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イーパーク歯科(EPARK)のクリニック向け予約システムとは?料金や評判を検証

イーパーク歯科(EPARK)のクリニック向け予約システムとは?料金や評判を検証

最終更新日

日々の診療の合間、ひっきりなしに鳴る電話に追われてはいないだろうか。スタッフが電話対応に追われて患者対応が手薄になる、あるいは予約のダブルブッキングに気づかず患者を待たせてしまった経験は、多くの歯科医師に心当たりがある悩みである。特に予約枠の急なキャンセルや受付ミスは、診療効率を下げ医院の収益にも響く問題である。また、新患を獲得したいと思っていても、診療時間外は電話を受けられず機会損失となっているかもしれない。本記事では、こうした悩みを解決する手段の一つとして注目される「EPARK歯科」の予約管理システムについて、その特徴や費用、そして実際の評判に基づくメリット・デメリットを検証する。長年の臨床経験と医院経営の視点から、単なる宣伝にとどまらない客観的な分析を試みたい。読者自身の医院にこのシステムが適しているかを判断し、投資対効果を最大化する一助となれば幸いである。

製品概要:EPARK歯科の予約管理システムとは何か

EPARK歯科のクリニック向け予約管理システムは、歯科医院の予約受付と患者情報管理を一体化するクラウドサービスである。正式名称は「EPARK歯科予約管理システム」であり、提供元は医療IT事業を手掛けるエンパワーヘルスケア株式会社である。インターネットを通じて24時間患者からの予約受付が可能になり、医院側は専用の管理画面で予約状況をリアルタイムに把握できる。歯科領域に特化したシステムではあるが、薬機法上の医療機器には該当しないITツールであり、特別な認証や届出を要するものではない。

本システムの適応範囲は一般的な歯科診療全般に及ぶ。保険診療から自費診療まで、各種処置の予約枠を柔軟に設定できる。想定される導入先は個人経営の歯科医院から複数分院を展開する医療法人まで幅広く、小児から高齢者まで多様な患者層に対応するクリニックで活用可能である。特に新患の受け入れやキャンセル管理に課題を抱える医院に向いている。バージョンについて明確な型番は無く、クラウドサービスとして機能が随時アップデートされる方式である。したがって、導入後も自動的に最新の機能が利用可能になる。

なお、システムの利用にあたって必要なハードウェアは、インターネット接続可能なパソコンやタブレット端末である。専用アプリケーションのインストールは不要で、ウェブブラウザから管理画面にアクセスする形を取る。WindowsでもMacでも利用でき、院内LANに接続した複数の端末から同時にアクセスすることも可能である。患者側はスマートフォンやパソコンから予約サイトにアクセスして予約を取る仕組みで、特別なアプリ登録なしでも利用できるが、希望すればスマートフォンアプリ(EPARKアプリ)を用いた機能も提供される。このように、特別な設備投資を伴わず既存のPC環境で始められる点も、中小の歯科医院にとって導入しやすいポイントである。

主要な特徴・スペック:予約デジタル化がもたらす臨床的メリット

EPARK歯科予約管理システムの主要な機能は、大きく分けて予約受付のデジタル化と患者管理・来院促進の二つの側面がある。まず予約受付では、医院側で設定した診療時間や枠組みに従い、患者がウェブ上で24時間いつでも予約を入れられる。電話予約と異なり、休診日や深夜でも新規予約を取りこぼす心配がない。例えば、日中忙しいビジネスパーソンや子育て中の方でも、診療時間外にネットから予約できるため新患獲得のチャンスが広がる。さらに、ネット予約により電話対応が不要になるため、スタッフが診療や来院患者対応に専念できる効率化効果も大きい。これは人件費削減というより、限られた人員を本来の業務に集中させチェアタイムを有効活用できるという臨床現場でのメリットである。

次に患者情報の一元管理機能が挙げられる。EPARK歯科のシステム上では、予約情報と患者基本情報(氏名・連絡先・来院履歴など)を紐づけて管理できる。予約カレンダー上で患者ごとの来院履歴を即座に参照できるため、「この患者は前回○月に来院、処置内容は…」といった背景を受付時点で把握しやすい。これは、受付スタッフがカルテ棚を探さなくても患者応対ができることを意味し、現場のスムーズな情報共有につながる。また既存のレセコン(レセプトコンピュータ)や電子カルテとの連携にも対応しており、二重入力の手間や入力ミスを減らすことが可能である。主要な国産レセコンソフトとのデータ連携実績が公表されており、導入時にクリニックのシステム環境に合わせて設定を調整する。これにより、予約システム側で登録した患者情報が自動でカルテシステムにも反映されたり、その逆にカルテ側の患者データを予約システムに取り込んだりすることができる。患者データが各システム間で統一されることで、診療前の準備や会計処理まで含めた業務全体の効率化につながる。

