
アデントで取り扱いのあるコンポジットレジンのおすすめを評判や価格で比較
歯科用コンポジットレジン(レジン充填材)の選択に悩んだ経験はないだろうか。たとえば充填したレジンの色調が合わず患者に指摘されたり、充填操作に手間取りチェアタイムが延びてしまったりといった場面は、開業医であれば一度は経験するものだ。また保険診療で使用する材料コストや、再治療の発生によるロスは医院経営にも響いてくる。実はコンポジットレジンの選択ひとつで、こうした臨床現場のストレスや経営上の課題が大きく変わり得る。
本記事では、20年以上の臨床経験と歯科医院コンサルティングの視点から、アデントで購入可能な代表的コンポジットレジンを臨床的な評判と価格を含む経営的価値の両面で徹底比較する。それぞれの製品が持つ特徴と強み・弱みを客観的データに基づき分析し、あなたの診療スタイルに最適なレジンはどれかを考察する。日常臨床のヒントはもちろん、導入によるROI(投資対効果)まで踏み込んだ戦略的な材料選びの指針を提供する。レジン選択に悩む先生方が「この一手があったか!」と膝を打つような気づきを届けたい。
コンポジットレジン比較早見表
まず、本記事で取り上げる主要なコンポジットレジン7製品の特徴を一覧にまとめた。臨床性能に加え、おおよその価格帯や時間効率、どのような診療に適しているかといった観点を含めて比較している。各製品の詳細は後述するが、まずは早見表で全体像を把握していただきたい。
製品名 (メーカー) | 主な特徴(臨床面) | 標準価格*(税抜) | タイム効率 | 適した診療スタイル |
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フィルテック シュープリームUltra(3M) | ナノフィラー配合の万能レジン。審美性と耐久性のバランス良好 | 約3,800円/4g | 通常硬化(2mm毎20秒照射) | 保険・自費問わずオールラウンド |
エステライト Σクイック(トクヤマ) | スープラナノ球状フィラーで高研磨性。短時間で重合硬化 | 約3,300円/3.8g | 照射時間短縮(従来比1/3) | 保険中心の効率重視診療 |
オムニクロマ(トクヤマ) | 1色で全歯列の色調に適応する革新的レジン | 約3,900円/3g | シェード選択不要で時短 | 保険メインの高回転診療在庫削減も重視 |
クリアフィル マジェスティ ES-2(クラレ) | エナメル・デンチン二層のシェード体系。高充填率で強度◎ | 約3,500円/4g | 通常硬化(2mm毎20秒照射) | オールラウンド。信頼性重視の診療 |
ビューティフィル II(松風) | フッ素徐放性S-PRGフィラー。う蝕リスク低減に期待 | 約3,700円/4g | 通常硬化(2mm毎20秒照射) | 小児・予防重視診療メンテナンス志向 |
ジーニアル アコード(ジーシー) | シンプルシェード設計。自然な蛍光性で調和しやすい | 約3,600円/4g | 少数色で選択簡便 | 保険・自費両立。材料管理の簡素化 |
エステライト アステリア(トクヤマ) | 2層だけで高審美を実現する自費修復用レジン | 42,000円(セット) | 分厚い症例も2層で完結 | 自費審美中心の診療審美性最優先 |
*価格は標準医院価格の目安。実勢価格は販売店により異なる。
コンポジットレジンを比較検討するためのポイント
コンポジットレジンを評価する軸として、物性・耐久性, 審美性, 操作性・作業効率, コストと経営への影響の4点が挙げられる。それぞれの項目で何が違い、その差が臨床結果および医院経営にどう影響するのかを見ていこう。
物性・耐久性の比較
まず物性だが、各社レジンの強度や耐摩耗性はフィラー(充填剤)の含有量や種類に大きく左右される。一般的にフィラー充填率が高いほど硬化後の強度(曲げ強さや圧縮強さ)が向上し、咬合圧への耐久性が増す。例えばクリアフィル マジェスティやエステライト アステリアのように重量比約80%前後もの無機フィラーを含むレジンは、高い曲げ強さ(100MPa近く)を示し、大臼歯部の咬合にも耐えうる性能を備えている。一方、フィラー率が高すぎるとペーストが硬くなるため各社は粒子設計を工夫し、操作性との両立を図っている。
耐摩耗性についても最新レジンは著しく向上している。ナノフィラー系のフィルテック シュープリームUltraはエナメル質に近い摩耗量になるよう設計されており、実際に使用しても咬合面が減りにくい【注:3M社資料】。これは長期的な咬耗による咬合低下や二次う蝕リスクを抑え、患者満足度と修復物の寿命向上につながる。同時に適度な弾性も重要で、過度に硬すぎる材料は対合歯を摩耗させてしまう可能性がある。その点、各社ともフィラーの種類(ガラス、シリカ、ジルコニアなど)やマトリックス樹脂を調整し、歯質と近い硬さになるよう制御している。
