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アポツール(ストランザ)のサブカルテ「Medical Box Note」とは?評判や費用を解説

アポツール(ストランザ)のサブカルテ「Medical Box Note」とは?評判や費用を解説

最終更新日

朝一番、スタッフが当日予約の患者カルテを紙ファイル棚から次々と探し出す。この「カルテ出し」作業に何時間も奪われ、1日の診療が始まる前に疲弊する。患者から電話が入れば、詳細を確認するためにカルテ棚へ走ることも珍しくない。紙のサブカルテ(補助的な診療記録)に頼る運用では、多くの歯科医院がこうした非効率とヒューマンエラーに悩まされている。

ストランザ社が提供するApotool & Box(アポツール&ボックス)は、予約・来院管理から経営分析までを統合するクラウドシステムである。その追加オプション機能「Medical Box Note(メディカルボックスノート)」は、紙のサブカルテをデジタル化し、診療情報を一元管理する画期的なツールとして注目されている。本稿では、このMedical Box Noteについて臨床現場での実用性と医院経営への効果を深く掘り下げ、評判や費用面も含めて客観的に解説する。デジタル化による業務効率向上を模索する先生や、開業に際して先進的なシステム導入を検討する先生にとって、導入判断の一助となる情報を提供する。

製品の概要

Medical Box Noteは、クラウド型歯科システム「Apotool & Box」のオプション機能として2022年にリリースされたデジタルサブカルテシステムである。サブカルテとは、正式な診療録とは別に各医院が独自に運用してきた紙の記録用紙のことで、患者との会話内容や治療計画、口腔内所見などを手書きで記録するツールだ。Medical Box Noteは、この紙のサブカルテをそのまま電子化し、Apotool & Box上で管理・閲覧・編集できるようにするものである。

ストランザによれば、Medical Box Noteの導入によって紙の記録類をすべてクラウド上で一元管理でき、来院情報や予約データとも紐付けてリアルタイムに共有可能となる。iPadを主体としつつPCブラウザからも利用できるシステムで、従来の紙運用と遜色ない直感的な手書き入力を実現している。初期費用は0円、月額利用料は24,000円(税別)で、Apotool & Box基本システム(月額18,000円)に追加して契約する有料オプションという位置づけである。

主要な機能と特徴

ペーパーレス化と情報共有の効率化

Medical Box Note最大の特徴は、紙のサブカルテ運用で生じていた煩雑な作業を一挙にデジタル化する点である。Apotool & Boxの予約カレンダーと連動し、当日の予約一覧から該当患者のサブカルテをワンタップで呼び出せる。紙のようにカルテファイルを「探す・出す・戻す」手間がなくなり、受付やアシスタントが朝に何十枚もの紙を準備する必要もない。またクラウド管理により、一つの患者記録を複数のスタッフが同時に閲覧できる。院長と担当衛生士がそれぞれ手元のiPadで同じ患者の記録を参照しながらカンファレンスを行う、といった院内情報共有がスムーズに行える。

さらに、Medical Box Note上のデータはリアルタイムに全端末へ同期されるため、診療後に記録を回収してファイリングするといった作業も省略できる。ある導入医院では、かつてスタッフ1名が半日〜1日かけて行っていたカルテ出し作業が、Medical Box Note導入後は「iPadを開くだけ」で完結し、業務時間の大幅短縮につながったと報告されている。日々の事務作業から解放された時間は、患者への説明やケアに振り向けられ、サービス向上につながる可能性が高い。

手書き入力と画像活用による高品質な記録

Medical Box Noteは、紙の書き心地を追求した直感的な入力インターフェースを備えている。iPadにタブレットペン(Apple Pencil等)を用いて、これまで紙にペンで書いていたのと同様の感覚で記録を書き込める。テンプレートとして、医院が従来使用してきた紙のサブカルテ用紙そのものをスキャン取り込みして利用できるため、記入欄の配置やデザインも馴染みのままデジタル化できる。たとえば新患用の問診票や自費カウンセリング用シートなど、用途に応じた複数種類の用紙テンプレートを登録して運用することが可能である。

また、Apotool & Boxの画像・動画管理機能「Medical Box」で保存したレントゲン写真や口腔内写真、セファロや口腔スキャナーのデータなどをMedical Box Noteの記録上に貼り付けて表示できる。紙の記録では不可能だった口腔内画像付きの詳細なドキュメンテーションが容易になり、患者説明用の資料としても質の高いものを短時間で作成できる。実際に、テンプレート上にスタンプや定型文を挿入する機能もあり、所見記載や処置内容の記録を迅速にまとめることができる。これにより誰が見ても判読可能で統一感のある診療記録を残せ、チーム医療における情報伝達ミスの防止にも寄与する。

