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メドレーの歯科レセコン「Dentis(デンティス)」とは?評判・口コミや価格、使い方を解説

メドレーの歯科レセコン「Dentis(デンティス)」とは?評判・口コミや価格、使い方を解説

最終更新日

歯科医院の日常業務には、診療後のレセプト点検や煩雑な予約管理など、診療以外に多くの時間が割かれている現実がある。ある院長は、診療後にスタッフと残業して紙カルテを整理しながら、「もっと患者に向き合う時間が欲しい」と嘆いた経験があるかもしれない。あるいは別の先生は、古いレセコンと別々の予約システムを使いこなすうちに、画面切り替えに手間取り患者を待たせてしまったことに頭を抱えたことがあろう。Dentis(デンティス)は、こうした臨床現場の悩みを解決し、医院経営にもプラスとなるクラウド型の歯科業務支援システムである。本稿では、その特徴を臨床的価値と経営的価値の両面から詳しく分析し、導入後の成功イメージを具体的に描いてみたい。

Dentisの概要(クラウド歯科業務支援システム)

Dentis(デンティス)は、株式会社メドレーが2022年に提供を開始した歯科医院向けのクラウド型業務支援システムである。電子カルテとレセプトコンピューター(レセコン)の機能を一体化し、予約管理やオンライン診療、会計までを含めて歯科診療に関わる業務をトータルに管理できる点が最大の特徴である。正式名称は「Dentisクラウド歯科業務支援システム」であり、ソフトウェア単体で提供される医療ITシステムである(医薬品医療機器等法の医療機器には該当しない業務用ソフトである)。想定される適応範囲は一般歯科診療所全般で、保険診療から自費診療、訪問診療の会計や介護保険レセプトまで幅広く対応している。

従来、歯科医院ではレセコン(保険請求計算ソフト)と電子カルテが別々のソフトで提供されることが多く、さらにWeb予約や患者へのリコール連絡はまた別サービスに頼るケースもあった。Dentisはそれらを統合したオールインワンのクラウドサービスとして設計されている。院内に専用サーバを置く必要がなく、インターネットに接続できるPCやタブレットがあれば利用可能である。複数のユニットや診療スタッフがいる医院でも、クラウド上の1つのシステムに同時アクセスできるため、カルテの入力待ちや情報共有の遅れが生じにくい。また、歯科医院と患者をオンラインでつなぐ様々な機能を備え、「業務効率化」と「患者とのつながり強化」の双方を実現する次世代型システムとして注目されている。

Dentisの主要な機能と特徴

Dentisが提供する主な機能とスペックを、臨床面・経営面での意味合いとともに解説する。

レセコンと電子カルテが一体化したオールインワン設計

Dentis最大の特徴は、歯科医院に必要な機能を一つのシステムに統合している点である。レセコン(保険請求)、電子カルテ、予約管理、患者情報管理、会計処理、さらにWeb予約やオンライン診療、決済といった機能まで網羅しており、従来は複数のシステムや手作業で対応していた業務を一元化できる。例えば、受付から診療記録入力、会計処理、レセプト作成までがDentis上で連続して行えるため、別ソフトへの二重入力や紙台帳への転記が不要になる。臨床現場では、スタッフがシステム間の移動に煩わされず本来の業務に集中でき、ヒューマンエラーのリスクも減少する。経営面でも、システムを一つにまとめることで重複投資を避け、保守契約窓口も一本化できるため、トラブル対応の混乱や管理コストの削減につながる。

直感的で誰にでも使いやすいUIデザイン

ITに不慣れなスタッフでも使いこなせる直感的な操作性もDentisの大きな魅力である。PCはもちろん、タブレットやスマートフォンのブラウザからもアクセスでき、どの端末でも一貫した分かりやすい画面レイアウトが提供される。例えば、Dentisのカルテ画面では患者情報と処置記録が一画面にまとめて表示され、必要な情報を俯瞰しながら入力できる。タッチ操作にも対応したシンプルなUIにより、操作手順がわかりやすく、新人や業界未経験の受付スタッフでも短時間で習熟可能であるとされる。この使いやすさは臨床現場のストレスを減らし、スタッフ教育にかかる負担も軽減する。実際にDentisを導入したある法人では、医療業界未経験の受付スタッフから「直感的に操作できる」と好評だったという声もある。誰もがスムーズに扱えるシステムであることは、医院全体の生産性向上に直結する重要な要素である。