さらに長期安定性(経年的な変色や劣化のしにくさ)も比較ポイントだ。経年的にレジンが水分を吸収しやすい材料だと変色や物性低下が起こりやすい。最新のナノハイブリッド系レジンではマトリックス樹脂の改良やシラン処理技術により、水分による劣化を抑制している。結果、5年以上経過しても光沢や色調が良好に保たれているとの臨床報告も増えている。物性の高さは再充填までの期間延長すなわち患者の再治療率低下を意味し、医院にとっては保証修復の手間削減や患者からの信頼向上につながる重要なファクターである。
審美性の比較
審美性は色調適合性と表面の光沢に大別できる。まず色調適合性について、近年話題なのが一色であらゆる歯に調和するとされるレジンの登場である。オムニクロマが代表例で、特殊フィラーの光学特性により周囲歯質の色を反映してA1からD4まで単一シェードでカバーする。他社もカメレオン効果を高めた「少数シェード化」の製品(例:ジーニアル アコードはわずか7色で16色域を網羅)を展開しており、色合わせが簡便になる傾向にある。ただし完全に“一色ですべて完璧”とはいかないケースもある。隣接歯が極度に変色している症例や、レジン周囲に歯質がほとんど無いケース(大きなクラスIV修復など)では、単一シェードではやや不自然になることがある。そのためオムニクロマでは大きな透化部に対応する専用のブロッカー材を併用する対策が提案されている。とはいえ通常の小〜中規模の修復では一色適合はほぼ問題なく機能し、多くの症例でシェードテイキングの時間を省けるメリットは大きい。
一方、従来型のマルチシェード製品もレイヤリングテクニックによって高度な審美性を実現している。エステライト アステリアのような自費修復用レジンは、エナメル用・デンチン用の二層のレジンを使い分けることで天然歯同様の質感と透明感を再現できる。例えば、エステライト アステリアでは基本2色2層のシンプルな積層で高い審美性が得られるよう最適化されている。レイヤリングにより隣接歯のグラデーションや切縁の半透明感まで表現可能であり、前歯部の高い審美要求に応えられる。ただ、その分手技の習熟やシェード選択の経験が要求される点は留意すべきだ。
表面の光沢(グロス)と研磨性も審美性の重要項目だ。フィラー粒子径の大小や形状が光沢維持に直結する。ナノフィラーや球状フィラーを採用したレジン(例:エステライトΣクイックやフィルテックUltra)は、研磨時に表面が均一に削れるため短時間で鏡面の艶を得やすい。また大きなフィラーが脱落して表面が荒れる現象も起きにくく、長期にわたり艶を維持できる。臨床的には、研磨に時間をかけずとも自然な艶が出る材料であればチェアタイム短縮につながり、患者満足度も向上する。逆に艶出しに手間取る材料は診療効率を下げるだけでなく、術者のフラストレーションにもなるため注意したい。
最後に経年変色の比較だが、レジンは経年的にわずかに着色していく傾向がある。原因はレジン内部への色素浸透や表面粗造化だが、材料ごとに差があり、近年の高品質レジンではコーヒーや紅茶による着色が付きにくいものも多い。例えば筆者は以前、保険診療で使ったレジンの変色でクレームを受けた経験から、変色しにくいナノハイブリッド系に切り替えたところ数年後の定期健診でも辺縁着色がほとんど見られなくなったという体験をした。変色しにくいレジンを使うことは補綴物の見た目の劣化を防ぎ再治療間隔を延ばすだけでなく、「先生に治してもらった前歯はいつまでも綺麗」と患者の信頼を得ることにもつながるのだ。
操作性・作業効率の比較
コンポジットレジンの操作性は臨床のスムーズさを左右する。操作性にはペーストの硬さや粘性、適合性(壁面へのなじみ)、作業時間などが含まれる。まずペーストの扱いやすさだが、充填時に器具にベタつかず離れが良いかどうかは重要だ。フィルテック シュープリームUltraは「適度なコシがあり器具離れが良い」と評価されるように、扱いやすさに定評がある。また、セラメックス One(デンツプライシロナ)のようにフィラー形状を工夫してベタつきを抑制しているものもある。ペーストが軟らかすぎて垂れやすいと、隅角部への圧接に時間がかかったり、形態が崩れて微調整に手間取ったりする。一方で硬すぎると適応が悪く空隙の原因になり得る。各製品で粘稠度は微妙に異なるため、自分の充填スタイル(スロープ法で少しずつ詰めるか、一塊で成形するか等)に合った操作感の材料を選ぶことがポイントだ。
重合方法と作業効率については、一括充填への対応や光照射時間が要検討だ。従来、多くのレジンは約2mm厚までの逐次積層充填が必要で、深い窩洞では何度も充填・照射を繰り返す必要があった。これに対しバルクフィルタイプの登場は、大きな時間短縮をもたらした。例えばシュアフィル SDRフロー(デンツプライ)やフィルテック バルクフロー(3M)といったバルク用レジンは4~5mmの厚みを一度に充填可能で、照射も1回で済む。臼歯部の深い窩洞なら積層回数を半分以下にでき、術者・患者双方にメリットが大きい。ただしバルクフィルは透明度が高めで審美性が若干劣る場合もあり、多くは咬合面に通常レジンを薄層で覆うことが推奨される。また硬化収縮ストレスを低減する工夫がされているとはいえ、一度に大量に重合させるため十分な光量を持つ照射器が必要となる点も留意したい。