キャンセル対策とリコール促進もEPARK歯科システムの大きな特徴である。予約日時の前日・当日に自動で患者に確認のメールやSMSを送信するリマインド機能があり、患者のうっかり忘れによるすっぽかし(無断キャンセル)を減らす効果が期待できる。例えば「明日〇時に予約を頂いております。ご都合が悪くなった場合はご連絡ください」といった内容を自動配信し、ドタキャンの抑止につなげる仕組みだ。筆者自身のクリニックでも、事前確認の声かけ一つでキャンセル率が下がった経験があるが、それを自動化できる意義は大きい。また、万一キャンセルが発生した場合も即座に予約枠が空き状況としてシステム上に反映される。これにより、他の患者がリアルタイムでその空き枠を確認し予約を入れることも可能になる。結果としてキャンセルによる空き時間を別の患者で埋めやすくなり、院長にとってはチェアタイムのロスを最小限に抑える効果がある。

リコール(定期メンテナンスの再来院促進)については、EPARK歯科は豊富なコミュニケーション手段を備えている。一定期間来院の無い患者リストを自動作成し、まとめてフォロー連絡を行う機能が標準搭載されている。具体的には、最後の来院から半年経過した患者など抽出条件を指定すると、メールやLINEで定期健診のお知らせを自動送信できる。またオプションにはなるが、郵送ハガキによるリコール案内にも対応している。テンプレートデザインと対象患者を選ぶだけで、ハガキの印刷・発送をEPARK側で代行してくれるサービスである。自費診療に力を入れる医院では治療終了後のフォローが重要だが、忙しい日々の中では後手に回りがちだろう。こうしたリコール支援機能を活用すれば、休眠患者の掘り起こしやリピーター育成の仕組みを自動化でき、長期的な来院率向上に寄与する。

さらに注目すべきスペックとして、患者向けスマートフォンアプリとの連携がある。EPARK会員向けのアプリを患者が利用すると、診察券情報をスマホ内に登録でき、以後そのスマホが診察券代わりになる。患者が来院時に受付端末にスマホをかざすだけでチェックインが完了する仕組みで、物理的な診察券忘れによる再発行対応などの手間が省ける。アプリ利用者にはプッシュ通知で予約確認や順番案内を送ることもでき、患者側の利便性と医院側の業務効率双方にメリットがある。このようなデジタル診察券機能は、予約管理システム単体というよりEPARK全体の統合サービスの一環であり、医院のITイメージ向上にも一役買うだろう。特に若年層の患者はスマホアプリでの管理を好む傾向があり、「スマホで簡単予約できる歯科医院」として選ばれやすくなる効果も期待できる。

最後に分析レポート機能も見逃せないスペックである。EPARK歯科の管理画面では、予約件数の推移、新患率やキャンセル率、リピート率といった経営指標を自動集計しグラフ表示できる。紙のアポイント帳では把握しにくかった数字を可視化することで、医院の課題発見と改善策立案に役立てる狙いだ。例えば月別のキャンセル率を確認し、「3月はキャンセルが多い傾向だ」と分かれば、その前月に集中的にリマインドを強化するなど戦略的対応が可能になる。また、新患数が思わしくない場合はポータルサイト上の医院情報を見直すなど、データに基づく経営判断を促す材料になる。歯科医院経営において、経験と勘だけでなくデータ分析の視点を取り入れることは益々重要になっている。EPARK歯科は単なる予約帳にとどまらず、こうした経営支援ツールの側面を持つ点も主要スペックの一つと言える。

連携性と運用方法:既存システムとの調和と導入要件

EPARK歯科予約管理システムは、他の院内システムやサービスとの連携・互換性にも配慮されている。前述のように、カルテやレセコンとのデータ連動が可能であり、具体的には各社のレセコン(例えば○○社のDent○○など主要製品)と橋渡しをする中間ソフトを提供している。これにより、予約システム上で登録・更新した患者情報や予約情報が、院内の電子カルテ側にも同期される(あるいはその逆も可能な設定がある)。導入に際しては、EPARK側の担当者がクリニックのシステム環境をヒアリングし、適切な連携方法を提案してくれる。仮に全くコンピュータを使っていない紙カルテ運用の医院であっても、本システム単独で患者台帳と予約簿の役割を果たすため、無理に他システムを導入する必要はない。

