
ストランザのキャッシュレス決済「ささっとPay」と「お会計さん」の費用や評判を解説
診療後の会計待ちで患者を長く待たせてしまった経験はないだろうか。特に夕方の忙しい時間帯、受付に患者が列をなし、スタッフは現金のやり取りや釣銭の用意に追われる。会計ミスが起きて締め作業に時間がかかったり、高額な自費治療費の支払い方法に悩む患者を目にすることもある。そうした日常の悩みを背景に、歯科医院専用のキャッシュレス決済サービス「ささっとPay」と、窓口会計管理システム「お会計さん」が登場した。本稿では臨床現場と医院経営の両面から、これらストランザ社のサービスがもたらす価値を分析し、費用対効果や実際の評判について詳しく解説する。診療スタイルに合わせた導入の判断材料を提供し、患者満足と業務効率を両立するヒントを探っていく。
「ささっとPay」と「お会計さん」とは何か? – 歯科医院向けキャッシュレス決済の概要
ストランザ社の「お会計さん」は、歯科医院専用に開発されたクラウド型の窓口会計管理システムである。患者一人ひとりの治療費や物品購入費を管理し、保険診療と自費診療、物販収入などの区分ごとに会計処理を行うことができる。前受金(デポジット)や未収金の管理機能も備えており、たとえば矯正治療の管理料やインプラント手術の内金など高額治療の分割支払い状況も一目で把握できるようになっている。また、毎日の売上集計や日報・月報の出力機能もあり、レジ締めにかかる時間を大幅に短縮できるよう工夫されている。2023年から始まったインボイス制度(適格請求書発行制度)にも対応しており、消費税区分の異なる治療や物販も正確に領収書へ反映される。
「ささっとPay」は、その「お会計さん」と連動して使うキャッシュレス決済機能である。患者向け診察券アプリ「私の歯医者さん」の中で動作し、患者自身がスマートフォン上で診療費の決済を完了できる仕組みになっている。2019年12月にサービスが開始され、当初からVisaとMastercardのクレジットカードに対応し、2023年にはJCBカードにも対応した。現在では主要なクレジットカード(Visa、Mastercard、JCBなど)による支払いが可能で、保険診療の自己負担金から自費診療費、院内物販の代金までアプリ上で決済できる。患者は事前にアプリにクレジットカード情報を登録しておくだけで、治療後に受付で会計を待つことなくそのまま帰宅できる。この非対面・非現金の決済により、受付スタッフの業務負担軽減と患者の待ち時間短縮の双方にメリットが生まれる。実際に本サービスを導入した歯科医院では、「会計待ちがなくなり患者さんに喜ばれた」、「現金の取り扱いミスが減って締め作業が楽になった」といった声が聞かれている。歯科医院の経営と診療の質をITで支えるクラウドシステム「Apotool & Box」の一機能として提供されており、導入には「お会計さん」と診察券アプリ「私の歯医者さん」の利用契約が必要である。
主な機能と特徴 – 会計システムのスペックがもたらす臨床現場への影響
お会計さんとささっとPayが提供する主な機能と特徴を、臨床現場での意味合いに即して見てみよう。
まず、お会計さんには歯科医院の会計に特化した多彩な機能が搭載されている。保険点数に基づく治療費から自由診療の料金設定、さらには予防歯科グッズなど物販の販売履歴まで、一つのシステム上で一元管理できるのが強みである。たとえば来院毎に発生する矯正治療の管理料やリコール時のフッ素塗布代なども、事前に料金メニューとして登録しておけば会計時に簡単に計上できる。紙のメモやエクセルで手作業していた時代に比べ、入力ミスや計算誤りを大幅に減らせるのが臨床的な利点だ。特に保険診療と自費診療が混在するケースでも、自動でそれぞれの区分を反映した会計処理が行われ、レセプトコンピュータから算出された点数に基づく患者負担額を正確に請求できる。
また、お会計さんは前受金・未収金の管理機能を持つ点も見逃せない。インプラント治療や自費義歯などで治療前に一部前金を預かる場合や、患者が治療費を一時立替払いして後日清算する場合など、従来は台帳で別管理していた情報もシステム上に残高として表示される。これにより請求漏れ・受け取り忘れの防止につながり、特に長期間にわたる矯正治療の分割払いでは患者ごとに「あといくら支払いが残っているか」をスタッフ全員が即座に把握できる。臨床現場では患者との金銭トラブルを避け、信頼関係を損なわないことが重要であるが、この機能はそうしたリスク管理にも役立つ。
次に、ささっとPayの持つキャッシュレス決済機能の特徴を述べよう。最大の特徴は、歯科医院側で専用のクレジットカード端末を用意しなくても良い点である。患者が自身のスマホアプリからカード決済を完了する仕組みのため、受付には物理的な決済端末が不要になる。臨床の場面では、治療後に患者をチェアサイドでお待たせすることなく「本日の治療は以上です、お会計はアプリで完了しますのでこのままお帰りください」と案内でき、患者にとっては財布を出さずにスマホひとつで来院から帰宅まで完結する体験が提供できる。特に小さな子ども連れの親御さんや、仕事の合間に通院するビジネスパーソンにとって、この手軽さは大きな価値となる。実際、「スマホだけ持って通えるのが便利だ」という患者の声が多く寄せられている。