一方、通常タイプのレジンでも重合時間の短縮が図られている。エステライトΣクイックは従来の約1/3の照射時間で硬化が完了するラジカル増幅型光重合開始剤を採用している。具体的には、例えば20秒必要だった層が7秒程度で硬化可能となり、多数歯の処置では積み重なれば無視できない時間短縮となる。また照射時間が短ければ患者の開口負担も減り、小児や開口困難な高齢者の処置成功率向上にもつながる。
環境光下での操作余裕時間も効率に関わる。オペ用ライトの下でもすぐには硬化開始しない樹脂の方が、落ち着いて形態修正ができる。エステライト アステリアなどは前身製品より操作時間を延長しており、複雑な形態付与中に途中で硬化してしまうリスクを下げている。総じて、操作性と時間効率の良いレジンを使うことはチェアタイム短縮による回転率アップや術者の肉体的・精神的負担軽減につながり、ひいては医院全体の収益性向上に寄与するのである。
コストと経営への影響
最後にコスト面とそれが経営に与える影響を考えてみよう。コンポジットレジンの材料費自体は1本数千円程度であり、1回の修復で使う量からすると1症例あたり数百円程度と見積もることができる。保険診療において数百円の材料費差は一見小さいが、塵も積もればで医院全体では無視できない。例えば月に100本の充填を行えば、年間では1200本になる。もしレジン代が1本あたり50円安く済めば年間で6万円、逆に50円高ければ6万円コスト増となる計算だ。ただし単純な単価だけでなく、無駄なく使い切れるかも重要となる。シェードの多い製品では使わない色が賞味期限切れで廃棄になることも起こりがちだ。そうしたロスを考慮すると、少ない色で汎用できるオムニクロマやジーニアル アコードは在庫管理コストの削減につながる。実際、オムニクロマを導入した医院では「ほとんど使わないシェードを在庫する必要がなくなり、キャビネットがすっきりした」という声もある。材料ロスが減ればその分コストパフォーマンスは向上する。
付帯品やサポート体制も経営判断の材料だ。例えば専用アプリケーターやプライマーが必要なレジンは初期導入費が高くつく。またメーカーの技術サポートやセミナー提供の有無も、導入後の活用度を左右するだろう。自費診療向け高額レジンの中には、ハンズオンセミナーで使いこなしをレクチャーしてくれるケースや、トライアルキットを用意している場合もある。価格だけでなく、購入によって得られる付加価値(スタッフ教育支援やメーカー保証)も確認したい。
最終的には、導入コストに対してどれだけのリターンが得られるか、すなわちROI(Return on Investment)の視点が重要になる。高価な審美修復用レジンを導入するなら、それを患者に提供して自費収入を得る道筋を描く必要がある。例えば「従来は保険内でしかレジン修復をしてこなかったが、アステリア導入を機にダイレクトボンディングという自費メニューを新設し、1本3万円の審美コンポジット修復を提供する」といった戦略である。患者満足度が高まれば口コミで増患効果も期待でき、材料費以上の利益をもたらす可能性がある。一方、保険診療中心でとにかく回転率を上げたい場合には、1本あたり数十円安くかつ時短に寄与する材料を選ぶことで、薄利多売の効率を極限まで高めるという戦略になるだろう。このように経営目標に合わせて材料選定の基準も変わってくる。次章では、以上の観点を踏まえて各製品を具体的に検証していく。
アデント取扱い主要コンポジットレジン7製品の詳細レビュー
上記の比較ポイントを念頭に、アデントで購入できる代表的なコンポジットレジン7種類を一つひとつ取り上げる。各製品の客観的なスペックと臨床成績、そして筆者自身や同業の先生方の経験を踏まえたを解説する。また、その製品が特に力を発揮するシチュエーションや、どんな診療スタイルの先生にマッチするかについても述べる。
フィルテック シュープリーム Ultra – 高研磨性と強度を両立したグローバルスタンダード