患者とつながる多彩なクラウド機能

Dentisは患者とのコミュニケーション強化につながる機能を標準で備えている。具体的には、Web予約機能により患者自身が24時間オンラインで予約を取れるようになり、電話対応の手間を減らすとともに新患獲得のハードルを下げる。Web問診票に対応し、来院前に患者にスマートフォン等で問診入力してもらうことも可能である。さらに、Medley社が運営する患者向けアプリ「CLINICS」と連携しており、オンライン診療(歯科遠隔相談)の実施や、キャッシュレス決済への対応もDentis内で完結する。例えば保護者が忙しくて通院が難しいケースでも、オンラインで経過観察の相談を受けたり、遠隔地の患者に初期カウンセリングを提供したりといった新しい診療形態を取り入れやすい。会計面でもクレジットカード等によるキャッシュレス決済に対応し、患者の会計待ち時間短縮と満足度向上が期待できる。これらの機能により、Dentisは患者の医療体験を向上させ、予防中心のこれからの歯科医療において患者の定着率(リコール率)向上にも寄与する。実際に「オンライン予約機能の活用で新規患者の予約数が増加した」「オンライン診療により患者がわざわざ来院しなくても済むようになった」といった声もあり、患者サービスの充実が医院の成長につながることを示唆している。

クラウドならではの情報共有と拡張性

クラウドシステムであるDentisは、複数の診療拠点や在宅診療との連携でも力を発揮する。インターネット経由で院外からでもカルテにアクセスできるため、在宅訪問診療の先でタブレットからカルテ記入を行い、院内と情報共有するといった運用が可能である。また、同一法人内の複数歯科医院でDentisを導入すれば、院間で患者情報や売上データを一元管理でき、法人全体でのデータ分析や標準化も進められる。Dentisにはデータ分析機能も備わっており、患者動向や診療内容の統計、日計・月計表の自動出力など経営管理に役立つレポートを得られる。これは、各医院から紙の報告を集計していた手間を省き、数字に基づく経営判断を迅速にする。またDentisはクラウドサービスとして常に機能拡張が続けられており、法制度の変化(診療報酬改定やオンライン資格確認の導入など)にもアップデートで対応する。例えば新たな算定要件や帳票類が発生しても、Dentis側でシステム更新されるため、ユーザーは煩雑なバージョンアップ作業や追加費用負担を気にせず最新の機能を使い続けられる。将来的な機能追加も見込める拡張性は、長期にわたり医院運営を支えるパートナーとして重要なポイントである。

高水準のセキュリティと信頼性

クラウド型で患者情報を扱う上で気になるセキュリティ面も、Dentisは高度な対策を施している。通信はすべて暗号化され、多要素認証(二段階認証)のログインやアクセス権限の細かな設定に対応することで、不正アクセスや情報漏洩のリスクを低減している。またデータはクラウド上で自動バックアップされており、地震や火災など院内の災害でサーバが破損するといった事態でも、データ消失のリスクを最小限に抑えている。Medley社によれば、Dentisは国際的なクラウド情報セキュリティ規格であるISO/IEC 27017およびISO/IEC 27001の認証を取得済みであり、業界水準に沿った安全管理措置が講じられている。これは患者の個人情報を預かる医療機関にとって安心材料である。さらにDentisはオンライン請求(電子レセプト請求)に対応したレセコン機能を持ち、カルテ記入時のリアルタイム点検や月次のレセプト一括チェック機能も搭載する。これにより、保険請求漏れや入力ミスをシステムが自動検出し、レセプト返戻の防止に役立つ。正確な請求業務は医療収入の確保に直結するため、信頼性の高いレセコン機能を備えるDentisの価値は大きい。

Dentisの導入方法と他システムとの互換性

必要なシステム環境とセットアップ

Dentisを利用するには、インターネット接続環境とブラウザが動作する端末(PCやタブレット)が必要である。推奨される端末はWindowsまたはMacの最新OSを搭載したパソコン、もしくは最新世代のiPadなど高性能なタブレットである。特別な専用機器や院内サーバーは不要で、ソフトウェアはクラウド上で提供されるため、導入時には物理的な設置工事も発生しない。契約後に発行されるログイン情報を用い、各端末からWebブラウザでDentisのクラウドサービスにアクセスして使用を開始する形になる。初期設定として、医院情報や診療科目、保険施設コードなどを登録し、必要に応じて診療報酬の算定チェック条件や予約枠のテンプレート等をカスタマイズする。これらの初期設定やマスタ登録は、導入支援としてメーカー側スタッフがサポートしてくれるので安心である。実際の診療開始までにスタッフ全員がログインし、テスト患者でカルテ入力や予約登録を練習する期間を設けるとスムーズに移行できる。

既存システムからのデータ移行と連携

現在使用中の他社レセコンや電子カルテからDentisへ乗り換える場合、患者基本情報や保険証情報といったデータの移行をどう行うかが課題となる。Dentisでは、一般的に患者マスターデータをCSV形式などで取り込み可能なため、旧システムからエクスポートできれば基本的な情報は引き継げる。ただし診療録(カルテの文章)や画像データの細かな部分は完全には移行できないことも多く、過去のカルテはPDF出力して院内保管しつつ、新システム稼働後は新規分からDentisで記録していく形が現実的である。移行のタイミングとしては、診療報酬改定直後や決算期末を避け、比較的落ち着いた時期に切り替えるのが望ましい。メドレー社もデータ移行について相談に乗ってくれるため、事前に旧システムのデータ形式や量を伝え、最適な移行方法を検討するとよい。