ささっとPayでは家族の支払いをまとめて行える点も重要な特徴である。診察券アプリ上で家族登録をしておけば、例えば高齢の親や幼い子どもの代わりに、その家族がまとめて決済することが可能だ。これにより、子どもに現金を持たせたり高齢の親が窓口で慌てたりする必要がなくなり、家族ぐるみで安心して治療を受けてもらえる環境づくりに貢献している。
最後に、決済完了後の支払履歴の確認機能も患者・医院双方に有益だ。患者はアプリ上でいつどんな治療費を支払ったか履歴を閲覧でき、領収書も保険診療・自費診療・物品代が区分された形で発行される。自宅で家計簿を付けたい人や医療費控除の準備をする際にも便利である。一方、医院側にとってもデジタル履歴が残ることで、患者からの問い合わせ対応や過去の支払いトラブルの検証がしやすくなるというメリットがある。
システム連携とささっとPayの使い方 – 互換性、導入条件、運用フロー
お会計さんとささっとPayを導入・運用するにあたり、事前に知っておくべき互換性や利用手順について整理する。
まず導入条件として、これらのサービスはストランザ社のクラウドシステム「Apotool & Box」のオプション機能という位置付けであることを認識したい。したがって、単体で購入して院内の既存システムにポン付けできる独立ソフトではなく、Apotool & Box本体(予約・患者管理システム)を利用中であるか、同時に導入する必要がある。Apotool & Boxは多くの歯科用レセコン(レセプトコンピュータ)とのデータ連携にも対応しており、保険点数データや患者情報をレセコンから取り込んで活用できる。導入時にはレセコン連携の設定を行うことで、診療後にレセコンで算定した金額が自動的にお会計さん側に反映される仕組みも構築可能だ。この連携設定は初期セットアップとして業者側が行うため、特別なIT知識は不要である(別途設定費用が発生するケースもあるので後述する費用の項で触れる)。
ささっとPayの利用方法は、患者と医院それぞれの視点で流れを押さえておこう。医院側では、治療終了後にお会計さん画面で当該患者の会計を確定させる。保険診療の場合はレセコンから算出された自己負担額が表示され、自費治療や物販があればそれらも含め最終的な支払金額が決定する。このタイミングでシステムは患者の診察券アプリに決済情報を送信し、患者のスマホには「お支払い手続きが可能になりました」という通知が届く。患者側はアプリを開き、事前に登録したクレジットカードでワンタップ決済を行う。通常のクレジットカード利用と同様に、分割払いやリボ払いへの変更もカード会社の対応範囲内で可能だ(アプリ上では3回・6回・10回・12回の分割選択肢が表示されるが、実際に利用できる回数はカード契約に依存する)。決済が完了すると、医院のシステム側でもその旨がリアルタイムに反映され、会計処理は終了となる。
運用上のポイントとして、来院時のカード有効性チェックというプロセスが組み込まれている点に触れておきたい。患者が当日予約をしている場合、受付で来院確認を行った時点で、登録されているクレジットカードの有効性チェック(オーソリ)が自動的に走る仕組みである。これは患者が無事決済できる状態か事前に確認するためで、デビットカードやプリペイドカードを登録している場合はこの時点で一時的に10円の課金が発生し、後日返金される仕様となっている。万一カードが無効であったり利用限度額超過など決済困難な場合は、医院側で早めに把握できるため、患者が帰宅してから支払い不能に陥るリスクを低減している。受付スタッフはこの未決済アラートを確認したら患者に別途連絡を取るか、来院中であればその場で現金精算など別の手段を案内するといった対応が可能である。
対応する決済ブランドと手数料についても運用面では重要だ。ささっとPayは現在、Visa、Mastercard、JCBの各種クレジットカードに公式対応している(American ExpressやDiners Clubなども利用可能だが、一部カードでは処理に制限がある場合があるため事前に確認が望ましい)。電子マネー(交通系ICやQRコード決済など)には対応しておらず、基本はクレジットカード決済専用のサービスである。日本国内の歯科医院ではクレジットカード利用はこれまで自費診療のみ認めるケースが多かったが、ささっとPayの登場によって保険診療の少額支払いでもカードが使えるようになった。患者から「保険の治療費もカードで払えますか?」と尋ねられた際に、「当院ではアプリ登録で全てキャッシュレスでお支払い可能です」と答えられるのは、サービス品質の点でも大きなアピールとなるだろう。実際に本サービスを導入した医院では、クレジットカード利用を希望する患者への案内に統一性が出て、スタッフ間の対応も標準化できたとの声がある。「当院では現金かささっとPayのみです」と決めたことでかえって会計がシンプルになり、ミスが減ったという事例も報告されている。