3M社のフィルテック シュープリーム Ultra(日本国内では「シュープリーム ウルトラ」とも呼称)は、ナノフィラーを世界で初めて実用化した歴史的製品の系譜に属するユニバーサルレジンである。0.005~0.020ミクロン(5~20nm)サイズの極小フィラーをクラスター化した独自技術により、高い研磨性と物理強度を両立しているのが特徴だ。ペーストは適度な硬さとコシがあり、充填器にべた付きにくく離れが良い。そのため微細な窩洞から大きなII級窩洞まで操作性は良好で、歯頸部など圧接しにくい部位でも隙間なく充填しやすい。色調は前後部共用のシェードだけでも20色以上と非常に豊富で、エナメル・デンチン・透明色など質感の異なるバリエーションも揃う。審美修復用途では複数シェードを使い分けた精巧なレイヤリングも可能である。一方、シェード数が多いため在庫管理が煩雑になりがちな点は留意が必要だ。よく使うA系・BW系は複数本常備しつつ、出番の少ない色は使い切りユニット(カプセルタイプ)で補充するなどの工夫で無駄を減らしたい。
臨床での信頼性も非常に高く、全世界で長年にわたり使用されている実績が物語るように、その耐久性・審美性には定評がある。ナノフィラーの効果で研磨後の光沢は長期間維持され、コーヒーなどによる着色も起きにくい。また、エナメル質と近似の摩耗特性を示すため、咬合面で過剰に減ったり対合歯を傷つけたりしにくい。筆者自身、フィルテックに切り替えてからは「レジンが外れた」「欠けた」という患者連絡が激減したと実感している。強度的にも充填後の破折や咬耗のトラブルが少なく、治療保証期間内の無償やり直しが減ったことで、技術だけでなく材料の大切さを痛感させられた。価格は4gシリンジで実売3千円台後半とプレミアム帯だが、1本で多くの症例に対応でき汎用性が高いため材料費以上の働きをしてくれる印象である。保険診療から高度な自費審美修復までオールラウンドに使えるため、「とりあえず迷ったらフィルテックを選べ」と言われるほどの安心感がある。最新の優れたレジンをまず1本導入してみたいという先生には、最有力の選択肢となるだろう。
エステライト Σ(シグマ)クイック – 短時間重合と抜群の艶で保険診療を効率化
トクヤマデンタルのエステライトΣクイックは、日本開発のレジンとして保険診療の現場で絶大な支持を得ている製品である。その最大の特徴はラジカル増強型の光重合開始剤を採用し、照射時間の大幅短縮に成功している点だ。従来20秒照射が必要だった厚みでも7秒程度で硬化可能であり、多数歯の充填時にはトータルの照射時間を大きく削減できる。またトクヤマ独自のスープラナノ球状フィラー技術により、研磨性と艶の持続性に優れる点も特筆に値する。フィラーは平均径0.2μmの球状シリカ/ジルコニアで、表面が滑沢に磨かれやすく、研磨直後のような光沢感が長期間維持される。実際、エステライトに替えてから「半年経っても詰め物がテカテカですね」と患者に驚かれたという同業の話もあるほどだ。術者目線でも、研磨に時間をかけずとも自然な艶が出るため仕上げ研磨のストレスが少ない。
操作性に関しても、ペーストはやや硬めで形態保持性が良いタイプであり、咬合面の山を一度でしっかり再現できる。一方で球状フィラー配合のおかげか適合性も高く、細部までよくなじむ印象だ。器具への付きも少なく、一塊でぽってりと盛り上げてもヘラ先にくっついて引っ張られるようなことが起きにくい。シェードは保険適用範囲内の実用的な色を中心に十数色展開されている。前述のフィルテックに比べるとエナメル・ボディといった質感別はなくシンプルだが、その分迷わず色選択できる利点がある。色調適合性自体も優れており、単一色でも周囲に溶け込むカメレオン効果が高い。例えばA3を入れてもA2~A3.5程度までなら自然に見えるため、細かなシェードを揃えずとも日常診療は乗り切れてしまう。
価格は1本あたり3,000円前後(3.8g)と国産品らしく比較的求めやすい。低価格でありながら臨床性能が高いため、コストパフォーマンスが極めて良いと言えるだろう。特に保険診療主体のクリニックでは、1症例当たり材料費を抑えつつチェアタイムも短縮できる恩恵は大きい。筆者の知るある歯科医院では、「エステライトに変えてから1日のレジン充填アポイントが以前より1~2本増やせるようになった」と話していた。短時間で硬化するため1本あたりの処置時間が僅かに圧縮され、それが積もり積もって診療ユニットの回転率向上につながったというのだ。まさに効率を追求する開業医にうってつけの材料と言えるだろう。一方で、エステライトΣクイックは保険診療向けに最適化されているため、重ね塗りで高度な色再現をしたい場合には物足りないこともある。そのような審美領域には後述のアステリアを使い分けるなど、同社内で棲み分ける戦略も可能だ。総じてエステライトΣクイックは、日本の多忙な臨床現場を支える頼れる主力選手であり、効率と質を両立したい先生方にまず推奨したい。
オムニクロマ – 在庫わずか1本!全シェード適合の革新的ユニバーサルレジン