Dentis自体は他の院内システムとの連携インターフェースも備えている。例えば、会計ソフト(財務会計システム)との連携が可能で、Dentisのデータを出力して税理士や経理担当者と共有する運用ができる。また、厚生労働省推奨のオンライン資格確認システムとも連携しており、患者のマイナンバーカードを用いた保険資格確認にも対応している。必要な端末(カードリーダーや顔認証付き端末)を設置すれば、Dentisからオンライン資格確認の結果を取得し、保険証の種別や負担率を自動反映させることが可能である。画像診断装置とのデータ連携も一部可能で、デジタルレントゲンや口腔内写真の保存先としてDentisのクラウドストレージを指定すれば、撮影画像が自動で患者情報に紐付け保存される仕組みも利用できる(ただしメーカーによっては未対応の場合や、連携に別途費用がかかる場合がある)。このようにDentisは他システムとの橋渡しにも配慮されており、既存の院内ワークフローに組み込みやすい柔軟性がある。

運用時の注意点とサポート体制

クラウドサービスであるDentisの安定稼働には、何よりもインターネット接続の安定性が重要である。もしネット回線がダウンすれば、一時的にカルテ閲覧や入力ができなくなるため、インターネット環境には信頼性の高い回線を用意したい。バックアップとして別回線やテザリングできるモバイルルーターを用意しておけば、万一の通信障害時にも業務継続がしやすい。またDentis自体はクラウド上で複数のデータセンターにより冗長化されているが、院内の通信機器(ルーターやWi-Fi)のトラブルにも備えて、UPS(無停電電源装置)の導入や定期的な機器点検を行うことが望ましい。システムの反応速度については、基本的に高速に動作するが、大容量の画像ファイルをアップロードする際などはネット回線の速度に依存する。実際、「インターネット状況によっては操作反応がやや遅れることがある」との口コミもあるため、光回線など高速回線の利用や院内LANの最適化を図り、環境を整えることが快適な運用のポイントである。

Dentis導入にあたってのサポート体制も充実している。メドレー社のDentis事業推進チームが、導入前のヒアリングから運用開始まで伴走し、操作説明や初期設定を手厚くサポートする。また導入後も専用のサポート窓口が用意されており、システムの使い方やトラブル時の相談ができる。クラウド型なので、ソフトのアップデートは自動で行われ、ユーザー側で煩雑なインストール作業をする必要はない。定期的に機能拡張や不具合修正がリリースされるが、その情報も公式サイトの「お知らせ」やメール等で適宜通知される。新機能の活用方法については、Dentisユーザー向けのオンラインセミナーやマニュアル資料が提供されており、スタッフ研修に活用できる。使い方のコツや他院の活用事例は公式ブログでも紹介されているため、導入後も情報収集しながら運用の質を高めていける環境が整っている。

Dentis導入による経営インパクト

導入費用とランニングコスト

Dentisの価格体系は、初期費用と月額利用料から成る。初期費用は500,000円(税抜)で、これはシステム設定や導入支援を含む一回きりの費用である。月額利用料は医院あたり40,000円(税抜)となっており、この中にはレセコン・電子カルテの基本機能に加え、Web予約やオンライン診療、分析機能などDentisの標準機能がすべて含まれる。デジタル文書管理などの「サブカルテ機能」についても、基本プランに組み込まれて提供される形である(場合によってはオプション扱いとなる契約形態もあるが、2025年現在ではトータルパッケージとして提供されている)。SMSリマインド機能を使う際の通信料(1通20円)など、一部従量課金の要素はあるものの、基本的には月額定額制でシステムを利用できる。

この価格設定を経営面から見ると、旧来のオンプレミス型レセコンに比べ初期投資は抑えめで、ランニングコストとして毎月費用計上するサブスクリプションモデルといえる。例えば、あるメーカーの従来型レセコンでは数百万円の導入費と年間保守料が必要だったり、5〜7年ごとにハード更新費用が発生したりするケースもある。それと比べDentisは長期のリース契約に縛られずに済み、法改正時の追加費用も原則不要である点で、費用予測が立てやすい利点がある。ただし、一部のユーザーから「導入時の初期費用が高い」と感じるという口コミも聞かれる。実際、500,000円という初期費用は小規模開業医にとって決して軽い出費ではないだろう。しかしDentisの場合、この初期費用にはスタッフ向けの研修サポートやデータ移行支援なども含まれており、円滑な立ち上げのための投資と位置付けられる。長期的に使えばシステム更新費もかからないため、数年スパンで見ればトータルコストはむしろ割安になる可能性も高い。費用対効果を判断する際は、初期費用単体ではなく、Dentisがもたらす効率化によるコスト削減や収益増加まで含めて検討することが重要である。