クラウドならではの拡張性と安全性

Medical Box Noteはクラウドサービスであり、インターネット接続さえあれば院内はもちろん往診先や自宅からでも必要な記録にアクセスできる。たとえば訪問歯科診療の現場で、いちいち紙カルテを持ち出すことなく、その場で患者情報を参照・追記することが可能である。また分院を複数展開する法人の場合でも、ネット経由で本院・各分院の患者情報を統合管理できる。患者がどの分院を受診しても記録を一本化でき、紙のカルテを物理的に運搬する必要がない。

利用端末数やユーザー数、保存できる書類枚数に制限がない点も大きな利点である。医院内の複数台のiPadやPCから同時にMedical Box Noteへログイン・閲覧でき、必要に応じて追加費用なく台数を増やせる。さらに、サーバー通信はSSL暗号化され、編集履歴も「いつ・誰が・どの端末」で編集したかが記録されるため、情報漏洩や誤上書きのリスクにも対策が施されている。1つの書類を2台以上で同時編集できない排他制御機能も備え、安全性とデータ整合性に配慮した設計である。

互換性と運用方法

Medical Box Noteを活用するには、基本的にiPadとインターネット環境が必要である。対応端末はApple iPad第10世代以降(iPad Air第5世代以降、iPad Proは11インチ第3世代/12.9インチ第5世代以降)となっており、現行のApple Pencil対応モデルであれば概ね問題なく動作する。iPadOS 15以上が必要条件だ。現場では画面サイズの大きなiPad Proや、軽量で持ち運びやすいiPad Airがよく使われている。操作性の面からタッチパネル式のWindows PCには対応していないが、代わりにデスクトップPCのChromeブラウザからMedical Box Noteの画面を開き、キーボード入力で閲覧・簡易編集することも可能である(※PC版では手書きペン入力や一部機能が使用不可)。

既存の紙サブカルテをデジタル移行する際には、スキャナーで用紙をPDF化して取り込む作業が発生する。ストランザでは文書スキャナー「ScanSnap」シリーズ(PFU社)を推奨しており、多くの導入医院でカルテ用紙や問診票、紹介状、同意書などを一括スキャンし、Medical Box Noteにデータ登録している。スキャンした画像データはそのままテンプレートとして使えるため、用紙下半分が空白で途中だった記録を続けてiPad上に書き足す、といった柔軟な運用も可能である。今後新規の患者については、最初から電子テンプレート上で記録すれば紙原本を作成する必要すらない。移行初期は紙と電子が並行する期間も考えられるが、重要度や来院頻度の高い患者から順次デジタル化することで負担を平準化できる。

運用面では、院内Wi-Fi環境の整備とスタッフ教育が鍵となる。リアルタイム同期のクラウドシステムゆえ、通信が不安定だとアクセスに時間がかかったり同期遅延が発生する可能性がある。そのため診療ユニット付近までWi-Fi電波が届くようアクセスポイントを適切に配置し、回線冗長化(予備回線の用意)も検討すると安心である。またスタッフがデジタル入力に慣れるまで一定のトレーニング期間が必要だ。特に長年紙カルテに親しんだ世代のスタッフには、最初は抵抗感があるかもしれない。しかし実際に導入した医院では、初めは反対していたスタッフも「今では紙には戻れないほど便利」と評価を翻したケースが報告されている。事前に操作練習の時間を設けたり、少人数で試験運用してノウハウを共有することで、スムーズな定着を図ることができる。

経営面への効果と費用対効果

Medical Box Noteの導入コストは月額24,000円(税別)である。一見するとサブカルテを電子化するだけでこの月額は高額に感じるかもしれない。しかし、人件費や業務効率に与える効果を試算すると、その投資対効果は決して低くない。

例えば、カルテ管理業務に割いていたスタッフの時間を換算してみる。紙カルテ運用では、1日あたり数時間をカルテ出納や記録整理に費やすことが少なくない。仮に1日4時間の雑務が削減できれば、月20日勤務で合計80時間の労働時間が浮く計算になる。時給1,500円程度のスタッフであれば月あたり12万円相当の人件費が節約できる理屈だ。その一部を月額利用料に充てても、なおプラスのリターンが見込める。実際、先述の医院のようにカルテ出し作業が「ほぼゼロ」になれば、その分スタッフを他の生産的業務に振り向けたり、残業削減につなげたりできるだろう。