また、医院ホームページや他の予約サイトとの並存についても考慮すべきである。EPARK歯科は自社のポータルサイトでの予約受付が基本となるが、自医院の公式ホームページに予約フォームを埋め込むことも可能である。例えば、ホームページに「ネット予約はこちら」というボタンを設置し、EPARKの予約ページへ誘導する形だ。患者から見ると医院のWebサイトからそのままネット予約ができるように見えるため、EPARK経由であることを意識させずスムーズに利用してもらえる。既に独自の予約システムや他社の予約サービスを利用している場合は二重管理にならないよう整理が必要だが、EPARK導入後は一本化する医院がほとんどである。多くの患者が「○○市 歯医者」で検索した際にEPARKのサイト経由で医院情報を見る現状を踏まえると、公式サイトとEPARK掲載情報の両方を充実させ、一貫したメッセージを発信することが重要だ。

運用面では、スタッフ教育と院内体制整備が導入成功の鍵となる。新しいシステム導入時にはスタッフが戸惑うことが多いが、EPARK歯科では導入時に操作トレーニングのサポートが提供される。担当者が初期設定の際に管理画面の使い方をレクチャーし、一通り操作できるようになるまでフォローしてくれる。また導入後もコールセンターでの問い合わせ対応があり、使いながらの疑問点も逐次解決できる体制である。したがって「パソコン操作に不慣れなスタッフがいて不安」という医院でも、現場で十分習熟できると考えられる。実際、大規模ではない町の歯科医院でも幅広く導入実績があることからも、特別なITスキルは必要なく直感的に操作しやすいUI設計になっていることがうかがえる。

日々の運用フローとしては、受付担当者が朝にその日の予約一覧を確認し、来院順や診療内容を把握することから始まる。患者がネット予約を行うとリアルタイムで管理画面上に反映されるため、医院側で改めて確認や承認操作を行う必要は基本的に無い(必要に応じて「仮予約→承認制」にも設定できる)。当日の飛び込み患者や電話予約が入った場合は、スタッフが手動でシステムに予約を追加登録する。紙の予約帳と異なり、入力した予約は即座に全端末で共有されるため、院長が診療室のPCから、衛生士が滅菌室のタブレットから、同じ最新の予約状況を同時に閲覧できる。これは院内の情報共有ロスをなくし、スタッフ間の連携ミス(「あれ、この患者さんまだ来てないの?」「予約変更を聞いていなかった」等)を減らす効果がある。

一方で、クラウドサービスゆえの注意点も存在する。それはインターネット環境への依存である。システムはオンラインで稼働するため、万一院内のネット回線が不通になると予約確認や登録ができなくなるリスクがある。このため、通信障害への備えとしてスマートフォンでテザリング接続する手順を用意したり、紙のバックアップ手帳を簡易的に用意しておく医院もあるようだ。もっとも、昨今の通信環境は安定しており大きな支障は考えにくいが、万が一にどう対応するかを予めスタッフと決めておくと安心だ。また、データはEPARK側のサーバーに保存されるため、情報セキュリティ対策はサービス提供企業側の管理下に置かれる。エンパワーヘルスケア社は大手医療IT企業であり、個人情報保護の認証も取得しているとされるが、院内サーバーに置く場合と勝手は異なる。万一サービスを解約する際に、患者情報のエクスポート(CSV形式など)に対応しているか、どういった手順でデータ消去されるか、といった点も事前に確認しておくと良い。公式には「契約終了時にはご相談ください」と案内されているため、必要なデータは解約前に書き出して自院で保管しておくのが望ましい。

経営インパクト:費用対効果を数字で考える

経営者の目線で最も気になるのは費用(コスト)に見合った効果が得られるか、すなわち投資対効果である。EPARK歯科予約管理システムの料金体系は月額定額制が基本となっている。公式サイト上では具体的な金額は「要問い合わせ」とされているが、実際にはプランに応じて月額数万円程度の費用感である。かつては予約件数に応じた従量課金プランも存在したようだが、現在(2025年時点)はライト・ベーシック・プレミアムといった複数の固定月額プランに統一されている。参考情報として、ある比較サイトでは「ベーシックプラン月額約3〜4万円前後」「初期費用は無料または契約内容による」といった数字が挙げられていた。実際の請求額は医院の規模や求めるサービス内容(掲載情報量やオプション利用)によって変動し、営業担当者との個別見積もりとなる。なお契約期間については1年〜複数年単位から選択する方式との口コミがあり、長期契約ほど月額が割安になる反面、途中解約しても返金されない前払契約が多いようだ。契約前には総額いくらの支出になるか、必ず確認しておくべきである。