時間コストの削減と人件費への効果

Dentis導入によって期待できる最大の経営効果の一つは、業務時間の短縮による人件費コストの改善である。紙カルテ運用や分散したシステム運用では、診療前後に発生する書類準備やカルテ出し入れ、レセプト点検作業などに多くのスタッフ時間が取られていた。Dentisでペーパーレス・一元化を実現すれば、そうした付随作業のかなりの部分が不要になる。実際にDentisを開業当初から導入したある歯科医院では、「紙のカルテ整理や終了時のファイル片付けを無くすことで1日あたり約1時間の業務時間を削減できた」と報告されている。仮に1日1時間の短縮でも、月に20診療日で20時間、年間にして240時間に及ぶ。この時間を患者対応や技術研鑽に充てたり、スタッフの残業を減らすことで人件費削減につなげたりできれば、経営的メリットは大きい。特に小規模な医院では、効率化により少人数スタッフでも医院運営が可能となり、新たに人員を増やさずに済む効果もある。受付事務専任のスタッフを一人減らせれば、その人件費はDentisの月額費用の何倍もの削減になる可能性もある。Dentisは業務効率化によって「時間」という資源を生み出し、それを診療本来の価値創造に再配分することを可能にする。これは目に見えづらいが確実なROI(投資対効果)の源泉である。

増患・増収への寄与と投資回収シミュレーション

Dentisのもたらす効果はコスト削減だけでなく、収益拡大のチャンス創出という形でも表れる。例えば、オンライン予約に対応したことで新患数が増えたという導入クリニックの声がある。従来、診療時間外や電話がつながらないことで機会損失していた潜在患者が、Web予約により来院につながるケースが増えると、そのまま収入増加につながる。仮にオンライン予約で月に数名でも新患が増加し、その中から自由診療につながる患者が現れれば、Dentisの月額費用は十分回収できるだろう。また、Dentisのリコール(定期検診案内)機能やメッセージ配信機能によって来院間隔が延びていた患者の呼び戻しが実現すれば、定期メンテナンス患者の増加=安定収益の底上げとなる。患者満足度の向上も長期的な増患効果を生む。院内のデジタル化が進みサービスが洗練されることで、「あの歯科医院は対応がスムーズで安心だ」と評判が広まり、紹介患者が増えることも期待できる。

ROIの観点から、Dentis導入による費用対効果の簡易試算をしてみよう。仮に月額40,000円のコストに対し、Dentis導入で月20時間の余剰時間が生まれたとする。もしこの20時間で追加の予約枠を設けて患者を診療すれば、たとえ1時間に1人のペースでも月20人の診療機会が増えることになる。1人あたり平均3,000円の保険点数収入でも月60,000円、自由診療であれば1人数万円のこともあるため、十分に投資を上回るリターンを得られる計算になる。また、残業20時間分が減りスタッフの超過勤務手当が減少すれば、その節約分も実質的な収益改善である。初期費用の500,000円についても、例えば5年間で減価償却すると月8,300円相当になるが、前述のような効果を踏まえると遅くとも数年以内に投資回収は可能だろう。もちろん、増患効果や効率化の度合いは医院の規模や方針によって変動するため、具体的な数値は各医院で見積もる必要がある。ただ、Dentisが単なる経費ではなく、収益改善プロジェクトへの投資であるという捉え方をすれば、その導入判断はより前向きなものになるはずである。

長期的なリスク低減と間接効果

Dentis導入には、金銭面以外にも経営リスクを減らす効果がある。例えば情報管理リスクの低減だ。紙カルテ運用では、紛失・破損や誤ファイリングによる事故のリスクが常につきまとっていた。Dentisで全ての記録や資料をデジタル管理すれば、ヒューマンエラーによる重大インシデント(カルテ紛失や取り違え等)のリスクは大幅に低減する。これは医療訴訟リスクの軽減にもつながり、万一の際も電子記録が整然と残っていることで適切な対応が可能になる。また診療品質の平準化という効果も見逃せない。Dentisのシステム上で診療プロセスが標準化され、リアルタイムに他スタッフとも情報共有されることで、院内のチーム医療が円滑になりケアの抜け漏れが減る。結果として再治療やクレーム対応などにかかる無駄なコストも防げる。さらに、Dentis導入は医院のブランディングにも寄与する側面がある。患者目線では、オンライン予約や電子問診票、スムーズな会計といった「デジタルで便利な歯科医院」は信頼感や先進性のイメージにつながる。自由診療重視のクリニックであれば、デジタル活用は付加価値の演出にもなるだろう。このようにDentisは直接的な費用対効果のみならず、医院経営を中長期で支える様々なプラス効果をもたらす。その点を総合的に評価すれば、Dentis導入はROIの高い戦略的投資であると結論付けられる。