さらに、紙の情報管理に伴う間接コストも考慮すべきである。カルテ棚の設置スペースや紙・インク代はもちろん、カルテ紛失や記入漏れによるトラブル対応のリスクは経営上のマイナス要因となる。Medical Box Noteであれば情報検索が容易になり、記載モレもリアルタイムで共有されるためフォローしやすい。結果として再診漏れの防止や患者満足度向上にもつながり、長期的には増患・自費率アップといった収益面への好影響も期待できる。

ただし、ROI(投資対効果)は各医院の規模や運用状況によって異なる。患者数が限られていて紙カルテ管理にそれほど労力を割いていない小規模医院では、コストに見合うメリットが出にくい可能性もある。一方、患者数が多くスタッフで分担して紙記録を扱っているような中規模以上の医院では、投入コスト以上の業務効率化効果が得られるだろう。Medical Box NoteはIT導入補助金の対象サービスに含まれていた実績もあり、公的支援を活用して初期導入コストを抑えたケースも見られる。純粋な費用対効果だけでなく、ペーパーレス化によるDX推進の意義や将来的な経営戦略への寄与という観点から総合的に判断するとよい。

使いこなしのポイント

Medical Box Noteを最大限に活用するためには、単なるツール導入に留まらず院内のワークフロー自体を再設計する意識が重要である。まず導入初期には、スタッフ全員でデジタル記録の運用ルールを統一することが求められる。どのタイミングで誰が記録を入力・更新するのか、紙から移行したデータと新規デジタルデータをどう管理するか、といったプロトコルを明確に決めておくと混乱が少ない。例えば、診療後ただちに担当者がiPadで処置内容を記入し、その日のうちに院長が確認・承認する、といった流れを決めておけば、紙の回覧と同様にチェック体制を維持できる。

また、患者説明のツールとしてMedical Box Noteを活用するのも有効だ。iPad上で患者のレントゲン写真や口腔内写真を見せながら、Medical Box Note上に治療計画を書き込みつつ説明すれば、患者の理解度と信頼感は高まりやすい。紙では共有しづらかった視覚情報をその場で提示できるため、「見える化」された説明によって自費治療の提案なども受け入れられやすくなるだろう。記録自体が患者とのコミュニケーションツールにもなり得る点は、単なる業務効率化を超えたメリットである。

日常的な運用では、定期的なデータバックアップとシステム保守も忘れてはならない。クラウド上のデータは基本的にベンダー側で安全に保管されているが、重要書類については念のためPDFエクスポートして院内保管しておくといったリスク管理も一案だ。また、定期アップデート情報に目を通し、新機能が追加された際には積極的に活用する姿勢が望ましい。2025年には操作性改善の大規模アップデートが行われ、用紙一覧の見やすさ向上やプレビュー画面でのページ切替機能などが追加された。こうした継続的な改善に対応することで、常に最新の効率的なワークフローを維持できる。

適応するケース・適さないケース

Medical Box Noteの導入が特に有効なのは、以下のようなケースである。

院内の患者数が多く、紙カルテ管理に日常的な負担を感じている医院では、デジタル化のメリットが大きい。カルテ棚が手狭になり追加スペースが必要、カルテの紛失や探し間違いが時々起こる、といった課題がある場合には、情報検索や共有が容易になりスタッフのストレスが大幅に軽減されるだろう。

チーム医療を積極的に行っている場合も、Medical Box Noteは真価を発揮する。歯科医師・歯科衛生士・助手など複数スタッフで患者情報を共有しながら診療するスタイルの医院では、誰かがカルテを占有して他が見られないという紙特有のボトルネックが解消され、院内連携が格段に円滑になる。

さらに、画像資料や説明資料を多用する診療を行う分野でも恩恵が大きい。インプラントや矯正、審美治療など診療前後の写真記録や説明用ツールが重要なケースでは、Medical Box Note上で画像付きのカルテを手早く作成できるため、患者へのプレゼンテーション資料作成の時間を削減しつつ質の高いカウンセリングを提供できる。

