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歯科機器のフェースボウとは?特徴やメーカー、規格/値段の違いなど、おすすめ25選を徹底比較!

歯科機器のフェースボウとは?特徴やメーカー、規格/値段の違いなど、おすすめ25選を徹底比較!

最終更新日

義歯の試適で咬合調整が長引き、技工所へ戻すか院内で粘るか迷う場面は多い。咬合採得や模型装着が一定水準でも、上顎の位置情報が咬合器へうまく移らないと、装着後の微調整が増えやすいのである。

フェースボウは万能ではないが、上顎と顆頭近傍の位置関係を咬合器へ移すための情報伝達装置として整理すると、導入判断が現実的になる。本稿は提供データに含まれるフェースボウ21製品を、規格と運用コストの観点で比較し、自院のROI設計に落とし込むための視点を提示する。

目次

比較サマリー表(早見表)

No製品名メーカー方式の公開情報主な対応咬合器の公開情報滅菌運用の公開情報定価表記臨床運用の狙い注意点
1ハノーフェイスボウ イヤーピース型 153-16モリタ/ウィップミックス(ハノー)イヤーピース型情報なし情報なし¥115,300単独操作を想定耳周囲の固定手順を統一
2ハノーフェイスボウ フェイシャ型 132-2SMモリタ/ウィップミックス(ハノー)フェイシャ型情報なし情報なし¥115,300前方基準点を明確化基準点の取り方で誤差が出る
3ハノースプリングボウ 182-8モリタ/ウィップミックス(ハノー)イヤーピース型情報なしオートクレーブ可¥102,500中心位取得の再現を補助術者の姿勢と固定が重要
4エキザクタ フェイスボウ マークⅡモリタ/シオダ情報なしホビー咬合器へ装着補助情報なし¥21,200可動部を減らし運用を単純化適応症例を決めて回す
5エキザクタ フェイスボウ マークⅢモリタ/シオダスライド式スペイシー咬合器全種情報なし¥30,600短時間でのトランスファー固定の甘さが誤差になる
6フェイスボータイプ2YDM情報なし情報なし情報なし¥52,800標準化しやすい構成を期待互換性は要確認
7ATB350K トランスファーボウキットⅢ-NTJM Orthoキット情報なし情報なし¥86,000固定点を増やし再現性を狙う部品管理と教育が必要
8ATB390K トランスファーボウキットAXJM Orthoキット情報なし情報なし¥120,000固定操作を簡略化症例数が少ないと回収が遅い
9ATB303 アキシオクイック トランスファーボウⅢJM Ortho単体情報なし情報なし¥42,000必要最小構成で導入周辺部品の追加が生じ得る
10スライドマチック フェースボウヨシダ/ウィップミックス社情報なしデナーの全ての咬合器情報なし¥110,000ジグ送付でチェア占有を抑制ラボ側の運用設計が前提
11プロアーチ フェイスボウ松風情報なしプロアーチIVほか情報なし¥27,000専用規格で迷いを減らす他規格との連携は要確認
12パナマウントフェイスボウ松風/矯正情報なし情報なし情報なし¥148,000簡易イヤーボウ兼用を想定部品構成を把握する
13パナマウントフェイスボウ東京歯材社セット情報なし情報なし¥122,000付属品込みで導入不足を回避消耗部品の補充を確認
14クイックマウント フェイスボウ東京歯科産業/ウィップミックス社情報なしウィップミックス モデル8500情報なし¥39,800間接マウントで省力化ジグ紛失がボトルネック
15モデル8645 AEB フェイスボウ東京歯科産業/デンタータス社情報なしデンタータス ARH/ARL情報なし¥76,500専用連携で誤差要因を減らす意図規格統一が必須
16アルクスフェイスボウカボ プランメカ ジャパン情報なし情報なし情報なし¥125,000作業工程を減らす設計とされる手順の標準化が要
17アルクスevoフェイスボウカボ プランメカ ジャパン情報なし情報なし情報なし¥125,000作業工程を減らす設計とされる互換範囲は要確認
18ユニバーサル トランスファーボウイボクラールビバデント情報なし情報なし情報なし¥181,500基準平面を選べる設計とされる設定が増えるほど教育負荷
19リファレンスフェイスボウ白水貿易/ガンマ社平均値のフェイスボウリファレンス咬合器情報なし¥198,000ワンタッチ固定で簡便化平均値の限界を理解する
20アーテックスフェイスボウ白水貿易/アマンギルバッハ社情報なし情報なし情報なし¥150,000フェースボウトランスファー咬合器側の規格確認
21CSAフェイスボウビー エス エーサクライ専用CSA 600/CSA-400情報なし¥41,800専用機で運用を単純化専用規格の縛りがある

表は方式と対応咬合器を最初に確認し、次に運用負荷を読むための早見表である。価格差は本体だけでなく、工程数、教育時間、器具回転の設計でTCOとして増減するのである。

