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歯科機器の止血鉗子とは?特徴やメーカー、規格/値段の違いなど、おすすめ15選を徹底比較!

歯科機器の止血鉗子とは?特徴やメーカー、規格/値段の違いなど、おすすめ15選を徹底比較!

最終更新日

抜歯窩の縁からにじむ出血が止まらず、視野確保のためにガーゼを追加し続ける。
その間に吸引が詰まり、術野が暗くなり、縫合の判断が遅れる。
止血鉗子は数千円から一万円台の小物であるが、チェアタイムと再現性に直結する器具である。

本稿は止血鉗子を臨床と経営の両面で比較し、導入判断の迷いを減らす。
価格は入力データの定価を用い、仕様不明は情報なしとする。

止血鉗子とは何か

本節の目的は、止血鉗子の基本構造と名称の違いを理解し、自院の術式に合うサイズ感をつかむことである。
止血は多くの外科処置で必須であり、器具選択のズレは視野不良や組織損傷のリスクにつながる。
名称が同じでも長さや先端形状が異なるため、規格の読み方を先に押さえる必要がある。

多くの止血鉗子は一般医療機器として届出される。
院内台帳は納入書と器具刻印に合わせ、販売名と届出番号で管理するとよい。
同じ呼称でも販売ルートで型番や製造販売元表記が変わるため、導入時に照合する。

止血の基本と鉗子の役割

止血鉗子はラチェットで閉鎖状態を保持し、血管や組織を把持して圧迫する器具である。
口腔内は狭く湿潤で滑りやすいため、把持が甘いと再出血や器材の落下を招きやすい。
一方で強く把持し過ぎると、軟組織の裂傷や縫合縁の挫滅を起こし得る。

形状名称の違いと適応の目安

モスキートは小型で、細かな止血や縫合時の補助に向くことが多い。
ペアンはモスキートより大きく、把持面が広い設計が多く、結紮の補助にも使われることがある。
コーチャーは先端に鉤を持つ設計が多く、滑りを抑えやすい反面、軟らかい組織では損傷に注意が必要である。

比較サマリー表(早見表)

本節は、候補を全長と直曲、価格帯で俯瞰し、選定の入口を作ることが目的である。
表は入力データの定価と規格を中心にし、不明は情報なしとする。
続けて臨床と経営の読み替え方を示す。