一方で、導入を急ぐ必要がないケースもある。

ごく少人数で運営する小規模医院では、月数十人程度の患者数で予約管理やカルテ管理が現状ほぼ手作業でも滞りなく回っていることが多く、あえて高額なシステムを導入しても費用対効果が薄い可能性がある。現在の運用に大きな不満がないのであれば無理に変える必要はないだろう。

また、紙の記録文化に強い愛着がある現場では、せっかく導入しても使いこなせないリスクが高い。トレーニングに時間を割けない場合や「紙に手書きしないと記録した気にならない」という価値観が根強い場合は、段階的な移行に留めるか導入自体を見送る判断も必要だ。

さらに、既に他の電子カルテシステムを導入済みの医院では、現行システム内にサブカルテ相当のメモ機能が備わっているケースも多い。重複投資になる恐れがあるため、Apotool & Box全体への乗り換えメリットが十分にあるかどうか慎重に精査すべきである。

読者タイプ別の導入指針

保険診療メインで効率最優先の先生へ

保険中心で多数の患者を回転させる診療スタイルの先生にとって、Medical Box Noteは「業務効率の切り札」となり得る。予約の入力ミスやカルテの探し間違いといったヒューマンエラーを減らし、1日の診療サイクルを滑らかにすることで、無駄な空き時間を削減できる。チェアタイムの短縮は即座に収益向上に結び付かないまでも、スタッフの疲労軽減や患者待ち時間の短縮といった質的効果をもたらす。結果として診療ユニットあたりの稼働効率が上がり、限られた診療時間内で対応できる患者数を増やす余地が生まれるだろう。またリコール管理やキャンセル再予約管理もApotool & Box全体で効率化できるため、Medical Box Note導入は保険診療メインの歯科医院の経営安定化に寄与すると考えられる。

自費診療に力を入れたい先生へ

インプラントや審美・矯正など自費率の高い診療に注力している先生には、Medical Box Noteの「見せるカルテ」が武器になる。治療前後の口腔内写真をカルテに貼り付け、視覚的に治療効果を示すことで、患者は自身の口腔状態を具体的に理解できる。例えばホワイトニングの経過写真や被せ物のBefore/Afterをその場で並べて見せれば、患者満足度は格段に上がるだろう。さらに、同意書や治療計画書もすべて一元管理できるため、高額治療の説明・契約プロセスもスムーズになる。ペーパーレスで洗練された院内IT環境は患者に先進的な印象を与え、医院のブランディング強化にもつながる。自費診療拡大を目指す医院こそ、投資する価値があるツールである。

分院展開や訪問診療を行う先生へ

複数の診療所を経営したり、外来に加えて訪問歯科にも取り組んだりしている先生には、Medical Box Noteのクラウド一元管理が大きな利点となる。本院と分院で患者情報を共有し、どの拠点にいても最新の診療記録にアクセスできる安心感は計り知れない。患者が異なる分院を受診した際にも過去情報がすぐ参照できるため、紹介状や情報転送にかかるタイムラグが解消される。また訪問先ではタブレット一つで記録が完結し、紙カルテ持参による情報漏洩リスクも減らせる。これから分院拡大を考えている若い先生にとっても、早期にこうしたクラウド管理の仕組みを整えておくことは、スケールメリットを最大化する上で賢明な戦略といえる。

デジタル化で差別化を図りたい新規開業医の先生へ

開業準備中の先生がMedical Box Noteを含むApotool & Boxを導入するケースも増えている。ゼロからの開業であれば、煩雑な紙カルテの資材を一切用意せずに済むため、カルテ棚や紙用紙のコストを省ける。スタッフも最初からデジタル環境で業務を覚えるため、紙からの移行に伴う混乱がない。何より、地域内で差別化を図る上で「完全ペーパーレスのデジタル歯科医院」という切り口は患者への訴求力が高い。若い世代の患者ほどスマートなIT対応を好む傾向があり、予約〜会計までアプリで完結し、診療情報もタブレットで管理している医院は先進的なイメージを持たれる。ROIの観点でも、開業初期投資の一部と割り切って導入しておけば、軌道に乗った後に紙運用から切り替える二重手間を省け、長期的に効率的である。

結論

Medical Box Noteは、歯科医院の診療記録の扱い方を根本から変えるポテンシャルを持ったソリューションである。導入によって得られるのは、単なる紙の電子化に留まらない。日々の診療フローの中で「探す時間」「待つ時間」を削減し、その分を患者ケアや経営戦略に充てることができる点こそが最大の価値である。実際に導入した多くの先生が「もう紙には戻れない」と口を揃えるように、一度デジタルの効率と利便性を体験すれば、その恩恵を実感できるだろう。