Dentisを使いこなすポイント

Dentisを真に活用するには、単にシステムを導入するだけでなく、院内の運用フローやスタッフ教育にも工夫が必要である。ここではDentis導入初期から日常運用までの使いこなしのポイントをいくつか紹介する。

導入初期:段階的な移行とスタッフ研修

Dentis導入が決まったら、まずは現行業務とのギャップを埋める準備が重要である。紙カルテから移行する場合、過去カルテの扱いを決めておき、必要なら一定期間は紙とDentisを並行利用しながら徐々に完全移行する方法も検討する。またスタッフ全員に新システムへの心理的抵抗がないよう、導入前から説明会やデモを行い、触れてもらう機会を作るとよい。メドレー社のサポートスタッフが操作説明をしてくれるが、院内にも「Dentis担当者」を決めておき、その人物が社内トレーナー役となって他のスタッフをフォローする体制を取るとスムーズだ。スケジュール的には、例えばレセプト請求が終わった直後のタイミングでDentis本稼働を開始し、1〜2週間は操作に慣れるため余裕を持った予約枠設定にするのがおすすめである。最初の数日は若干戸惑いが出るかもしれないが、わからないことはすぐサポートに問い合わせて解決する姿勢が大切だ。メーカーから提供されるマニュアルやオンラインヘルプも充実しているので活用し、院内で操作手順書を簡単にまとめておくのも有効である。

日常運用:機能をフル活用し業務フローを再構築

Dentis導入後は、従来のアナログ作業をデジタルに置き換えるだけでなく、業務フロー自体をDentisに合わせて再構築する意識を持とう。例えば予約受付はすべてDentis上で行い、電話予約もリアルタイムにDentisのスケジュールに入力する運用に切り替える。患者からの電話でも「Web予約も可能です」と案内し、徐々に患者自身がオンラインで予約を取る比率を高めていくと、受付負担が減り効率的である。問診も紙ではなくDentisのWeb問診を使うよう誘導する。初診時に患者にQRコードやURLを送り、スマホで事前回答してもらう仕組みを取り入れれば、来院時の記入待ち時間も減って双方にメリットがある。院内での情報共有もDentis上で行う文化を醸成したい。サブカルテ機能を用いて、その日の症例のレントゲン画像や院長コメントをスタッフ全員が閲覧できるようにしたり、申し送り事項をチャットのようにDentis内に記録したりすることで、口頭伝達ミスの防止や属人化の解消につながる。また、カルテ入力のタイミングをチェアサイドで完結させるのもDentis活用のポイントだ。ユニットにタブレットを用意し、処置後すぐにカルテ記入と次回予約までDentisで済ませてしまえば、患者は受付に戻ってから会計するだけで良くなる。実際にDentis導入医院では、チェアサイドで次回予約を取り、受付では自動精算機に診察券をかざして会計終了という流れを実現している。Dentisと自動精算機を連動させれば、受付スタッフが会計に追われる時間も削減でき、患者の待ち時間短縮にも直結する。このようにDentisの各機能をフルに活用することで、これまで当たり前と思っていた無駄な作業を次々と省くことが可能になる。

患者への周知とデジタル導入のフォロー

Dentisの機能を活かすには、患者側への説明や協力も大切である。例えばWeb問診やオンライン診療を始める際には、受付や院内掲示で患者に分かりやすく案内し、使い方をサポートすることが必要だ。高齢の患者にはスタッフがタブレットを持って一緒に入力補助をするなど丁寧なフォローを心がけると、デジタルに不慣れな方でも安心して利用できる。予約システムを移行した際も、「次回からは電話なしでも24時間予約できます」とメリットを伝え、徐々に浸透させると良いだろう。患者からするとシステム変更は戸惑うこともあるため、「医院のサービス向上のため最新システムを導入しました」とポジティブに知らせ、意見があれば聞き取って改善に活かす姿勢も重要である。またDentisと連携する患者向けアプリ(CLINICS)を案内すれば、患者は診療履歴の閲覧やスマホ決済なども自身で行えるようになる。希望者にはアプリの登録方法を説明してあげると、結果的に患者の利便性向上と医院側業務負担減少の双方につながる。デジタル化は患者との協働作業でもあることを意識し、双方向でメリットが享受できるようコミュニケーションを図りたい。