選定製品形状呼称直曲全長定価適応の目安操作性とタイム効率精度再現性物性耐久保守保証供給形態
1(株)YDM 止血鉗子 モスキートモスキート122mm¥11,000小出血,縫合補助短尺で視野干渉を抑えやすい納品時に咬合確認情報なし公開情報なし国内メーカー
2(株)YDM 止血鉗子 モスキートモスキート122mm¥11,000小出血,縫合補助回り込みで干渉を避けやすい納品時に咬合確認情報なし公開情報なし国内メーカー
3(株)YDM 止血鉗子 ペアンペアン直/曲情報なし¥11,000把持面広め,結紮補助セット内の汎用枠になりやすい納品時に咬合確認情報なし公開情報なし国内メーカー
4(株)タスク 止血鉗子 ハートマンハートマン情報なし情報なし¥12,000情報なし仕様確認が前提情報なし情報なし公開情報なし国内メーカー
5(株)タスク 止血鉗子 スマハスマハ直/曲100mm¥9,500狭い術野の補助短尺で細かな操作に寄る納品時に咬合確認情報なし公開情報なし国内メーカー
6(株)タスク 止血鉗子 ケリーケリー直/曲140mm¥9,800深めの把持,牽引奥行きに余裕が出やすい納品時に咬合確認情報なし公開情報なし国内メーカー
7ヒューフレディジャパン(合) ホルステッド モスキートモスキート120mm¥9,800小出血,縫合補助品番管理しやすい納品時に咬合確認情報なし公開情報なし国内販売元
8ヒューフレディジャパン(合) ホルステッド モスキートモスキート120mm¥9,800小出血,縫合補助回り込みで干渉を避けやすい納品時に咬合確認情報なし公開情報なし国内販売元
9ヒューフレディジャパン(合) 止血鉗子 アドソンアドソン直/曲190mm¥12,800手元を離した把持長尺で助手連携に向く納品時に咬合確認情報なし公開情報なし国内販売元
10ヒューフレディジャパン(合) 止血鉗子 コーチャーコーチャー140mm¥9,800滑り抑制が必要な把持適応を限定すると使いやすい納品時に咬合確認情報なし公開情報なし国内販売元
11マーチン社/茂久田商会 止血鉗子 ロチェスター ペンロチェスター160mm¥9,800深部把持長尺で視野設計が重要納品時に咬合確認情報なし公開情報なし代理店扱い
12マーチン社/茂久田商会 ハルステッド モスキートモスキート直/曲125mm/140mm¥13,800小出血から深部補助規格整理が鍵納品時に咬合確認情報なし公開情報なし代理店扱い
13マーチン社/茂久田商会 プロビデンスホスピタル情報なし直/曲140mm¥13,800汎用の140mm級役割を割り当てると活きる納品時に咬合確認情報なし公開情報なし代理店扱い
14マーチン社/茂久田商会 マイクロモスキートモスキート直/曲100mm/115mm/120mm¥13,800微小部位の把持必要本数を絞るとROIが出やすい納品時に咬合確認情報なし公開情報なし代理店扱い
15マーチン社/茂久田商会 ピーンピーン165mm¥13,800深部の保持口腔内では干渉に注意納品時に咬合確認情報なし公開情報なし代理店扱い

表はまず全長で見る。口腔内では120mm前後が扱いやすい一方、深部では140mm以上が楽になる。
次に直曲で見る。曲は回り込みで視野干渉を避けやすい。
最後に価格で見る。単価差よりも本数設計と交換頻度が総所有コストを左右する。

【項目別】比較するための軸

本節は、仕様差が臨床と経営にどう跳ね返るかを因果で整理する。
先端形状と関節部、ラチェットの精度が操作性と安全域を左右する。
その差はチェアタイムと滅菌回転、教育負荷に現れる。

先端形状と把持パターン

止血の確実性は、先端の咬合精度と溝の形、そして適切な把持圧で決まる。
咬合がずれると滑りやすくなり、同じ操作を繰り返して組織を余計に挫滅し得る。
名称が同じでも先端幅や溝の深さは異なるため、購入前に実物確認が有効である。

有鉤と無鉤の境界条件

先端に鉤があるタイプは滑りを抑えやすいが、軟組織では損傷を招き得る。
抜歯窩周囲の薄い粘膜や遊離歯肉では、無鉤で把持面が広いタイプが安全側になりやすい。
硬めの結合組織や筋膜様の把持には有鉤が有利になる場面がある。

関節部と耐久の見方

関節部はBOXロックやネジ止め、分解可能などの差がある。
清掃性は分解できる設計が有利になりやすいが、組み立てや部品紛失の管理が必要になる。
滅菌はラチェットを開放した状態で行うことが基本で、閉鎖のままでは熱応力と腐食リスクが増える。

全長とカーブがチェアタイムに効く

全長は術野の深さと手指の可動域に直結する。
短すぎる鉗子は把持のたびに手が視野を遮りやすく、長すぎる鉗子は先端がぶれやすい。
曲は回り込みで干渉を避けられる一方、直感的な力加減は直に分がある。

滅菌運用と腐食リスク

鋼製小物は洗浄不足が続くと、関節部にタンパク残渣が残り、開閉の渋さや腐食の起点になり得る。
水質や消毒剤の取り扱いでも腐食は左右されるため、工程をスタッフ任せにせず手順を固定化すべきである。
外科セットは術後すぐに開放し、洗浄後に十分乾燥させて保管する運用が再現性を高める。