システムの保守・サポート体制について補足すると、Apotool & Box全体で専用のサポートセンターと担当者によるフォローが用意されている。クラウドサービスのためソフトウェアのアップデートは自動で行われ、常に最新機能が提供される。新規導入時にはスタッフ向けの操作トレーニングやマニュアル提供も受けられるため、ITに不慣れなスタッフしかいない場合でも徐々に使いこなせるようになる。医院で独自に準備すべき機材は、インターネット接続されたPCやタブレット端末程度であり、特別なサーバー設備や院内ネットワーク構築も不要である。患者に案内する際は、QRコード付きの案内ポスターや登録手順書を待合室に掲示するなどの工夫をすると良いだろう。初回はスタッフが一緒にアプリ登録をサポートすれば、2回目以降の来院では患者自身でスムーズにキャッシュレス決済を利用してくれるはずである。
導入コストと費用対効果 – 月額料金、手数料、一症例あたりコストから見る経営インパクト
続いて、ささっとPay+お会計さんを導入した場合の費用面を詳しく解説し、それが医院経営にどのような効果をもたらすか考察する。
料金体系は大きく分けて二つの部分から成る。ひとつはシステム利用料としての月額料金、もうひとつは決済ごとに発生する決済手数料である。ストランザ社の公表資料によれば、キャッシュレス決済オプション(お会計さん+ささっとPay)の利用料は月額3,500円(税別)である【料金プラン上の初期費用は設定されておらず、Apotool & Box本体の契約に付随するオプション扱い】。この3,500円という固定費用は、クラウドシステムの維持やサポート、人件費を考えれば比較的抑えられた水準であり、小規模クリニックでも負担しやすい価格設定といえる。
一方の決済手数料は、患者がクレジットカード払いを行った際に発生する変動費である。ささっとPayではVisaとMastercardについて業界でも最安水準の1.5%という料率が適用される(2021年の料率改定により大幅に引き下げられた)。JCBやAmerican Express、Diners Clubなどのカードについても現在は約1.95%前後の料率となっており、従来一般的だった3〜5%程度のカード手数料と比較するとかなり低い負担率である。例えば、保険診療の窓口負担2,000円を患者がカード決済した場合、医院側が負担する手数料は約30円程度に過ぎない。従来であれば「数百円の保険点数に手数料を差し引かれては利益が出ない」という理由でカード払いを断っていたケースも、この程度の手数料なら許容しやすいだろう。少額決済にも使える低手数料こそ、ささっとPayが歯科医院のキャッシュレス化を現実的な選択肢に押し上げた大きな要因である。
では、一症例あたりのコストは具体的にどのくらいになるだろうか。仮に1か月に保険診療の患者が300人、自費診療や高額治療の患者が20人来院するとする(計320件の会計)。保険患者の平均自己負担額を2,000円、自費患者の平均支払額を50,000円と仮定する。このとき、全患者がささっとPayを利用したとすれば、月間カード決済額は(300人×2,000円) + (20人×50,000円) = 1,300,000円となる。Visa/MasterとJCB/Amexの利用比率によって多少変動するが、手数料率を1.5%で一律計算すると月間手数料は約19,500円となる。これに月額固定費3,500円を加えると月あたり約23,000円がシステム利用にかかるコストとなる。
一方で、この投資がどの程度の効果(経費削減や売上増)をもたらすかも評価してみよう。まず人件費・時間コストの削減である。1症例あたりの会計処理時間を仮に2分短縮できたとすると、320件で約640分、つまりスタッフの労働時間約10時間強が節約できる計算になる。受付スタッフの時給を1,200円とすれば、月あたり12,000円程度の人件費相当の効率化となる。また、現金管理の手間が減ることでスタッフの精神的負担軽減やミスによるロスも防げる。現金収支の不一致が発生して帳尻合わせに時間を取られるケースがなくなれば、締め作業に割いていた時間も他の業務に振り向けられよう。
患者数や売上への波及効果も無視できない。冒頭で触れたように、キャッシュレス対応の有無が施設選択の基準となりつつある現状がある。ある調査では、「現金払いしかできないなら来院をやめた」人が3割超いたとの結果も報告されている。特に20〜40代の若年層患者はキャッシュレス志向が強く、歯科医院でも「カードやスマホ決済が使えるか」を事前に問い合わせてくるケースが増えている。こうした層を取りこぼさず来院につなげることで、結果的に患者数の増加や継続的な通院率の向上が期待できる。仮にキャッシュレス対応を謳うことで月に数名でも新患が増えれば、その治療売上で手数料コスト分は十分回収できるだろう。
さらに、高額自費治療の受注機会拡大という観点もある。インプラントやセラミック治療など一件数十万円に及ぶ提案をする際、患者が支払い方法に不安を示すことは少なくない。「カードで分割払いできます」と案内できれば患者の心理的ハードルは下がり、治療の選択肢を前向きに検討してもらいやすくなる。例えば30万円の治療費でも、カードの分割機能で数回払いできるなら受け入れやすいという患者は多い。ささっとPay導入後に自費率が上がったという声もあり、これはキャッシュレス化が患者満足度だけでなく医院の収益向上にもつながり得ることを示唆している。