継続的な評価と改善サイクル

Dentisを導入して終わりではなく、その後も定期的に活用状況を見直し、さらなる改善につなげる姿勢が医院経営には求められる。Dentisの分析機能で月次の患者数や処置内容の傾向を確認し、効率化できていない業務が残っていないか振り返る。例えば、未だに紙で管理しているもの(患者への説明同意書など)があれば、サブカルテにテンプレートを登録してデジタル化することを検討する。アップデートで追加された新機能のアナウンスには常に目を通し、自院に有用そうなものは積極的に取り入れる。またスタッフからの声を集め、「もっとこう使いたい」といった現場の工夫があればどんどん試してみる。その意味で、Dentis導入は院内DX(デジタルトランスフォーメーション)のスタートと位置付け、継続的に改善していくプロジェクトと捉えるとよい。メドレー社のカスタマーサクセス担当とも定期的に情報交換し、他院の活用事例やベストプラクティスを教えてもらうことも有効だ。同じシステムを使う全国の歯科医院の知見を取り入れながら、常に運用のブラッシュアップを図ることで、Dentisの価値を最大限引き出すことができる。

Dentisが適するケース・適さないケース

あらゆる優れた製品にも向き不向きがあるように、Dentisもまた、その特長を活かせる診療スタイルと、逆に導入しても十分活用しにくいケースが存在する。自院の状況と照らし合わせ、Dentisが「得意とするケース」か「慎重な検討が必要なケース」かを見極めることが大切である。

まず、Dentisが真価を発揮するのはデジタル化と効率化を強く求める医院である。具体的には、複数ユニットやスタッフを抱える中規模以上の歯科医院で、日々の患者数や事務作業量が多い場合だ。そうした環境ではDentisの一元管理による省力化効果が大きく、一日に数十人分のカルテ出納やレセプト作業が削減されれば、スタッフの負担軽減と患者回転率向上につながる。また法人経営で複数クリニックを運営しているケースでは、Dentisによるデータ共有や標準化のメリットが際立つ。離れた地域にある医院でもクラウド上で情報を統合し、本部から各院の経営状況をリアルタイムに把握・指導できるため、グループ全体での戦略的運営が可能になる。さらに、最新の患者サービスを提供したい自費診療中心のクリニックにもDentisは向いている。例えば自由診療主体の審美歯科や矯正歯科では、患者体験が評価に直結する。Web予約やオンライン相談、洗練されたデジタル記録管理は、付加価値として患者満足度を高め、高額治療への信頼感醸成に寄与するだろう。実際に30年使い続けた旧システムからDentisへ切り替えた医院長が「次世代歯科経営の選択」と評したように、現状を打破し未来志向で経営改革したい医院にとって、Dentisは強力な味方となる。

一方で、Dentisの導入効果が相対的に小さい、あるいは導入に注意を要するケースも考えられる。まず、極端に小規模で患者数が少ない医院では、Dentisの高機能さを持て余す可能性がある。週に数日、1日数人程度しか診療しないような場合、月額40,000円のコストは割高に感じられ、シンプルな低価格レセコンや手書きカルテ+請求代行など代替手段の方が経済的かもしれない。また、インターネット接続環境が不安定な地域ではクラウド型システムの稼働リスクが高まるため注意が必要だ。例えば離島や山間部で頻繁に通信障害が起きるような場合、Dentis利用中にシステム停止しかねず業務に支障をきたす。オフライン時でも診療自体は続行できるよう紙の処置記録をとるなどの備えができるなら良いが、そうでないならオンプレ型(院内サーバ型)の方が安心という判断もあり得る。またITリテラシーが著しく低いスタッフしかいない環境では、Dentis導入がかえって混乱を招くリスクもある。高齢の歯科医師一人と補助者のみで運営しているようなケースで、本人たちがデジタル化に強い拒否感を持つ場合には、無理に最新システムを導入しても宝の持ち腐れとなるだろう。このように、Dentisは万能ではなく、医院の規模・方針・環境に応じて「合う」「合わない」の見極めが必要だ。合わないケースでは、例えば従来型レセコン+必要最低限のIT活用に留める選択も現実的である。一方で「今は合わない」と思える医院でも、将来的に診療方針転換や世代交代があればDentisが適合する可能性もあるため、状況の変化に応じて柔軟に検討したい。

医院タイプ別:Dentis導入の判断ポイント

Dentisが自院にマッチするかどうかを判断するにあたり、医院の診療方針や経営戦略によって着目すべきポイントが異なる。いくつか代表的な歯科医院のタイプごとに、Dentis導入のメリット・留意点を整理する。

保険診療が中心で効率最優先の医院

日々多数の患者を診察し、保険診療の回転率で経営を支えているようなクリニックでは、業務効率の向上が死活的に重要である。このタイプの医院にDentisは非常に相性が良い。カルテ・レセコン一体型のDentisなら、診療後に大量のレセプトチェックに追われる負担が激減し、月末のレセプト業務もシステム任せで漏れなく迅速に行える。患者一人あたりのチェアタイムを短縮し、スムーズな受付・会計で回転率を上げることにも寄与する。例えばユニット数5台・1日50人規模の医院で、Dentisによる効率化で1人あたり会計処理などの間接時間を1分短縮できれば、トータルで毎日50分の余裕が生まれる計算になる。その時間で追加の患者を診ることも、スタッフの休憩に充ててサービス品質を保つことも可能だ。経営的には人件費あたり生産性の向上につながり、低い保険点数単価の中でも利益率を維持しやすくなる。ただし、保険診療中心の医院は収益構造がタイトなため、月額40,000円のコスト負担を正当化するには相応の効率化効果を得なくてはならない。導入にあたってはDentisの省力化機能をフル活用し、最大限の業務削減を実現することが条件となる。また、スタッフ数が最小限でギリギリ回している医院では、導入初期の慣れない期間に業務が回らなくなるリスクもあるため、余裕を持った研修期間を確保することもポイントである。総じて、効率最優先の保険型医院にとってDentisは導入価値が高いが、費用対効果をシビアに見極め、準備を万全にして導入することが成功の鍵となる。