オムニクロマ(トクヤマデンタル)は、2019年の登場以来大きな話題を呼んだ世界初の一色対応コンポジットレジンである。レジンが本来無色透明にも関わらずあらゆる歯の色に化けるというコンセプトは半信半疑で迎えられたが、その後多くの臨床家が「本当にほとんどのケースで周囲と見分けがつかない」と太鼓判を押す革新的製品だ。秘密はフィラーにあり、平均サイズ260nmの球状フィラーを特殊な組成で作ることで、光が当たると人の歯が持つ赤橙色の波長を再現する構造色現象を活用している。難しい原理はさておき、術者として嬉しいのはシェード選択が不要になる点だ。症例ごとにA2かA3か……と悩んだり、シェードガイドを当てる時間がゼロになる。特に訓練していない新人スタッフやアシスタントでも色合わせができるため、院内の誰でも安定した審美修復が提供しやすい。在庫管理も非常にシンプルで、基本シリンジ1本(3g)だけ備えておけばよい。滅多に使わないCシェードや濃色シェードを買い揃える必要がなく、在庫切れや廃棄ロスとは無縁になれる。経営面では材料在庫コストと管理手間の大幅削減につながる点は大きい。特に開業直後で予算も限られる中、小出しに多種類を揃えるくらいなら、まずオムニクロマ1本で様子を見るという選択肢も十分合理的だ。
肝心の臨床性能だが、色調適合の再現性は想像以上に高い。筆者も初めてオムニクロマを使った時、やや半信半疑でA系の歯に充填したが、光照射後には「確かに違和感がない…」と感嘆した覚えがある。周囲の歯質がある程度健全であれば、境界もほぼ分からなくなる。ただし全てのケースが完全にカモフラージュできるわけではないことも経験上感じている。例えば、隣接面や切端まで大きく欠損したケースでは、周囲に参照する歯質が少ないためかやや白ぼけたように見える場合があった。そのため、メーカー推奨にある通りIII級やIV級窩洞では専用ブロッカーで下地を調整する工夫が望ましい。また漂白歯のような極度に明るいシェード(BL系)への適合も完全ではない。こうした限界はあるものの、通常の小~中規模の虫歯治療ではまず問題なく機能し、「ほぼシェードフリーで使える」という利便性は計り知れない。硬化後の物性も一般的なハイブリッドレジンと同等で、前歯・小臼歯はもちろん臼歯部にも使用できる強度を備えている。研磨性も良好で、ツヤも十分出る。ただフィラー含有率は他の高充填レジンよりやや低いためか、筆者の感触では長期の咬合面耐耗性は平均的に感じる。定期検診で見ていると、2~3年でわずかに咬合点が丸みを帯びる程度の磨耗がみられた症例もあった。しかしその範囲は許容レベルであり、むしろ適切に咬合調整されて機能しているとも言えるレベルである。総合的に見れば、オムニクロマは日常臨床の8割以上をカバーしうる万能選手であり、保険診療メインで効率と在庫最適化を図りたい開業医にとって非常に魅力的な選択肢だ。「色で迷うストレスから解放されたい」「スタッフ任せでも安心なレジンが欲しい」という悩みを持つ先生には一度試してみてほしい。
クリアフィル マジェスティ ES-2 – 信頼の接着メーカー発、充填から築盛まで使える定番レジン
クラレノリタケデンタルのクリアフィル マジェスティ ES-2は、接着剤で有名なクラレが手掛けるユニバーサルコンポジットレジンである。クラレはボンディング材に強みを持つが、本製品も同社の接着システムとの相性が良いように設計されており、確実な接着と安定した物性が特徴だ。マジェスティのシェード体系は独特で、エナメル用・デンチン用の2カテゴリに分かれ(ES-2 = Enamel & Dentin Shade Systemの意)、各々で主要な色調を揃えている。例えば「A2E」はA2エナメル、「A2D」はA2デンチンという具合である。必要に応じエナメルとデンチンを積層することで、より自然感のある色調再現が可能だ。しかし日常の小さな修復ならどちらか片方のみで充填しても十分綺麗に仕上がるため、運用は柔軟にできる。フィラー充填率は重量比約78%と高く、硬化後の強度・剛性はいずれも良好だ。咬頭カバーするような大きなMOD修復でもしっかり耐えてくれる安心感がある。さらにX線不透過性も高い数値が確保されており、充填後のレントゲンチェックで明瞭に映る(補綴物と齲蝕の識別が容易)点も地味だが優秀なポイントである。
ペーストの操作感は適度にクリーミーでなめらかだ。前述のエステライトΣほど硬くはなく、どちらかと言えば軟らかめで歯面によくフィットするタイプである。しかしダレ過ぎず盛り上げも可能な絶妙な粘度で、前歯部から臼歯部まで扱いやすい。開業当初、筆者はとにかく失敗しにくい無難なレジンとしてマジェスティを選んだ。実際、操作中に「これは困った」という癖もなく、充填後の経過も良好で、新人ドクターにも勧めやすい安定感がある製品と感じている。色調はクラレ独自のシェードマッチ理論のおかげか、一色でも周囲とよく調和する。特にエナメルシェードは絶妙な半透明度で、隣在歯になじみやすい。審美性の要求が高いケースではデンチンシェードを下層に入れると一段と境界がわからなくなる。研磨すれば自然な艶も出るが、表面は微細な凹凸がやや残る触感でエステライトなど超平滑に仕上がるレジンと比べると光沢持続は平均的かもしれない。しかし臨床上大きな欠点には感じないレベルだ。価格は4gで定価4千円台だが実売は3千円台前半〜中盤程度で、競合他社製品とほぼ横並びである。接着システムとセットでディーラー経由の導入もしやすく、アフターサポート面でも国内メーカーの手厚い対応が期待できる。総じてクリアフィル マジェスティは可もなく不可もなく性能が高いオールラウンダーと言える。日常の主力材料として大きな失敗のない安定志向の先生には適した一品だ。またクラレファンの先生なら、同社製ボンディング材との相乗効果も期待しつつ導入すると良いだろう。