では、その毎月の費用に見合うリターンはどの程度見込めるのだろうか。まず新患の増加による収入アップの可能性が挙げられる。EPARK歯科は歯科ポータルサイトとして国内最大級のアクセス数(年間数億PVとも)を誇り、「地域名+歯医者」の検索で上位表示される集患力が売りだ。掲載情報を充実させ魅力を打ち出せば、EPARK経由で月に数名〜十数名の新患が来るケースも珍しくない。仮に1ヶ月に新患が3名増えたとしよう。保険診療中心で初診・検査・基本処置のみの場合、1人当たりの収入は数千円かもしれない。しかし、自費カウンセリングやホワイトニング希望の患者なら1人で数万円以上の売上になることもある。平均して1人1万円の利益が出るとすれば3名で3万円、EPARKの月額費用とほぼトントンである。もし5〜6名の新患を獲得できれば、それ以降はプラスの収支になる計算だ。さらに、その新患が定着して定期メンテナンスに移行すれば、長期的な生涯価値(LTV)は何倍にもなる。特にインプラントや矯正など高額治療につながる患者を獲得できれば、1件で何十万円もの売上をもたらすため、費用対効果は飛躍的に向上することになる。

次にキャンセル減少と稼働率向上による効果を考える。予約管理システム導入によりリマインドが徹底され、仮にキャンセル率が10%から5%に改善したとする。この5ポイントの差は、例えば月間200件の予約がある医院なら毎月10件のキャンセル減少に相当する。10件分の予約枠が埋まるかどうかで数万円の診療収入が変わってくる計算である。実際の臨床では完全にゼロにすることは難しいが、「痛みがなくなったから来院しなかった」といった軽微な放棄は確実に減らせるため、空きチェア時間の減少は目に見えて感じられるだろう。空いた枠に別の患者を滑り込ませることができれば、売上の底上げになるだけでなく待ち患者の不満も解消でき、医院の評判向上にもつながり得る。

電話対応時間の削減によるコスト圧縮も見逃せない。受付スタッフが電話対応に費やす時間が減れば、その分他の業務に集中できるようになる。仮に1件の電話予約対応に3分かかるとする。1日あたり20件の電話があれば60分、月20日診療で計20時間もの労働時間だ。EPARK導入後はその相当部分が患者自身によるウェブ予約に置き換わるため、スタッフ20時間分の労力を削減できる。人件費換算すれば約2〜3万円程度かもしれないが、削減された時間を他の生産的業務に振り向けられる点に価値がある。例えば空いた時間に滅菌作業やアシスタント業務を追加で行えば外注費や残業代を抑えられるかもしれない。こうした間接的なコスト削減効果は数値化が難しいが、忙しい医院ほど実感できるメリットである。

以上を総合すると、EPARK歯科の予約管理システム導入による経営インパクトは、新患獲得増による売上増・キャンセル減少による稼働率向上・省力化によるコスト削減の三本柱で現れることがわかる。ただし重要なのは、その効果の大きさは各医院の状況によって様々だという点である。競合ひしめく都市部ではEPARK掲載で劇的な患者増とはならないかもしれないし、逆にネット予約ニーズの高い若年層が多い地域では想定以上の反響があるかもしれない。また、費用面では契約年数やオプション設定によって総額が変わるため、導入前にシミュレーションを行うことが肝要だ。具体的には「月に〇人の新患増があればペイできる」「キャンセル率〇%改善で十分元が取れる」といったラインを算出し、現状の課題と突き合わせて導入判断すると良い。営業担当者から提示されるデータや事例も参考に、自院に合ったROIを見極めたい。

使いこなしのポイント:導入効果を最大化するために

EPARK歯科予約管理システムを真に活用するには、単に導入するだけでなく運用上の工夫が欠かせない。まず導入初期のポイントとして、スタッフ間で新しいワークフローを共有することが挙げられる。例えば、これまで受付で使っていた紙の予約帳と並行して運用する場合、スタッフがどちらにも記入し忘れないよう役割分担を明確にする必要がある。理想的には紙台帳を廃止しシステム一本に絞るのが望ましいが、不安があれば移行期間を設けて徐々に慣らす方法もある。その際は毎日診療後に紙とデジタルの予約内容を照合し、漏れや重複がないか確認する作業をルーチン化すると良い。筆者の知る医院では、院長自身が診療終了後に当日の予約登録状況をチェックし、スタッフと問題点をフィードバックし合うことで短期間で運用を軌道に乗せたケースがある。トップ自らが関与し現場の声を拾い上げることで、スタッフの習熟度も上がり定着が早まるだろう。