フェースボウの役割と限界

この節の目的は、フェースボウが解決できる問題と、解決できない問題を切り分けることである。導入目的が曖昧だと、採得の癖やラボ連携の不足が温存され、投資が回収できないのである。

フェースボウは上顎と顆頭近傍の位置関係を咬合器へ移す補助である。咬合採得の誤差、印象の歪み、模型の膨張収縮といった別の誤差要因は残るため、フェースボウだけで咬合が合うと期待するのは危険である。

【項目別】比較するための軸

この節の目的は、スペック差が臨床アウトカムと医院収益にどう連鎖するかを言語化し、購入の合否を決めることである。どの方式を選んでも、運用が揃わなければ再現性は上がらないのである。

規格と互換性

フェースボウは咬合器規格に依存するため、対応咬合器が明記された製品を優先すべきである。技工所の主力咬合器と規格がずれると、アダプター追加や二重運用が起き、材料費と教育負荷が増えるのである。

基準点と再現性

イヤーピース型は耳周囲で固定しやすく、単独操作を想定した設計が多い。一方で、耳介周囲の圧迫や挿入角度の差が出ると基準点のブレとして現れ、咬合調整時間が伸びるのである。

平均値を選ぶと誤差が増える条件

顎堤吸収が大きい無歯顎、顎位が不安定なケース、治療位の再現が難しいケースでは、平均値の誤差が結果に影響しやすい。臨床的考察としては、こうした条件では工程短縮より再現性を優先する判断が出やすい。

前方基準点の設定が増えるほど教育負荷が増す

オービタルポインターなど前方基準点を明示する機構は有用であるが、設定手順が増えるほど新人教育が必要となる。教育時間が確保できない医院では、シンプルさがROIに直結するのである。

操作性とチェアタイム

間接マウント方式は、チェアサイドでフェースボウを長時間保持しない運用を組みやすい。症例数が多い医院ほど、チェア占有を減らす価値は大きいが、ラボ側のジグ運用が整っていないと逆に手戻りが増えるのである。

感染対策と滅菌運用

口腔周囲へ近接する器具である以上、清掃と滅菌の手順を明文化する必要がある。公開情報としてオートクレーブ可が示される製品は運用設計がしやすいが、可否が不明な製品はメーカー指示に従う前提で院内基準を作るべきである。

コストとROIの考え方

導入費は定価だけでなく、追加部品、保守、教育、器具回転も含めて評価すべきである。回収は一症例あたりの調整時間短縮と再製作の低減で見ると現実的であり、症例数が少ない場合は専用機より汎用性や低価格帯が有利になりやすい。

導入判断と運用設計

この節の目的は、購入前に運用の境界条件を決め、導入失敗を防ぐことである。フェースボウは置けば回る機器ではなく、採得者の癖と技工連携を均すための仕組みである。

まず技工所の咬合器規格と、院内で採得する術者の人数を確定する。次に、使う症例を限定し、チェック項目を一枚にまとめてから運用を広げると、再現性の差が数字で見えるようになるのである。

【製品別】製品ごとのレビュー

ハノーフェイスボウ イヤーピース型 153-16 は軽量化を意図したイヤーピース型である

公開情報ではアルミニウム製で軽量化を意図した設計であり、単独操作を想定する説明がある。臨床的考察としては、助手体制が薄い医院で手順の再現性を揃えやすいが、耳周囲の固定手順を統一しないとズレが残る。

ハノーフェイスボウ フェイシャ型 132-2SM はオービタルポインターを備えるとされる

公開情報では眼窩点を第三基準点として用いる機構で、オービタルポインター付きとされる。前方基準点の設定が増えるため、術者間で同一手順を守る運用がROIの前提となる。

ハノースプリングボウ 182-8 はスプリング機構で中心位取得を補助するとされる

公開情報ではバネ式構造で自動的に中心位が得られる説明があり、オートクレーブ滅菌が可能とされる。臨床的考察としては、手技差の吸収を狙える一方、過信せず採得の確認工程を残すべきである。

エキザクタ フェイスボウ マークⅡ は可動部が少ない構造とされる

公開情報ではイヤーボウとフェイシャボウを使い分けでき、可動部が少なくトラブルが少ない説明がある。低価格帯で試しやすいが、適応症例を決めて継続使用しないと学習効果が出にくい。

エキザクタ フェイスボウ マークⅢ はスライド式で正中合わせを簡略化するとされる

公開情報ではワンタッチで短時間にトランスファーできる説明があり、スペイシー咬合器シリーズ全種に対応とされる。時短の価値は大きいが、固定が甘いと誤差が増えるためチェック工程を省かない。

フェイスボータイプ2 は公開情報が少ないため導入前確認が重要である

提供データでは仕様説明がなく、方式や互換性は公開情報なしである。価格帯としては中間であり、臨床的考察としては既存咬合器との適合と部品供給を確認してから採用すべきである。