自費診療に注力した高付加価値型の医院

インプラントや審美、矯正治療など自由診療主体で、高付加価値の医療サービスを提供している医院では、Dentis導入は患者満足度とブランディング向上の文脈でメリットが大きい。自由診療の患者はクリニックの雰囲気や先進性にも敏感であり、Dentisを導入することで院内がデジタル化・スマート化されると、その洗練された印象は治療への信頼感につながる。例えば初診のカウンセリングから治療計画の説明までをDentis上で視覚的な資料(口腔内写真やレントゲン画像の比較)を示しながら行えば、患者は自身の口腔状態を深く理解でき納得感が増す。治療の過程や結果もサブカルテに経過写真を蓄積し、患者ごとにBefore→Afterをわかりやすく提示できれば、継続受診や他の治療オプション提案にも良い影響が出るだろう。また、オンライン診療機能は術後経過観察や遠方患者の相談に活用でき、きめ細やかなフォローアップが可能になる。経営的視点でも、自由診療は1件あたり利益が大きいため、Dentis導入コストは比較的容易に吸収できる。新たな自由診療メニューをオンライン相談経由で提供するなど、Dentisを収益拡大の武器として使うこともできる。例えばホワイトニング相談をオンラインで受け付け初診につなげる、術後のメインテナンス契約をシステムでリマインドしてリピート率を上げる、といった施策が考えられる。一方、高付加価値型医院では既にある程度IT化が進んでいる場合も多い。もし他社の高度なデジタルカルテや顧客管理システムを既に導入しているなら、Dentisへのリプレースは費用対効果を慎重に比較すべきだろう。自由診療特有の細かな同意書管理や画像解析ソフトとの連携など、Dentisに不足する機能がないかも検討が必要だ。しかし総じて、患者体験の質を上げたいという理念を持つ自費中心型医院にとってDentisはブランド価値と顧客ロイヤルティを高めるツールとなり得る。ROIを「患者生涯価値(LTV)の向上」と捉え、長期的視座で導入を検討するとよい。

外科処置・インプラント中心で高度医療を提供する医院

口腔外科手術やインプラント治療をメインとする専門性の高い医院では、扱う情報量や資料も膨大になりがちである。その点Dentisのデジタル情報管理能力は、大いに役立つはずだ。インプラント症例では術前のCT画像、サージカルガイドのプラン、術中写真、補綴物の設計図など、多様なデータが発生する。Dentisのサブカルテ機能を使えば、そうした画像・文書ファイルを患者単位でクラウド上に整理保管でき、必要なときに瞬時に取り出せる。紙のファイルに綴じ込んで分厚くなったカルテを捲る代わりに、画面上でカテゴリやタグ検索ですぐ目的の資料に辿り着けるため、術前カンファレンスや患者説明が効率化する。複数ドクターでチーム医療を行う場合も、Dentis上で情報共有することでメンバー間の認識齟齬が減り、安全性向上につながる。例えば埋入手術の日程や使用インプラントロット情報などをDentisに記録し、スタッフ全員がリアルタイムで把握できれば、準備漏れや連絡ミスといった人的エラーのリスクを抑えられる。また、専門性が高い故に患者が全国から来院するようなケースでは、Dentisのオンライン診療がアフターフォローに活躍する。遠方の患者が経過良好かヒヤリングし、トラブルがあれば早期に対処法を指示することで、患者満足と信頼を維持できる。経営的に見ても、インプラント1本の収益はDentisの年間コストを上回ることもある高額治療なので、Dentis導入は十分ペイすると言えよう。むしろ問題は高度専門医院ゆえの独自要件にDentisが応えられるかだ。例えば歯科用CTやCAD/CAMデータとの連携は、Dentis単体では難しく別途専用ソフトを使う部分が残るかもしれない。また全身管理が必要な静脈内鎮静下でのオペなどでは、バイタルサイン記録などDentisの範疇外の管理も重要だ。そうした専門領域は専用ツールに任せつつ、Dentisはあくまで患者管理と一般歯科業務の基盤として割り切る運用が現実的である。結論として、外科・インプラント系医院にDentisは有用だが、全てをDentisに置き換えるのではなく、適材適所で活用することがポイントとなる。例えば「日常の一般診療と患者管理はDentisで効率化し、専門処置部分は別システムと併用する」といった具合に、自院の運用フローに合わせてDentisの役割を定義すると良いだろう。