予約設定の最適化も重要なポイントである。EPARKのシステムでは、治療内容ごとに必要チェアタイムや担当者を考慮した予約枠のルール設定が可能だ。例えば「矯正相談は○分枠で午後のみ受付」「外科処置は毎正時のみ予約可」といった細かな制御ができる。この設定を初期段階で詰めておくことで、患者がネット上で予約を取る際に無理のないスケジュールでしか予約できなくなる。もし設定を粗くしてしまうと、患者が短すぎる枠で大掛かりな処置を予約してしまったり、担当医のいない時間帯に専門処置が入ってしまったりする恐れがある。従来、電話予約であれば受付スタッフの裁量で調整できた部分も、システムでは規則に従って自動化されるため、ルール設計の段階で現場の知恵をしっかり反映させることが大切だ。院長・スタッフが協力し、自院の診療フローに沿った予約テンプレートを作り込もう。

患者への周知と啓蒙も忘れてはならない。せっかくネット予約が可能になっても、患者がその存在を知らなければ利用は広がらない。導入時には院内掲示やスタッフの声かけで、「インターネットから24時間予約できます」と積極的に案内しよう。特に次回予約を受付で決めずに帰る患者には、「後でスマホから予約できますのでぜひご利用ください」とひと言付け加えるだけでも利用率は上がる。また、高齢の患者にはスマホ予約はハードルが高い場合もあるため、その場合は従来通り電話で受け付けつつ、スタッフが代行してシステムに登録する形で構わない。重要なのは、ネット予約と電話予約が二本立てで矛盾なく回る体制を整えることである。どちらの経路で入った予約も最終的には一元的に管理画面へ入力されるよう徹底し、医院全体の予約帳が一本化されるよう意識したい。

さらに、EPARK歯科の強みである集患力を最大限に活かす工夫も考えておきたい。具体的には、EPARK上の医院情報ページを充実させ競合医院との差別化を図ることである。ネット上で医院を選ぶ患者は、掲載写真や紹介文、口コミ評価などを見比べている。魅力的な写真を掲載し、院長の診療方針や得意分野を明確に伝えることで、「ここに行ってみよう」と思わせることができる。例えば最新の設備(CTやマイクロスコープ等)を導入しているなら写真付きでアピールし、キッズスペース完備やバリアフリー対応など強みがあれば余さず記載する。文章も専門用語だらけにせず、患者目線で分かりやすく丁寧に書くことで信頼感を与えられるだろう。また、口コミへの対応もポイントだ。EPARKには患者の口コミ投稿機能があるため、もし否定的なコメントが付いた場合は真摯に返信し改善を約束するといった姿勢を示すことで、閲覧者に好印象を与えることができる(医療広告ガイドラインに反しない範囲で注意は必要だが)。このように、システム導入後はデジタル上での医院ブランディングにも目を向け、単なる予約受付機械としてではなく総合的な集患ツールとして使いこなす意識が重要である。

最後に、導入後につまずきがちな失敗パターンを避ける点にも触れておく。一つは「せっかくの機能を使いこなせない」ケースだ。例えばリマインド機能や分析レポートを宝の持ち腐れにしてしまう医院もある。忙しいと後手に回りがちだが、月に一度はキャンセル率などデータを確認し、スタッフミーティングで共有する習慣を付けよう。もう一つは「最初の熱意が冷め放置される」ケースである。導入直後こそスタッフも意識していても、数ヶ月経つと手入力のミスが増えたり、予約ページの医院紹介文が古いまま放置されたりすることがある。ITシステムは常にメンテナンスしてこそ効果を発揮する。定期的にEPARK担当者とも連絡を取り、新機能の情報収集や活用方法の相談をすると良い。エンパワーヘルスケア社では定期的に導入医院向けの情報提供や、成功事例の共有なども行っているようなので、そうした機会も逃さずキャッチアップしていきたい。