ビューティフィル II(LS) – フッ素放出で予防歯科に貢献する湿潤下に強いレジン
松風のビューティフィル IIは、S-PRGフィラー(表面反応型ガラス)を搭載した世界初の「Giomer(ジオマー)」と呼ばれるカテゴリーのコンポジットレジンである。S-PRGフィラーはフッ素やナトリウムイオン、アルミニウムイオンなどを含有し、硬化後も唾液中にそれらイオンを徐放する性質がある。このためう蝕抑制効果や歯質の再石灰化支援が期待されており、予防歯科の観点からユニークな存在だ。実際の臨床でも、ビューティフィルを用いた小児の齲窩充填で二次齲蝕の発生が少ないという報告がある。またプラークの付着を抑制する効果も確認されており、術者としては「詰めた後も歯に優しい材料を使っている」という安心感がある。こうした特徴から、小児歯科や高齢者の根面う蝕が多い医院で支持されている。実際、筆者が勤務した予防中心のクリニックではビューティフィルシリーズを標準採用しており、「フッ素が出るレジンでしっかり詰めておきましたからね」と患者さんに説明していたものだ。材料自体の強度も年々改良されており、現行のBeautifil IIは前後部とも使用可能な十分な耐久性を持つ。特に最新バージョンのBeautifil II LS(低収縮タイプ)では、重合収縮率を従来より約20%低減し(体積収縮率1%台前半)、術後の疼痛リスクや辺縁封鎖性の向上が図られている。収縮ストレスが小さいということは、多少湿潤下で完璧なボンディングが得られなくとも脱離しにくいメリットもあり、ラバーダム困難な症例でも安心感がある。
操作性は、ペーストの硬さがミディアムソフトといった印象で、圧接するとスッと延びて壁面に適合しやすい。少し粘り気があるためポソっと欠け落ちたりせず、充填器に絡め取って運び入れやすい。反面、盛り上げて形を作る際にはややヘラに付着する感じがあるため、器具をこまめに湿らせるかティースティックを使うと良いだろう。研磨性はまずまず良好で、最終研磨まで行えばかなり光沢が出る。ただナノフィラー系ほど何もしなくても艶々というわけにはいかず、きちんと細かいステップまでポリッシングする必要はある。色調はA系/B系を中心に実用十分なラインナップで、シェードマッチも問題ない。オプションで「ビューティフィルII エナメル」という半透明エナメル色シリーズもあり、審美性を高めたい場合にはそちらと組み合わせて使える。総合すると、Beautifil IIは予防効果という付加価値を持ちつつ、レジン本来の性能も近年アップデートされてきたバランスの良い製品だ。価格も4gで3千円台前半と手頃である。特に小児や高リスク患者が多く「二次う蝕を減らしたい」という医院には心強い味方となるだろう。また「レジン充填でも予防に繋がる材料を使っている」と患者にアピールすることで、医院の差別化や予防歯科への意識向上にも一役買うかもしれない。
ジーニアル アコード – シェード選択を簡略化、術者を悩ませない次世代ナノハイブリッド
ジーシーのジーニアル アコード (G-ænial A’CORD) は、2021年発売の比較的新しいコンポジットレジンで、「Simplicity(簡便さ)」を重視して開発された製品である。従来のジーニアルシリーズ(Anterior/PosteriorやジーニアルユニバーサルFloなど)の後継的位置付けで、同社の定番レジンを刷新したものだと言える。最大の特徴はフルカバレッジシランコーティング(FSC)技術と新配合のハイブリッドフィラーにより、少ないシェード数で広範囲の色調にマッチする点だ。具体的には、「クラウドシェードコンセプト」という考え方で似通った色相をまとめ、VITA16色をたったの5シェードで100%カバーできるよう設計されている(加えて漂白歯用など数色あり全7色展開)。例えばA3シェードを充填すれば、VITA表記でA3だけでなくC2やD3,D4領域まで自然に適合するという。完全一色のオムニクロマほど振り切った発想ではないが、こちらは従来型の着色レジンとして極限まで色数を絞った妥協点とも言えよう。術者から見ると「5~7本揃えれば全ての患者に対応できる」安心感があり、色選択に迷う場面も大幅に減るメリットがある。実際、筆者のクリニックで導入テストを行った際も、スタッフから「どの色を選んでもだいたい周りと調和して失敗がないので助かる」と好評だった。もちろんオムニクロマと同様に、色合わせに神経質にならず済む点は新人や色覚に自信のないドクターにも優しい仕様だ。