術式適合と技工連携

止血鉗子は止血に加え、牽引やガーゼ把持、結紮補助の役割がある。
抜歯窩縫合中心なら短尺が主役になり、フラップ展開が多いなら140mm級の直曲が必要になりやすい。
出血が落ち着けば印象採得や口腔内スキャンの手戻りを減らし得る。

患者体験と説明のしやすさ

術野が血液で満たされる時間が短いほど、患者の不安を増幅させにくい。
止血が整うと処置説明のテンポも保ちやすい。
ただし器具だけで結果は決まらず、術式と動線が前提である。

教育負荷と稼働率への影響

バリエーションを増やすほど便利になる一方、準備ミスや紛失のリスクも上がる。
統一か最小限かを医院のフェーズで決める必要がある。
教育負荷を下げることは稼働率とROIに直結する。

経営指標としてのTCOとROI

止血鉗子は単価が小さいため、更新判断が後回しになりやすい。
咬合ズレやラチェット不良は処置時間の伸びとして現れやすい。
購入費に加え、再滅菌回転と買い替え頻度まで含めて総所有コストで見る。

【製品別】製品ごとのレビュー

本節は、規格と価格を踏まえ、自院に合う組み合わせを具体化する。
同じ呼称でも全長と直曲が違うため、セット内の役割で選ぶと迷いが減る。
情報がない項目は情報なしとする。

止血鉗子 モスキート は小回り重視の定番である

全長122mmで直と曲の2種類があり、外科セットの常備品として組み込みやすい。
短い器具は術野を遮りにくく、縫合時の糸把持や小出血の一時把持で扱いやすい傾向がある。
一方で深部の牽引や視野展開では長さ不足になり得るため、140mm級と併用すると運用が安定する。

止血鉗子 ペアン は汎用域を広げる中型である

直と曲の設定があるが、全長の公開情報は本入力データでは情報なしである。
一般にペアンはモスキートより把持面が大きく、結紮の補助やガーゼ把持にも使われる場面がある。
大きい器具は術野を遮りやすいので、口腔外科中心か保険の小外科中心かで優先度が変わる。

止血鉗子 ハートマン は用途確認が前提の選択肢である

本入力データでは規格と直曲が情報なしであり、選定時は実物とカタログ確認が必須である。
ハートマンは一般医科では別種の鉗子名として扱われることもあり、名称だけで用途を決めない方が安全である。
院内での役割が明確なら候補になり得るが、曖昧なまま導入するとセット内で浮きやすい。

止血鉗子 スマハ は短尺セットの補助役である

全長100mmで直と曲があり、狭い術野での保持や一時固定の用途に合わせやすい。
短尺は術者の手元が近くなるため、操作が繊細になる一方、深部では指が干渉しやすい。
外科を時短したい医院では、モスキートとの役割分担を決めて導入すると効果が出やすい。

止血鉗子 ケリー は140mm級で奥行きに強い

全長140mmで直と曲があり、深めの術野での把持と牽引に余裕が出る。
140mm級は器具が長くなる分だけ先端がぶれやすく、咬合精度と術者の手指感覚が要求される。
外科症例が多い医院ほど本数が必要になりやすく、滅菌回転を含めた本数設計が重要である。

ホルステッド モスキート は品質と統一感を重視する選択肢である

全長120mmで直と曲があり、型番が分かれているため管理台帳を作りやすい。
外科セットの同一ブランド化は、スタッフの準備ミスを減らしやすく、教育コストにも効きやすい。
一方で供給や保証の詳細は本入力データでは公開情報なしであり、取引先の体制確認が必要である。

止血鉗子 アドソン は長尺で器具干渉を避けたい場面に向く

全長190mmで直と曲があり、術野から手元を離して操作したい場面で選択肢になる。
長尺は奥行きには強いが、細かな止血だけを目的にすると過剰になりやすい。
外科中心で助手が器具を受け渡す体制がある医院ほど活かしやすい。