もう一つ、設備投資コスト回避によるROIも見逃せない。従来、受付無人化や決済効率化のためには数十万円〜数百万円する医療機関向け自動精算機を導入する方法もあった。しかし小〜中規模の歯科医院にとって、その初期投資は重い負担である。ささっとPay+お会計さんの組み合わせであれば、月額数千円の利用料で疑似的に「患者自身のスマホが決済端末になる」環境を実現できる。高価なハードを購入せずとも同等の効果を享受できるため、投資対効果の面で非常に優れている。仮に200万円の自動精算機を購入する代わりに本サービスを利用した場合、単純計算で毎月3万円以上の減価償却コストを削減できる計算になり、その分を人材育成や他の設備投資に回すことも可能となる。
総合すれば、月数万円のコストで得られる効果としては、業務効率の向上(時間短縮・ミス削減)、患者サービス向上による増患効果、高額治療受注の後押しなど多岐にわたる。これらは短期的な収支だけでは測りにくいが、半年〜1年スパンで見れば黒字転換する医院が多いと予想される。実際、「現金管理に費やしていた時間が減り、その分スタッフが患者対応やリコール促進に充てられるようになった結果、来院者数が増えた」との報告もある。投資対効果の観点で、単なる費用削減だけでなく売上拡大につながる点が本サービス導入の魅力と言えるだろう。
導入後の活用ポイント – スムーズに使いこなすためのコツと留意点
システムを導入して終わりではなく、現場で使いこなしてこそ真価が発揮される。ここでは、ささっとPay+お会計さんを有効に活用するための具体的なポイントや留意事項を挙げる。
初期導入時の院内体制づくりがまず肝心である。受付スタッフには事前に操作トレーニングを行い、実際の会計処理から患者案内まで一連の流れをシミュレーションしてもらうと良い。新しいシステム導入時には戸惑いがつきものだが、お会計さんは直感的な画面設計になっており、保険証を見ながら手計算していた旧来の方法よりむしろ簡単だとの声もある。特に現場経験の長いスタッフほど最初は慣習でメモ書き等をしてしまいがちなので、「すべてシステムに入力し、紙には書き残さない」というルールをチームで確認しておくとスムーズだ。
患者への周知とサポートも重要なステップである。待合室や診療ユニットで、診察券アプリ利用とキャッシュレス決済についてポスター掲示や口頭案内を行い、患者の関心を引こう。多くの患者はスマートフォンに馴染んでいるとはいえ、医療機関のアプリに抵抗感を持つ人もいるため、メリットを具体的に伝えることがポイントだ。「次回から受付で一切待ちません」「毎回ポイントも貯まりますよ(カード利用によるポイント獲得)」など、患者に響く利点を強調すると良い。実際に受付で「スマホにクレジットカードを登録するだけでお会計が終わります」と説明すると、多くの患者が興味を示し、その場で登録を行ってくれるという。
登録の際はスタッフがスマホ画面を一緒に見ながら手伝うことで、年配の患者でも安心して利用開始できる。家族登録の機能などは少し複雑なので、必要に応じてパンフレットを渡したり、次回来院時までにお子さんを追加しておいてもらうようお願いするとよいだろう。導入初期の数週間は「キャッシュレス担当」のスタッフを決め、患者からの質問対応や未登録患者への声かけを集中的に行うと普及が早まる。ある医院では受付スタッフが「次回予約までにぜひアプリを入れてみてくださいね」と笑顔で促したところ、多くの患者が自宅でインストールしてきてスムーズに定着したという。
運用上のコツとしては、毎日の診療後に必ずお会計さんの「未決済リスト」を確認する習慣をつけることが挙げられる。ほとんどの患者は治療直後に決済を完了するが、中にはアプリ通知に気付かずそのまま帰宅してしまうケースもゼロではない。そうした場合でも未決済リストから該当患者を特定し、後ほど電話やメールで支払いを促すことができる。ささっとPay導入医院では、「未収金の見落としがなくなり安心感がある」との声が多い。患者側も「あ、払い忘れてました」と気付き次第オンライン決済できるため、双方にとってスムーズに解消できる仕組みだ。むしろ現金主義の患者で来院後に支払いを失念してしまうケースの方が対応が厄介であり、その点でもデジタル管理なら確実である。
患者説明で気を付ける点としては、クレジットカードの利用明細に「決済代行会社名」が記載される場合があることを伝えておくことが考えられる。ささっとPayの決済処理自体は信頼性の高い決済代行会社を通じて行われるため、患者のカード情報が医院に残ることはなく安全である。ただ、ごく稀にカード会社から利用確認の連絡が患者に行くケースがあるので、「当院の名前ではなく決済代行会社名で通知が来る場合があります」と一言案内しておけば患者も戸惑わずに済むだろう。
トラブルシューティングの面では、通信障害やサーバーダウンなど万一の事態に備えた代替策も考えておきたい。インターネット回線が不調でアプリ決済が利用できない時は、一時的に現金対応に切り替える、あるいは後日決済(請求書送付や振込など)を許可するなどの方針を事前に決めてスタッフと共有する。幸い、クラウドサービス稼働率は非常に高く、大規模障害は滅多に起こらないが、「万が一使えない場合の手順」を決めておくことでスタッフも安心して日々運用できる。