物性面も非常に優れている。ジーニアル アコードはナノハイブリッド充填材に分類され、平均0.5μmほどのフィラーを複合した新設計のフィラーシステムを採用している。これにより高い強度と優れた研磨性を両立し、臼歯部から前歯修復まで1本で賄える。臨床では、咬合面でも磨耗や欠けが少なく、適切に研磨すれば艶も長持ちする印象だ。筆者がフォローしている症例でも、アコードで充填したインレー相当の大きなMODが2年経過時点でも辺縁着色や咬耗もほとんど見られず、健康な状態を保っている。操作性も癖がなく扱いやすい。ペーストの硬さは中程度で、圧接するとスッと広がりつつ盛り上げも可能という絶妙な粘調度である。ポリエステルストリップで形態を整えるような場合も、隙間なく充填しやすく気泡の混入が少ない。ジーニアル アコードはジーシーお得意の自然な蛍光性も備えており、ブラックライト下でも歯と区別がつきにくいなど細部まで配慮されている。価格は4gで定価約3,600円(税抜)と競合他社とほぼ同水準だ。大手メーカーの新製品ということで導入ハードルも低く、今後定番化していく可能性が高い。「色選びと在庫管理を簡単にしたいが、一色レジンには踏み切れない」という先生には、間を取ったジーニアル アコードは魅力的だろう。また長年ジーシー製品を愛用している医院であれば、ボンディングからレジンまで同社で揃えることで何かと統一感があり、信頼感を持って使い続けられるのではないだろうか。
エステライト アステリア – 2層で極める審美、美しさにこだわるダイレクトボンディング用
最後に紹介するエステライト アステリア(トクヤマデンタル)は、自費診療のダイレクトボンディングに照準を定めて開発されたプレミアムコンポジットレジンである。保険診療向けのエステライトΣとは姉妹関係にありつつ、より高度な審美再現と操作性を追求している点が特徴だ。最大の売りは「たった2層のレイヤリングで自然な歯を再現できる」点にある。通常、前歯部ダイレクトでは複数のエナメル・デンチンシェードや効果色を駆使して本物の歯に近づけるが、アステリアでは基本2種類(ボディとエナメル)のレジンで完結するように調整されている。これはフィラーや樹脂の光学特性を徹底的に改良し、少ないシェードでも隣接歯との境界がぼけるよう計算されているためだ。その結果、術者にとってシェード選択と積層設計が格段に簡略化され、しかも出来上がりは驚くほどナチュラルという理想的な性能を備えている。例えば切縁部は透明感のあるエナメルシェード、下層は色調適合に優れたボディシェードを使うことで、ベテラン技工士が築盛したような自然な色調グラデーションが再現できる。症例によってはボディシェード単色だけでもある程度きれいに仕上がるため、症状に応じて1色〜2色で柔軟に対応できるのもありがたい。審美性に厳しい患者に対して、「レジンでもここまで美しく治せるのか」と驚かれることもしばしばであり、自費診療の価値を十分に感じてもらえるだろう。
操作性も秀逸で、エステライトΣ譲りのスープラナノ球状フィラーのおかげで滑らかで形態付与しやすい。前歯部のレイヤリングでは何度も器具で触っているとレジン表面が粘ってくるものだが、アステリアは環境光下での作業余裕時間が長めで焦らず形成できるのも助かる。適度な粘性で歯面への付きも良く、レイヤー間の圧接も隙間なく行える。研磨すればグラスアイオノマー並みに艶やかで、しかも長期に渡りその艶が持続する。臼歯部への使用ももちろん可能で、十分な強度があるため2級やMOD修復にも耐える。実際、筆者は特に希望がなければ自費レジン=アステリアで臼歯もう蝕も治療しているが、数年経っても辺縁からの漏洩や着色を見ることはなく、耐久性への信頼も高まっている。やはり高価なだけのことはあると実感する瞬間である。そう、唯一のネックは価格で、1セット(主要7色入り)で4万円強、単品シリンジも定価7千円ほどと保険用の数倍する。しかしこれは高品質な審美修復を提供するための先行投資と捉えたい。1本3万円のダイレクトボンディングを2症例提供すれば材料代は回収できる計算であり、むしろ高い技術料をいただく以上は材料にもこだわるべきだろう。メーカーもアステリア導入医院向けに臨床ガイドやテクニック講習を用意しているため、宝の持ち腐れにならないよう積極的に活用したい。「レジンでも妥協しない美しさを追求したい」と願う審美歯科志向の先生には、このアステリアは強力な武器となるはずだ。実際、本製品の登場によりそれまでラミネートベニアやクラウンしか選択肢がなかった症例でダイレクトボンディングという新たな提案が可能になったという報告もある。患者にとって削る量が少なく費用も抑えめな治療オプションを提供できる点でも、歯科医療の幅を広げる意義深い製品と言えるだろう。
よくある質問(FAQ)