適しているケース・適さないケース

あらゆる製品と同様に、EPARK歯科の予約管理システムにも向き不向きがある。まず適応が高いケースとして挙げられるのは、予約枠の管理や新患集客に課題を抱えている一般的な歯科医院である。例えば、日々の電話対応に負担を感じていたり、キャンセル空き枠がしばしば生じているような医院では、このシステム導入により即効性のある改善が期待できる。ネット予約に抵抗のない若年〜中年層の患者が多い地域では特に恩恵が大きい。都市部のオフィス街やベッドタウンの医院では、昼休みや深夜にスマホから予約を取る患者が増える傾向があり、実際に「EPARK導入後、若い世代の新患が増えた」との声もある。また、新規開業や分院展開直後で認知度向上と患者獲得を急ぎたいケースにもマッチする。ポータルサイト掲載による露出増で、開業したてでも一定のアクセスと予約が見込めるのはEPARKの強みだ。さらに、ユニット台数が多くスタッフも複数いるような中〜大規模医院にも適している。複数受付担当で紙帳簿を回す煩雑さを感じている場合、クラウドで予約を一元管理するメリットは計り知れない。情報共有ミスを減らしチーム全体の動きを見える化できるため、院内オペレーションの質が上がるだろう。

反対に適さない、もしくは導入効果が限定的なケースも存在する。例えば、 高齢者主体で地域密着型のクリニックでは、患者がネット予約を利用する割合が低く恩恵が出にくい傾向がある。電話や窓口での直接予約が大半を占めるようなら、スタッフがシステム入力する手間だけが増え費用に見合わない可能性がある。また完全紹介制や自費専門で少数予約のみを受けるようなクリニックにも、EPARKの大量集客前提のモデルはフィットしにくい。予約自体が少ないのであれば紙や既存システムで十分管理でき、わざわざ数万円をかけて導入するメリットが薄いからだ。さらに、既に他の高度な予約・顧客管理システムを運用している場合、無理に乗り換える必要がないケースもある。例えば、歯科以外も含めた統合医療情報システムを導入しているような大規模医療機関では、院内システムとの二重管理になりかねず、EPARK単体では機能不足と感じるかもしれない。

もう一点留意すべきは契約上の制約から適さないと判断される場合である。前述のとおり契約期間や費用面で柔軟性に欠ける部分があるため、短期間試して合わなければすぐ解約…というわけにはいかない。経営状況が不透明で将来の収支見通しを立てにくい場合や、院長交代や事業再編など変動要因が大きい時期には、大きな固定費契約を増やすこと自体がリスクとなる。こうした場合にはまずは無料の予約システムや他社の短期プランで様子を見る選択肢もあるだろう。実際、「予約のデジタル化だけが目的ならEPARKでなくとも手段はある」という指摘もある。自院の課題が新患獲得よりも単に予約業務効率化だけであれば、低コストの汎用予約ツールで代替できる可能性もある。EPARK歯科はあくまで「集患支援もパッケージになったサービス」であることを念頭に置き、自院のニーズと合致しているかを見極めたい。

導入判断の指針(医院のタイプ別に考える)

医院の経営方針や診療スタイルによって、EPARK歯科予約管理システムがもたらす価値の感じ方は異なる。ここでは、いくつかのタイプの歯科医院を想定し、それぞれにとっての向き・不向きを考察する。

  1. 保険診療中心で効率最優先の医院:
    日々多数の患者をさばき回転率で勝負しているようなクリニックでは、EPARK歯科は「業務効率化ツール」としての価値が際立つ。電話予約対応を削減し、受付業務を可能な限り省力化することはスタッフ人件費の削減に直結する。特に患者数が多い分キャンセル数もそれなりに発生するため、リマインド機能でキャンセル率を下げ、空き時間を埋める効果も相対的に大きいだろう。分析機能で来院数やキャンセルの傾向を掴めれば、適切な人員配置や予約枠設定にも活かせる。経営指標の「見える化」は、多忙な保険診療中心の院長ほど得られる発見が多いはずだ。一方で、新患集客という点では既に多くの患者で賑わっている場合、それ以上は物理的に診療キャパシティの制約も出てくる。現在でも予約が取りにくい人気医院であれば、EPARK掲載によってさらに予約希望が増えても応えきれない恐れもある。患者にとっては「いつ見ても予約が埋まっている医院」という印象になるため、集患効果よりは院内業務の質向上を目的に導入を検討すると良い。費用対効果の面でも、わずかな時間短縮やキャンセル減少が積み重なることで十分ペイする計算になりやすい。