最後に、導入効果を最大化するための工夫として、受付業務以外への波及利用も検討してみよう。例えば診療後に次回の治療見積書をお渡しする際、「こちらもアプリから事前決済できますので、当日は治療後すぐお帰りいただけます」と説明すれば、患者の不安軽減と治療契約率アップにつながるかもしれない。また、物販コーナーで歯ブラシや洗口剤を購入する患者にも「お会計はアプリにまとめて載せておきますね」と一言添えれば、ついで買いを促進する効果も期待できる。会計作業がシームレスになることで、治療内容やセルフケア指導に専念する時間が生まれるのが理想だ。ぜひスタッフ間でアイデアを出し合い、「会計に追われない歯科医院」の実現に向けて本サービスを使い倒してほしい。
得意なケース・不得意なケース – どういった診療形態に向いているか?
どんな優れたシステムにも得意な場面と不得意な場面がある。ここでは、ささっとPay+お会計さんが真価を発揮するケースと、逆に導入しても効果が限定的と思われるケースを整理する。
〈適しているケース〉
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保険診療が中心で患者回転を重視する医院 1日に多くの患者を診る保険中心型のクリニックでは、会計時間の短縮と受付効率化が特に重要だ。ささっとPay導入により会計待ちの列が消滅すれば、院内動線もスムーズになり患者満足度が向上する。保険治療費もカード払い可能なので、若い世代の患者にも喜ばれるだろう。また、現金授受が減ることでスタッフは他の業務に時間を割けるようになり、結果的にチェア稼働率アップにつながる可能性が高い。ただし後述するように、高齢者比率が極端に高い地域ではスマホアプリ利用が浸透しにくい点に留意が必要である。
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高付加価値の自費治療を積極展開する医院 インプラントやセラミック、美容歯科など自費率が高いクリニックでは、患者の支払い利便性を高めることが治療成約率にも影響する。ささっとPayなら高額治療も分割決済しやすく、ポイント還元などカードのメリットも患者が享受できるため、治療費への心理的ハードルが下がる。実際に「カード払いできるなら」と自費治療を受け入れた患者もおり、医院にとっては売上機会の拡大につながる。さらに、決済手数料も従来のカード端末契約より低く抑えられるため、高額症例でも医院側のマージン圧迫が小さいのも経営上メリットである。自由診療中心であれば患者層も比較的キャッシュレスに前向きな世代が多い傾向にあり、導入のハードルは低いだろう。
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口腔外科・インプラント中心で手術症例が多い医院 全身麻酔や静脈内鎮静を用いるような大きな手術を行う場合、患者は術後に会計どころではない状態になることもある。そんなとき、家族に代わりに支払いをお願いできるささっとPayの仕組みは非常に有用だ。実際にインプラント専門医院では、手術後は付き添いのご家族にアプリ決済してもらい、患者本人はそのままお帰りいただくという運用が定着している。また、口腔外科は紹介患者や遠方からの患者も多いが、次回来院時に改めて支払いに来てもらう必要がないのも利点だ。手術当日に全額カード決済が完了するため、未収金を残さずスッキリ会計を終えられる。これにより経理管理も容易になり、大口径症例が多い医院でも安心してキャッシュレス運用ができる。
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新規開業で最新のDXをアピールしたい医院 これから開業する歯科医師にとって、他院との差別化ポイントづくりは重要だ。ささっとPay+お会計さんを導入すれば、「当院は予約から会計までスマホで完結します」と打ち出すことができる。実際、新規開業時に本サービスを導入した医院では、来院した患者から「ここは最新ですね!」と驚きと好印象を持たれるケースが多いという。デジタル受付やキャッシュレス会計をスムーズに行う様子を目にすれば、患者は診療以外の部分でも医院の先進性と患者思いの姿勢を感じ取る。DX(デジタルトランスフォーメーション)が進む時代に即した経営努力として評価され、口コミや紹介にもつながりやすいだろう。
〈適さないケース・注意が必要なケース〉
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高齢患者が大半でアプリ利用が困難な地域医院 年齢層が高くスマートフォン非所持者も多い地域では、ささっとPayの利用率が伸び悩む可能性がある。実際に地方のある医院では導入したもののアプリ登録率が低く、結局ほとんどの患者が現金払いのままだったというケースもある。このような場合、毎月の固定費に見合う効果が得られない恐れがあるため慎重な判断が必要だ。ただし一方で、高齢者でも家族が代理で決済する使い方もできるので、一概に無駄とは言えない。地域のITリテラシーや患者ニーズを把握した上で導入可否を検討すべきだろう。
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患者数が非常に少ない小規模医院 月に数十人程度しか患者が来ないような小規模診療所では、現状の会計業務がそれほど負担でない場合もある。その場合、月額料金のコストメリットが出にくい。ただ将来的に患者数増加や事業拡大を目指すのであれば、先行してシステムを導入しておく意義はある。患者数が少なくても自費率が高ければカード決済ニーズは一定あり、導入する価値は見いだせるだろう。逆に保険メイン・少人数で経営に余裕がなく、当面現金で十分と考えるなら無理に導入せず様子を見る選択肢もある。