Q. コンポジットレジン修復はどれくらい長持ちするのか?再治療率に差は出るのか?
A. 一般的にコンポジットレジン修復の平均寿命は5~7年程度と言われるが、材料の性能向上と適切な術式により10年以上良好に機能するケースも増えている。製品間で耐久年数の劇的な差はないものの、強度や耐摩耗性に優れる材料ほど欠けや摩耗による再治療率は低減する傾向がある。加えてボンディングとの組み合わせや、術者の技術による部分も大きい。したがって「材料を替えれば〇年延びる」と一概には言えないが、少なくとも本記事で取り上げた高品質レジンを適切に使用すれば5年程度の良好な維持率は十分期待できる。さらに定期メンテナンスで研磨やチェックを続ければ、結果的に再治療率を下げ長持ちさせることが可能である。
Q. 前歯用と臼歯用でレジンを使い分ける必要はあるか?
A. 最近のユニバーサルレジンは前歯・臼歯両方に使えるよう設計されているため、基本的には1種類で全て対応可能である。ただし審美要求の高い前歯部では、エナメルとデンチンの質感を調整できる製品(例えばエステライト アステリア)を用いるとより自然な仕上がりになる。一方、大きな力がかかる臼歯部では、耐久性重視で高強度・低収縮の製品(例えばBeautifil II LSやフィルテック Bulk系)を使うと安心感がある。このように症例や部位に応じて2種類程度を使い分けるのが理想だが、管理の簡便さを優先するなら汎用性の高い1種類だけでも大きな問題はない。要は診療ポリシーに合わせ、審美優先か効率優先かで判断するとよいだろう。
Q. フッ素徐放性レジン(Giomer)は本当に虫歯の再発を防げるのか?
A. Giomerレジン(松風ビューティフィルなど)が放出するフッ素や他イオンは、接触する歯質の再石灰化を助け、プラーク中の酸性度を緩衝する作用が認められている。しかし絶対に虫歯にならないと保証できるものではない。臨床研究では確かに二次う蝕発生率がやや低下する傾向が報告されているが、患者の口腔清掃状態やリスクファクターの影響も大きいため、劇的な差が出るわけではない。ただ、フッ素徐放レジンを使うこと自体は予防的アプローチの一環として有意義であり、特に高リスク部位では「しないよりマシ」と考えられる。重要なのは材料任せにせず、定期管理とフッ化物応用を併用する総合的な予防策を講じることである。
Q. ワンシェード系レジンだけで本当に十分なのか?色調再現で失敗しない?
A. オムニクロマに代表されるワンシェードレジンは、通常の症例であればほぼ違和感のない修復物が得られる。特に小~中規模の充填では境目も分からないレベルで周囲と調和するため、日常診療では十分実用的である。ただし、隣接面が大きく欠けたケースや漂白直後の特殊な歯色などでは、若干マッチしづらいことがある。そのため上級者の中にはワンシェードだけでなく、必要に応じて従来型レジンと使い分けていることも事実だ。もし導入初期で不安があれば、まず目立たない臼歯部で試してみて、色のなじみ具合を確認するとよいだろう。慣れてくれば、色調失敗の心配より在庫が1色で済むメリットの方が大きく感じられるはずだ。
Q. 新しいコンポジットレジンを導入する際、スタッフや患者にどう周知すべきか?
A. スタッフには、新材料の特徴や取り扱いポイントをしっかり共有することが重要である。メーカーの資料やデモを活用し、アシスタントも含めて勉強会を行うとよい。シリンジの色識別や光照射時間の変更点など、細かな点も周知徹底する。また患者への周知は必須ではないが、自費治療に絡む場合にはパンフレット等で材料の特長を説明すると納得感が高まるだろう。「従来より美しく長持ちする新素材を使用します」といったポジティブな説明を心がけ、信頼感に繋げたい。ただし宣伝過剰にならないよう注意し、あくまで治療の質向上のための一環として伝える程度に留めるのが望ましい。