もっとも、自院にとって本当に必要かどうかは、現状の課題と照らし合わせて判断する必要がある。単に流行りだからと飛びつくのではなく、ここまで述べた臨床的メリットと経営的メリットを総合的に評価してほしい。その上で興味を持たれたなら、まずは30日間の無料体験を活用して実際の使用感を確かめることを勧めたい。ストランザ社ではデモ機の貸し出しやオンライン説明も行っているため、導入前に不明点を解消しておくと安心である。明日からできる一歩として、担当者に問い合わせて具体的な導入プランや他医院の事例を聞いてみてはいかがだろうか。デジタルサブカルテの活用は、先生の医院に新たな効率と価値をもたらす次の一手となる可能性が高い。

よくある質問(FAQ)

Q1: Medical Box Noteを使えば紙のカルテは一切不要になるのか?
A1: 患者の診療録そのものは既存のレセコン(レセプトコンピュータ)で管理しつつ、補助的な記録をMedical Box Noteに集約する形が一般的である。したがって紙の「サブカルテ」は不要になるが、法定の診療記録自体をすべてクラウドに移行する場合は、厚生労働省が定める電子カルテの要件を満たす必要がある点に注意が必要だ。Medical Box NoteはあくまでApotool & Boxの機能の一部であり、完全な電子カルテシステムとして単独運用するものではない。既存のレセコンと併用しながら、紙資料をゼロに近づけることが現実的な活用法である。

Q2: インターネットが不安定な環境でも使えるのか?
A2: Medical Box Noteはクラウド型のため基本的にオンライン接続が前提となる。オフライン環境でデータ入力・保存する機能は備えておらず、ネットワークが切断されると記録の閲覧や更新ができなくなる。したがって、院内では安定したWi-Fi環境を用意することが不可欠である。万一に備え、モバイル回線によるテザリングなど代替手段を用意しておくと安心だ。なお、患者データはクラウド上に保存されているため、仮に診療用PCやiPadが故障・紛失した場合でも、別の端末からログインすれば直ちに業務再開できるメリットがある。

Q3: 他のレセコンやシステムと連携できるか?
A3: Apotool & Box自体が各種レセコン(モリタ、ノーザ、デンタルシステムズなど主要メーカーの製品)とのデータ連携に対応している。患者基本情報や日計・月計データの取り込みが可能で、既存のレセコンからスムーズに移行できる仕組みが用意されている。ただしデータ連携のためには別途初期設定費用(約15万円〜)やレセコンメーカー側の対応が必要なケースもある。Medical Box Note単体で他社システムと直接データやり取りをすることは想定されていないが、Apotool & Box全体の一部として動作するため、全体を導入すれば結果的に他システムとの連携環境も整う形になる。

Q4: 紙のカルテをスキャンする手間が大変そうだが導入は可能か?
A4: 確かに過去の紙資料が膨大な場合、初期スキャン作業には時間を要する。しかし優先度の高い資料から徐々に電子化すれば、日常診療と並行して無理なく進められる。初診の患者や最新のカルテからデジタル管理を開始し、過去のカルテは来院時に都度スキャンする方法も現実的だ。PFU社の高速スキャナーを活用すれば大量の紙でも効率よくPDF化できる。導入支援としてストランザ社がスキャン代行サービスや操作指導を行う場合もあるので、不安な場合は相談してみるとよい。一度テンプレート化してしまえば、今後は紙を増やさずに済むため、長期的には必ず労力は報われる。

Q5: 何か不具合や操作上の問題が報告されていないか?
A5: リリース当初はいくつか操作性に関する要望がユーザーから出ていたが、2025年1月のアップデートで多数の改善が実施された。用紙一覧の表示調整やプレビュー機能の強化、編集画面での動作安定性向上など、細かなストレスを解消する取り組みが続いている。ストランザ社は利用医院からのフィードバックを踏まえ定期的にバージョンアップを行っているため、今後も使い勝手は向上していくと予想される。万一システム上の不具合が生じた場合も、同社のサポート窓口に問い合わせれば迅速に対応してもらえる。実際の導入医院の評判を見ると、総じて「紙運用には戻れない便利さ」と高く評価されており、一部UIの慣れを除けば概ね満足度は高いようだ。