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既に他のデジタル会計システムや自動精算機を導入済みの医院 他社の予約・会計システムを使っていたり、受付に自動精算機を設置している場合、それらとの重複投資や二重管理になる可能性がある。ささっとPay+お会計さんはApotool & Boxとの親和性を最大限に発揮する仕組みであり、既存システムとの直接的なデータ連携はできない。そのため、現在利用中のシステムから乗り換える覚悟がないと、本サービスを十全には活用できないだろう。一部の機能だけつまみ食い的に使うことは難しいため、院内システム全体の統合プランの中で検討する必要がある。
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クレジットカード自体を嫌う患者層 一定数存在する「カードより現金主義」の患者には、このサービスは響かない。特に経営者層の中にはポイントより現金値引きを求める方もいる。そうした患者には無理に勧めず、現金・従来通りの会計を提供し続けることも重要だ。キャッシュレスはあくまで選択肢の一つであり、強制ではない点を医院スタッフも理解しておく必要がある。導入後も現金支払いの受付手順は残るため、両者を併存させて運用する体制づくりが望ましい。
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急患や一見の患者が多い都市型医院 飛び込みの急患や旅行者など、一度きりの受診が多い場合、その場でアプリを入れてもらうのは現実的に難しいかもしれない。観光地のデンタルクリニックや都心部の夜間診療所などでは、従来型のクレジット端末や電子マネー対応も併設しておいた方が親切なケースもある。ささっとPayが完全に現金・カード業務を置き換えられるわけではないことを念頭に、医院の患者特性に合わせて柔軟に判断しよう。
以上のように、適応・不適応はあるものの、多くの一般的な歯科医院においてはささっとPay+お会計さんの導入メリットが勝ると考えられる。特に「患者からキャッシュレス要望を以前から感じていた」「受付業務を効率化したいが大規模投資は避けたい」という医院には、最適なソリューションになり得る。
クリニックのタイプ別:導入判断のポイント
歯科医院ごとに診療方針や経営戦略は様々だ。本章では、いくつかの典型的な医院タイプを想定し、それぞれにおける本サービス導入の向き・不向きや留意点をまとめる。自院の状況と照らし合わせながら、導入の判断材料にしてほしい。
保険診療メインで効率最優先のクリニック
日々多くの患者を回し、チェアタイムの最適化と収支バランスに注力している保険中心型の歯科医院では、ささっとPay+お会計さんは業務効率化の強力な武器となる。受付のスピードアップによって1日の診療サイクルにゆとりが生まれ、ひいては予約枠の追加や待ち時間短縮による患者満足度向上が期待できる。特に夕方の混雑時間帯に会計待ちの列が無くなる効果は大きく、院内動線のストレスが激減するだろう。また、保険診療のみだとクレジットカード導入に二の足を踏んでいた医院でも、低手数料なら利益を損なわずカード対応が可能となる。これは若年層のリコール患者をつなぎ止める上で有利にはたらく。ただし、高齢患者が多い場合には利用率を見極める必要がある。受付スタッフが根気強くサポートし、高齢の患者には家族の代理決済も提案するといった工夫で、徐々に利用を広げていきたい。効率最優先の医院にとって、本サービスは「少人数で回せる体制」を支えるテコとなり、人件費の圧縮や残業削減といった成果にもつながり得るだろう。
高付加価値の自費治療を追求するクリニック
審美歯科やインプラント、矯正など自費中心で経営しているクリニックでは、ささっとPay+お会計さんは患者サービス強化と収益最大化の両面で追い風となる。まず、高額治療の支払いハードルを下げる効果が大きい。まとまった金額でもカードならポイント還元や分割払いが可能なので、患者が治療を決断しやすくなる。実際、「カード払いOKのおかげで迷わず治療に踏み切れた」という患者の声もあり、医院にとっては本来取りこぼしていたかもしれない症例を確実に自費収入に結びつけられるメリットがある。また、治療内容にこだわる付加価値志向の患者ほどサービス面にも敏感だ。最新のデジタル手法を取り入れている医院だと認識されれば、ブランドイメージ向上につながり紹介や口コミでの評価も高まるだろう。経営的にも、例えば年間1,000万円の自費売上に対し手数料1.5%なら15万円で済む計算となり、従来の3%前後よりも大幅な経費圧縮だ。これは実質的な値引きなしで患者満足度を上げているようなもので、利益率を維持しながらサービス充実を図れる。自費強化型の医院にとって、キャッシュレス対応は「患者に選ばれるクリニック」であり続けるための重要な戦略アイテムとなる。
口腔外科・インプラントなど外科処置中心のクリニック
