい。

アスピレーターチップは個別滅菌包装のディスポ外科チップである

アスピレーターチップは柔軟性のあるディスポタイプで、個別滅菌包装とされている。外科セットに組み込みやすいが、接続は変換アダプター前提のため、チェア側の互換確認が導入条件になる。

サージチップ マイクロ1.2は細径の外科ディスポチップである

サージチップ マイクロ1.2は細径チップを含むセットで、滅菌済みのため開封後すぐ使用できる。視野の狭い部位で吸引口を小さく保ちたい症例に向くが、目詰まり時の交換を前提に在庫を厚めに置きたい。

サージチップ 4.8は太径の外科ディスポチップである

サージチップ 4.8は4.8mm径のチップを含むセットで、吸引量を確保したい外科処置で使いやすい。太径は軟組織を巻き込みやすい場面もあるため、組織保護具との併用を標準にすると安定する。

サクションチューブは大量包装のディスポで原価を下げやすい

サクションチューブは50本包装で1本あたりの単価が低い。ディスポ化で再生処理の手間を削りたい医院に向くが、廃棄量が増えるため分別と在庫置き場の設計が必要である。

ZOOはサイズ展開がある多機能バキュームチップである

ZOOは11mmと16mmがあり、標準とJrとMiniのサイズ展開がある。器材単価は高いので、破損管理と交換用パーツの運用設計ができる医院ほど投資回収が安定する。

C-ZOOは吸引力調節を備える多機能タイプである

C-ZOOは吸引力を無段階に調節できる設計である。長時間処置で吸引圧を調整したい運用に向くが、設定が人により変わると再現性が落ちるため院内基準を決めたい。

ZOOαは根管補助チューブを追加した多機能タイプである

ZOOαは追加チューブにより根管領域の吸引補助を意図した設計である。エンド処置で防湿と吸引の動線を単純化したい医院に向くが、器材が増えるぶん洗浄と滅菌の手順設計が必要になる。

C-ZOOαは根管補助と吸引力調節を組み合わせた多機能タイプである

C-ZOOαは根管補助チューブと吸引力調節を組み合わせた設計である。幅広い用途に対応しやすい一方、単価と保守部品が多いため、購入前に交換用パーツの予算枠を作ると運用がぶれにくい。

よくある質問(FAQ)

Q 11mmと16mmはどちらを選ぶべきか A 原則はユニット側のバキュームホース径に合わせるべきである。同じチェーンでもチェアで径が違うことがあるため、購入前に現物計測を推奨する。

Q 先端ゴムは毎回交換すべきか A 交換頻度は材質、再生処理の設計、劣化の見え方で決まる。柔らかいものほど変形や裂けが出やすいので、使用回数よりも外観と吸引の安定性で基準を作ると運用しやすい。

Q オートクレーブ対応なら何でも同じか A 耐熱温度が同じでも乾燥工程の可否や推奨サイクルが異なる場合がある。滅菌器の設定と運用手順が適合するかを確認し、適合が不明ならディスポ運用に切り替える判断も必要である。

Q 外科はディスポ一択なのか A 滅菌済みディスポは準備のばらつきを減らすが、全てをディスポにすると原価が上がる。外科の吸引は血液や骨片で目詰まりしやすいため、交換前提のディスポを軸にしつつ一般処置は再使用も含めて最適化するのが現実的である。

Q 吸引が弱いときにまず疑うべき点は何か A チップ側の目詰まりに加え、接続径の不一致による空気漏れが多い。チップを替えても改善しない場合はホース側やトラップ、ユニットの吸引系統の清掃を含めて点検する。