ATB350K トランスファーボウキットⅢ-NT はキット構成で固定を重視する設計とされる

公開情報では複数品番のセットで、二か所のT字スクリューで固定するタイプとされる。固定点が増えるほど再現性を狙えるが、部品管理と教育が回らないと運用停止につながる。

ATB390K トランスファーボウキットAX は固定操作を簡略化する意図とされる

公開情報ではT字スクリュー一か所で固定できる説明がある。症例数が多い医院ほど時短の価値が出るが、症例数が少ない場合は回収が遅れやすい。

ATB303 アキシオクイック トランスファーボウⅢ は単体導入しやすい価格帯である

公開情報ではアキシオクイックのトランスファーボウとして示される。単体価格は抑えめだが、周辺部品の追加が生じ得るため、初期一式の見積もりを先に固めるとよい。

スライドマチック フェースボウ はデナー咬合器全対応とされ間接運用を組みやすい

公開情報ではデナーの全ての咬合器に使用でき、ラボへはバイトフォークとトランスファージグを送る説明がある。臨床的考察としてはチェア占有を抑えやすいが、ジグの紛失対策が必要である。

プロアーチ フェイスボウ はプロアーチ咬合器への模型装着を補助する目的とする

公開情報ではプロアーチIVほかに上顎模型を装着を補助するためのフェイスボウとされる。専用規格は迷いが少ないが、技工所の規格が異なる場合は連携設計が必要である。

パナマウントフェイスボウ は簡易イヤーボウとしても使用できるとされる

公開情報では簡易型イヤーボウとしても使用でき、ヒンジアキシスマウンティングの準備にも用いる説明がある。機能が多いほど教育負荷が増えるため、院内の使い方を絞ると回収が早い。

パナマウントフェイスボウ は付属品込みのセットである

公開情報ではフェイスボウに加え複数の付属品が含まれるセットである。導入不足を避けやすいが、消耗部品の補充と追加購入の条件を事前に確認すべきである。

クイックマウント フェイスボウ はウィップミックス モデル8500への移し替え補助とされる

公開情報では鼻根部と耳珠の三点と口腔の位置関係を記録し、モデル8500上に移し変える補助を行う説明がある。低価格帯で導入しやすいが、ジグ運用が崩れると再現性が落ちる。

モデル8645 AEB フェイスボウ はデンタータス咬合器の再現を目的とする

公開情報ではデンタータスARHとARLに位置関係を再現する説明がある。規格統一ができる環境では強みになるが、異規格混在では二重運用になりやすい。

アルクスフェイスボウ は少ない作業工程をうたう説明がある

公開情報では少ない作業で助手を必要としない旨が示される。臨床的考察としては工程削減は魅力だが、固定と基準点の再現を院内手順として残す必要がある。

アルクスevoフェイスボウ は同様に工程削減をうたう説明がある

公開情報では少ない作業で助手を必要としない旨が示される。互換範囲の公開情報が不足するため、保守体制と付属品の供給を確認してから選定したい。

ユニバーサル トランスファーボウ は基準平面を選べるとされる

公開情報ではカンペル平面またはフランクフルト平面を基準としてトランスファーする説明がある。設定が増えるほど教育負荷が増えるため、基準平面を固定して運用するとブレが減る。

リファレンスフェイスボウ は平均値のフェイスボウとされワンタッチ固定をうたう

公開情報ではアキシスオルビタ平面を基準とした平均値のフェイスボウとされ、ワンタッチロック機構を採用する説明がある。平均値の限界を理解し、適応症例を決めると時短が収益に乗りやすい。

アーテックスフェイスボウ はフェースボウトランスファーを行う目的の製品である

公開情報では咬合器上に上顎と顎関節の位置関係を再現する説明がある。対応咬合器の規格は公開情報なしのため、技工所側の設備と合わせて導入すべきである。

CSAフェイスボウ はCSA専用で対応機種が明確である

公開情報ではCSA 600とCSA-400に対応する専用フェイスボウとされる。専用規格は迷いが少ないが、将来の規格変更が起きた際の拡張性は事前に整理しておきたい。

よくある質問(FAQ)

Q フェースボウは毎症例で必須であるか
A 必須ではない。咬合器上での再現性を必要とする症例や、調整時間を構造的に減らしたい運用で価値が出やすい。

Q イヤーピース型とフェイシャ型はどちらが選びやすいか
A 助手体制と教育負荷で選ぶのが現実的である。単独操作を狙うならイヤーピース型、前方基準点の統一を重視するならフェイシャ型が合う場合がある。

Q 間接マウント方式は本当に時短になるか
A ラボ側のジグ運用が整えば時短になりやすい。整っていない場合は手戻りが増えるため、導入前に工程の合意が必要である。

Q ROIはどう見積もればよいか
A 機器価格ではなく、調整時間と再製作、往復回数の変化で見るべきである。まず対象症例を限定し、導入前後でチェアタイムを比較すると判断しやすい。