難症例の外科処置やインプラント手術を数多く手がけるクリニックでは、患者の身体的負担が大きい治療が多いため、会計の負担軽減は特に意義がある。全身麻酔や長時間オペ後の患者にとって、会計待ちは肉体的にも精神的にも負荷となるが、ささっとPayなら術後の患者を即座に休ませてあげられる。例えば全身麻酔下の手術では、術後は家族に付き添われてそのまま帰宅し、支払いはご家族がスマホで完了する、といった運用が可能だ。これにより患者の安全と快適さを優先でき、医院側も未収リスクなくスムーズに会計を済ませられる。インプラント等の高額治療費もカード払いでポイントが付いたり分割できるなら、治療後の患者満足感や支払いに対する納得感も高まりやすい。外科中心の医院は遠方からの患者が来ることも多く、帰宅後の振込対応などを避けられる意義も大きいだろう。さらに、滅菌や安全対策に力を入れるこうした医院では、「非接触で清潔」という観点でもキャッシュレス会計は整合的だ。現金は多数の手を経由するため感染リスクとなり得るが、そのやり取りが減れば院内衛生管理の一環としても望ましい。総じて、外科処置中心のクリニックには患者ケア・経営管理の両面から見て導入価値が高いと言える。
地域密着型でファミリー層が多いクリニック
郊外や住宅地で家族ぐるみの患者が多い一般歯科医院では、ささっとPay+お会計さんはファミリー層の利便性向上に直結する。先述の通り、親子や夫婦でまとめて決済できる機能は、子ども連れや介護世代にはありがたいものだ。「子どもの治療費を親御さんがアプリで支払う」「離れて暮らす高齢の親の支払いを子が遠隔で行う」といった使い方も可能なので、家庭内での負担軽減につながる。実際に、「孫の治療費を祖父母がまとめて払えて助かる」という声も聞かれる。地域密着型医院では口コミ効果が大きいため、一人の患者が便利さを実感すれば家族や近所にも広まり、新規患者の獲得にもつながりやすいだろう。一方で、地域によっては高齢者比率が高くアプリ自体のハードルを感じるケースもある。ファミリー層と言っても三世代同居などでスマホ習熟度に差がある場合、初回登録のフォローにやや手間がかかるかもしれない。それでも、一度家族内で使い方が共有されればその後は安定して利用される傾向が強い。子育て世代の患者が多いなら、ベビーカーを押しながらでも財布を出さず帰れる便利さは他院との差別化要因となる。地域のニーズを読み取りつつ、「家族に優しい医院」としてキャッシュレスサービスを活用すると良いだろう。
結論:キャッシュレス導入で歯科受付が変わる – 明日からできる一歩
患者を会計で待たせない、現金管理に神経をすり減らさない歯科医院――ささっとPayとお会計さんの導入によって、そんな理想的な診療環境が手の届く現実となりつつある。臨床面では患者満足度の向上と再来院意欲の促進、経営面では業務効率の改善と利益率の維持向上が期待でき、まさに診療と経営の両輪に良い変化をもたらすだろう。20年以上の臨床経験を持つ筆者自身、当初は「歯科にキャッシュレスは馴染まないのでは」と懐疑的だったが、実際に導入医院の変貌を目の当たりにして考えが一変した。会計に追われず患者対応に集中できる受付、待合室で会計を待つ人が誰もおらず回転が速いクリニック、そして何より「便利になった」「また利用したい」と笑顔で帰られる患者たち――キャッシュレス導入は確実に現場を変えている。
もっとも、どの医院にも当てはまる万能薬ではないことも本記事で述べてきた通りである。大切なのは自院に合った形で導入し、その効果を最大化する工夫を継続することだ。もし導入を検討するのであれば、「明日からできる一歩」として以下のような行動を提案したい。
まず、興味を持った先生はメーカー(ストランザ社)に問い合わせてみてほしい。最新の料金プランや他院の導入事例、レセコン連携の可否など、公式から得られる情報は多い。場合によってはデモンストレーションやトライアル利用の相談も可能である。また、既に導入している知り合いの歯科医がいれば率直な感想を聞いてみるのも有益だ。現場ならではの苦労話や成功談は、公式資料にはない生の声として貴重な参考になるだろう。
次に、医院スタッフ内でディスカッションしてみることを勧める。受付担当者やアシスタントから見た現在の会計業務の問題点を洗い出し、本サービスで解決し得るか話し合ってみるのだ。スタッフが前向きに捉えているなら導入後もうまく運用できるはずだし、逆に抵抗が大きい場合はその理由を探ることで課題が見えてくる。患者アンケートを実施して「カード払いニーズ」を確認してみるのもよいだろう。
最後に、導入を決めたなら患者への告知と周知徹底を怠らないことである。素晴らしいシステムも使われなければ意味がない。開始前には院内掲示やホームページ、SNSなどで「○月から会計がアプリで可能になります!」と告知し、スタッフも一丸となって利用を促進していこう。定着までの最初の数か月は少し大変かもしれないが、その先に広がる効率的で患者想いの歯科医院運営という果実は大きい。
キャッシュレス決済の波は確実に医科・歯科領域にも押し寄せ、患者側から見れば「使えて当たり前」の時代が目前に来ている。本稿で紹介したささっとPay+お会計さんは、そうした時代に即した一つの解として大いに活用できるだろう。ぜひこの記事をヒントに、自院にとって最適な一手を検討してみていただきたい。明日の診療から、小さな変革を起こしてみよう。
よくある質問(FAQ)