  2. 高付加価値の自費診療を強化したい医院:
    審美歯科やインプラント、矯正など自費率の高い治療に注力している医院にとって、EPARK歯科は「集患チャネル」としての意味合いが大きくなる。これら高付加価値診療は、新規患者の開拓が売上に直結するが、従来は紹介や広告による集客に頼っていたケースも多いだろう。EPARK掲載により、ウェブ検索経由で自費治療ニーズを持つ患者が直接アクセスしてくる可能性が高まる。例えば「〇〇市 インプラント」で検索した患者がEPARK経由で医院ページを閲覧し、そのまま相談予約を入れるといった流れが期待できる。また、EPARKのサイト内検索ではホワイトニング対応、セラミック治療実績あり等の条件で医院を絞り込めるため、自費メニューを探しているターゲット層にリーチしやすい。費用対効果の面でも、自費治療1件成約すれば数十万円の売上になることもあり、仮に月額数万円を支払っても十分お釣りが来る計算だ。その意味で、積極的に自費患者を増やしたい医院ほどEPARKのROIは高くなると考えられる。ただし留意点として、ポータルサイト経由の患者は医院との信頼関係がゼロからのスタートである。高額治療につなげるにはカウンセリングやフォローが重要であり、飛び込み新患をリピーター化する体制が整っていないと真価は発揮しにくい。EPARKはあくまできっかけ作りの場なので、その後の顧客体験をいかに設計するかが医院の腕の見せ所となる。

  3. 外科処置中心・紹介型の専門医院:
    口腔外科やインプラントセンター的に高度治療を提供し、多くは他院からの紹介や限られたルートで患者を受け入れている医院では、EPARKの導入判断は悩ましいところだ。紹介患者は最初から予約が埋まっているケースが多く、敢えてネットから不特定多数の予約を受け付ける必要性が低いからである。むしろ、専門性の高い処置では事前問診や診査が必要な場合もあり、患者がウェブ上で勝手に予約を入れる形が望ましくないこともある。しかし一方で、地域の患者に門戸を広げる意味でポータルサイトに情報を出しておきたいというニーズも考えられる。例えば「親知らずの抜歯専門」「静脈内鎮静法対応」など特殊技術をアピールすれば、該当ニーズの患者が直接来院を希望するケースもあるだろう。そのように専門性を武器に集患したい意図があるなら、EPARKは有効なプラットフォームとなる。費用対効果の観点では、前述のように1件の高度治療で大きな売上が立つので、一人でも多く適応患者を集められれば費用以上のリターンが得られる計算だ。ただし、予約の受け付け条件は慎重に設計すべきだ。術前検査や紹介状の確認が必要な場合、ネット予約時にその旨を伝える文面を工夫したり、予約確定までワンクッション置く設定(仮受付)にすることもできる。総じて、専門特化型の医院ではEPARKは諸刃の剣になり得る。集患には寄与するが、本来の紹介ルートとのバランスや予約管理上の特別な配慮が必要となるため、導入にあたっては運用フローを慎重にデザインしよう。

以上、医院のタイプ別にEPARK歯科システムの有用性を考察した。自院がどのタイプに近いかを踏まえ、それぞれの期待効果と注意点を比較検討すると判断材料が明確になるだろう。

結論:明日からできる一歩と導入後に得られる未来

予約管理をデジタル化しポータルサイトでの集患も可能にするEPARK歯科のシステムは、うまく活用すれば医院の診療スタイルと経営を一段階ステージアップさせる可能性を秘めている。紙の予約帳と電話に追われていた日々から脱却し、空いた時間で患者コミュニケーションや診療の質向上に充てられるようになるだろう。キャンセルに悩まされていた医院では実際にキャンセル率が低下し予約の埋まり方が改善したという声もある。何より、「ネットから簡単に予約できる歯医者」は患者にとって便利であり、その利便性が医院選びの大きなポイントとなる時代になってきている。EPARK歯科を導入することは、その波に乗り遅れず患者本位のサービスを提供することにつながる。

もっとも、導入すれば魔法のように全ての悩みが解決するわけではない。集患効果は地域や医院努力によって差が出るし、院内の運用改善も伴わなければ十分な成果は得られないだろう。しかし、本稿で述べたようなポイントを押さえ工夫していけば、投資に見合う確かなリターンが期待できる。「予約の取りこぼしが減って忙しいのに余裕が生まれた」「データ分析のおかげで経営会議が論理的になった」という声が、将来あなたの医院から聞かれるかもしれない。