止血鉗子 コーチャー は滑りを抑えたい用途で検討する

曲の140mmであり、名称上は先端に鉤を持つ設計が想定される。
把持の安定は得やすいが、軟組織では損傷リスクが上がり得るため、適応の線引きが必要である。
インプラント外科や切開剥離が多い医院では、ペアンと使い分ける設計が運用の鍵となる。

止血鉗子 ロチェスター ペン は深部把持の余裕を求める選択肢である

曲の160mmであり、型番が示されているため発注間違いを減らしやすい。
長さがある器具は深部での保持に有利だが、口腔内では器具先端の死角を作りやすい。
外科中心で明確な手順書を整備できる医院に向く。

ハルステッド モスキート は選択肢が多いが規格整理が必要である

直125mmと曲140mm、曲125mmの設定があり、同名でも全長が分かれる。
選択肢が多いほど現場は便利になる一方、セット組みと発注管理が難しくなる。
発注コード単位でトレーを固定し、欠品時の代替ルールを決めると混乱が減る。

プロビデンスホスピタル は140mm級の直曲セットである

直と曲の140mmであり、型番が明示されている。
140mm級は汎用性があるが、モスキートとの役割が曖昧だと出番が減りやすい。
外科セットを二段階に分け、浅部用と深部用の役割を割り当てると使い切りやすい。

マイクロモスキート は細分化された短尺の選択肢である

直100mmと120mm、曲100mmと115mmがあり、微妙な差を選べる設計である。
短尺の差は口角牽引や開口量の制約に効くため、術者の手の大きさにも影響する。
高単価になりやすい領域なので、必要本数を絞り、適応症例を限定して導入するのが堅実である。

ピーン は165mmの曲で深部の保持に寄る

曲の165mmであり、長尺のカテゴリに入る。
深部把持には余裕が出るが、口腔内では器具の長さが干渉する場面もある。
外科症例が一定数あり、助手と連携して器具を動かせる体制に向く。

導入と運用で失敗しないための実務

本節は、購入後のセット化と滅菌回転でROIを作ることが目的である。
鋼製小物は洗浄滅菌と点検の仕組みで差がつく。
導入前に運用を決めておくと、後戻りが減る。

本数設計と滅菌回転

外科処置が集中する曜日は、止血鉗子の不足がそのまま待ち時間に直結する。
必要本数は、同時に回るチェア数と滅菌機のサイクル時間で決まる。
セット単位で標準化し、予備本を決めておくと欠品の影響を最小化できる。

点検と更新の判断

ラチェットの引っ掛かり、先端の咬合ズレ、関節部の渋さは性能低下のサインである。
不具合を放置すると、術者が余計な把持力をかけ、組織損傷や処置時間増につながり得る。
定期点検の頻度を決め、修理か更新かの判断基準を院内で共有すると安定する。

よくある質問(FAQ)

本節は、導入前後に出やすい疑問を整理し、運用の不確実性を減らす。
QとAは簡潔にし、判断基準を院内で共有できる形にする。

Q 止血鉗子は何本そろえるべきか
A 外科セットに入れる本数と、滅菌の回転時間で決まる。二台のチェアで外科が重なる日があるなら、セット数に加えて予備を持つ設計が安全側である。

Q 直と曲はどちらを優先すべきか
A 直は力加減が素直で基本になる。曲は後方や頬側の回り込みで干渉を避けられるため、奥歯部の外科が多い医院では曲を追加する価値が出やすい。

Q 滅菌で錆びやすいときに見直す点は何か
A 洗浄直後の乾燥不足と、関節部の閉鎖滅菌が典型である。ラチェットを開放して洗浄滅菌し、乾燥と保管の工程を固定化することが基本である。

Q 有鉤タイプは歯科で使うべきか
A 滑りを抑えたい用途では候補になるが、軟組織では損傷リスクが上がり得る。自院の術式で把持する組織を想定し、適応を限定して運用するのが現実的である。