Q. 本当に保険診療の数百円程度の支払いでもクレジットカード決済できますか?
A. はい、可能である。ささっとPayは保険・自費を問わずどんな金額でもアプリ決済に対応している。極端に少額(1円単位)の支払いでもシステム上問題なく処理される。患者さんにはポイント獲得等のメリットがあり、医院側も小額手数料で利便性提供できるので双方に利点がある。なお、院内技工代や文書料なども含めあらゆる会計項目が決済対象となるため、患者負担分はまとめてキャッシュレス化が可能だ。
Q. クレジットカード手数料が院にとって負担ではありませんか?
A. ささっとPayで適用される手数料率はVisa/Mastercardで1.5%、JCBやAmex等で1.95%前後と非常に低く抑えられている。従来型のカード決済(3〜5%程度が一般的)に比べ医院負担は格段に小さい。例えば患者から1万円の支払いを受ける場合、Visaなら手数料150円のみで済む計算だ。一方で、この程度のコスト負担によって患者満足度が向上し来院促進につながれば、十分ペイできると考えられる。実際に「手数料以上の増患効果があった」とする医院もある。経費として計上できるため税務上も問題ない。総合的に見て、低手数料で導入ハードルは高くないと言える。
Q. 患者側でアプリの操作が難しい場合、使いこなせないのでは?
A. 操作はシンプルであり、大半の患者は戸惑うことなく利用できる。アプリ内での決済手順は「ささっとPayボタンを押してカードを選ぶだけ」という簡単なものだ。スマートフォン自体に不慣れな高齢者については、初回のみスタッフが付き添って登録作業を補助すれば、その後は自動で決済が行われるので負担は少ない。また、家族登録機能を活用すれば本人以外の家族が代理で支払いできるため、ご本人が苦手な場合でも対応可能だ。導入医院の経験上、一度利用した患者のリピート率は非常に高いため、「最初の1回」をクリアすれば継続的に使いこなしてもらえるケースがほとんどである。
Q. セキュリティや個人情報の観点で心配はないか?
A. ささっとPayは信頼性の高い決済代行会社と連携しており、クレジットカード情報は厳重にトークン化・暗号化されて管理される。医院側でカード番号等の機微情報を保有することはなく、スタッフが不正に触れる余地もない。また、通信は全てSSLなどで保護されており、第三者に傍受される心配もない。実際に数百医院で導入されているが、情報漏洩や不正利用の事故報告は聞かれていない。患者には「カード情報は当院では保持せず、外部の安全なシステムで管理されています」と説明できる。セキュリティ面の配慮が行き届いているからこそ、医療分野でも安心してキャッシュレス化が進められていると言えるだろう。
Q. もし途中でシステムをやめたくなったらどうなりますか?
A. Apotool & Boxの利用契約を解約すれば、お会計さんとささっとPayも利用できなくなる。解約手続き後はクラウド上のデータエクスポート等を行い、必要に応じて紙や他システムへ情報を移行する形となる。契約期間の縛りについてはプランによるが、基本的に月単位で解約可能なので長期拘束のリスクは低い。ただし、一度キャッシュレス運用に慣れた患者やスタッフにとって元の現金主義へ戻るのは負担が大きい点に留意したい。導入前にしっかりトライアル検証し、「継続して使えるか」を見極めることがお勧めだ。ストランザ社も30日間の無料体験プラン等を用意しているので、まず試してから判断すると安心である。導入後に疑問点があればサポートセンターに相談できる体制も整っているため、運用中に不安があれば気軽に問い合わせて解決すると良い。いずれにせよ、柔軟に導入・撤退ができるクラウドサービスであり、大きなリスクを抱えず取り組める点も本サービスの利点である。