まずは明日からできる一歩として、EPARK歯科の導入相談を検討してみてはいかがだろうか。公式サイトから問い合わせをすれば、詳細なプラン説明や見積もりを提示してくれる。できれば複数年契約前提ではなく試用的なプランが提案できないか、交渉してみるのも一手だ。また、既にEPARKを利用している近隣の歯科医院があれば率直な感想を聞いてみるのも良いだろう。可能であれば見学をお願いし、現場スタッフがどのように操作し患者さんに案内しているか直接確かめる機会を持てればベストだ。さらに、導入を決めたなら自院の強みや課題をリストアップしておき、営業担当に伝えることをお勧めする。例えば「若い患者を増やしたい」「キャンセルが多いのを何とかしたい」等、目的を明確に共有すれば、それに沿った設定や活用法の提案を受けられるだろう。

デジタル化と患者サービス向上の両立は、これからの歯科医院経営において避けて通れないテーマである。EPARK歯科の予約管理システムはそのための有力なソリューションであり、本記事が読者の先生方にとって導入判断の一助となれば幸いである。

よくある質問(FAQ)

Q. EPARK歯科の予約管理システムの料金はいくらくらいかかるのか?
A. 料金は医院の規模や契約内容によって異なるが、月額固定で数万円程度のプランが提示されるのが一般的である。例えば標準的なプランで月3~4万円前後と言われている。初期費用はキャンペーン等で無料の場合もある。正確な金額はEPARK歯科に問い合わせて見積もりを取る必要がある。なお短期契約より年間契約の方が割安になる傾向があるが、年契約では一括前払いが求められるケースもあるので注意したい。

Q. 自分のクリニックのレセコンや電子カルテとちゃんと連携できるか?
A. 多くの場合は主要なレセコンとデータ連携が可能である。EPARK歯科側で各社システムに対応した連携ツールを用意しており、患者基本情報や予約情報を相互に同期できる仕組みだ。具体的な対応可否はクリニックで使っているソフトの種類によるため、導入前の打ち合わせで使用中のシステム名を伝え、連携実績や設定方法について確認すると良い。連携が難しい場合でも、予約システム単体で患者管理まで完結できるよう設計されているので、最悪連携なしでも支障なく運用は可能である。

Q. 年配の患者が多くネット予約に対応できるか不安だが、導入する意味はあるか?
A. 高齢の患者が多い場合でも、ネット予約に慣れた世代(例えばそのご家族や若年層の新患)が一定数いれば導入の意味はある。高齢者自身は電話予約を従来通り受け付け、スタッフが代行入力する形で運用可能だ。重要なのは予約を一元管理することであり、電話受付分も含めスタッフがすべてシステムに入力する運用にすれば、紙帳簿を併用するより効率化できる。また将来的に患者層が若返った際にいつでもネット予約移行できる下地を作っておく意味もある。ただし患者層によっては費用対効果が低くなる可能性もあるため、現在の予約方法の内訳(何割が電話か等)を見極めて判断すると良い。

Q. 導入後、もし使いこなせなかったり効果が出なかった場合に途中解約できるのか?
A. 契約期間内の途中解約自体は可能だが、支払い済みの料金の返金は基本的にないとされる。複数年契約の場合、一括前払いなら尚更で、途中で辞めても残期間分の費用は戻らない。契約前に解約条件についてよく確認し、不安であれば最短期間の契約から始めることを検討したい。導入後一定期間は効果が見えにくい場合もあるが、EPARK側もサポート体制を整えているため、すぐに諦める前に担当者に相談して運用改善のアドバイスを受けることをお勧めする。また、どうしても効果に疑問を感じる場合は、契約満了のタイミングで他のシステムへの切替えや、EPARKのプラン見直し(ライトプランへの変更等)を検討するのも一策である。

Q. 患者情報のセキュリティやプライバシーは大丈夫なのか?
A. EPARK歯科のシステムは医療情報を扱うサービスとして、通信の暗号化やデータセンターでの厳重なセキュリティ管理を行っている。運営会社のエンパワーヘルスケア株式会社は医療分野で多数のITサービスを運営する実績があり、プライバシーマークも取得済みで個人情報保護には注力している。ただし、クラウドサービスである以上データは外部サーバーに保存されるため、院内サーバー管理に比べ絶対安全とは言い切れない面もある。患者から同意を得た上でシステムを利用し、万一情報漏洩などの事故が起きた場合の対応責任について契約書で確認しておくと安心だ。現時点でEPARK歯科に関する大きな情報漏洩事故は報告されていないが、医院としても強力なパスワード設定やアクセス権限の適切な管理など基本的なセキュリティ対策を講じておくべきである。