結論:Dentis導入で何が変わるのか

紙カルテからデジタルカルテへ、分散システムからオールインワンシステムへと移行するDentis導入は、単なるツールの切り替えではなく歯科医院の診療と経営の質を底上げする一歩である。Dentisを導入すれば、院長やスタッフが本来注力すべき診療や患者コミュニケーションにより多くの時間と労力を割けるようになる。患者側にとっても、待ち時間が短く説明は分かりやすく、デジタルで便利な医院という印象が残り、信頼関係の強化につながる。ひいては予防中心のこれからの歯科医療において、患者と長期的な関係を築き、医院経営を安定・発展させる基盤をDentisは提供してくれる。

もちろん、新システム導入には誰しも不安が伴う。初期費用やスタッフ教育への懸念、そして本当に費用に見合う効果が出るのかという疑問もあるだろう。しかし、本記事で見てきたように、Dentisの導入事例では具体的な効率化成果や患者数増加といった成果が報告されている。20年以上の臨床経験を持つ歯科医師の目から見ても、Dentisがもたらす時間短縮・ミス防止・患者満足度向上の効果は、決して小さくないと感じる。それは医院にとって大切な「もうひとりのスタッフ」を雇ったのと同じくらいの価値があるかもしれない。

Dentis導入によって何がどう変わるか、その答えは各医院ごとに異なるだろう。ただ共通して言えるのは、煩雑な業務に追われていた日々から解放され、より戦略的で患者本位の歯科医療に専念できる環境が手に入るということだ。明日からできる次の一手として、まずはDentisの公式サイトから資料請求やオンラインデモを申し込んでみてはいかがだろうか。実際に画面を操作し、自院のフローに当てはめてイメージすることで、スタッフと共有すべき具体的な疑問点も見えてくるはずである。可能であればDentisを既に導入している知人の医院を見学し、生の声を聞いてみるのも良いだろう。投資対効果を最大化する製品選定には慎重さが求められるが、行動を起こさなければ何も変わらない。Dentisはデモ環境での体験や相談も気軽に応じてくれるため、まず一歩踏み出し「未来の歯科医院」の姿を自身の目で確かめてほしい。それが、貴院にとって最適な経営判断への第一歩となるはずである。

Dentisに関するよくある質問

Dentis導入時に研修やサポートは受けられるか?

はい。Dentisでは導入契約後、メドレー社の担当スタッフが医院と二人三脚で準備を進めてくれる。初期設定やマスタ登録はもちろん、操作トレーニングも院内で実施され、スタッフが自信を持って使い始められるまで丁寧に支援する体制である。導入後も専用のサポート窓口があり、電話やメールで質問やトラブル相談が可能なので安心である。

インターネットが不通になった場合、診療は継続できるか?

Dentisはクラウドサービスのため、院内のインターネット接続が不通になるとシステムにアクセスできなくなる。この場合、一時的に電子カルテ機能等は利用できないため、紙のカルテ用紙に記録して後でDentisに転記するなどの対応が必要になる。重要なのは予めネット障害時の手順を決めておくことと、可能であればバックアップ回線を用意しておくことである。例えば予備のポケットWi-Fiを準備しルーター障害時に切り替える、あるいはスマートフォンのテザリングで一時的にネット接続を確保する方法がある。またDentis側のクラウドがダウンする事態は極めて稀だが、万一広域の障害が発生した際にはメドレー社からの復旧情報に従い、必要に応じて診療スケジュールの調整等を行うことになる。総じて、ネットワーク冗長化などの備えをしておけば、通信障害時のリスクは最小限に抑えられる。

現在使用している他社レセコンからDentisへデータ移行はできるか?

部分的には可能である。患者基本情報(氏名・連絡先・保険情報など)は、旧システムからCSV等でエクスポートできればDentisにインポートして引き継げる。ただ、カルテの診療記録内容や画像データはフォーマットの違いもあり、自動移行は難しいことが多い。そのため過去のカルテデータはPDF化して保存し、Dentisには新患分や継続患者の必要事項のみ登録して運用開始するケースが一般的である。メドレー社も移行作業について相談に乗ってくれるので、移行したいデータ種類と量を伝え、ベストな方法を検討すると良い。移行期間中は並行稼働で情報照合しながら進め、トラブルなく切り替えできるよう計画を立てることが大切である。

小規模な歯科医院でもDentisを導入するメリットはあるか?

患者数が少ない小規模医院でも、Dentis導入のメリットは十分にある。まず、一人のスタッフが複数業務を兼任しているような小規模環境では、Dentisの効率化効果でスタッフ一人当たりの負担が劇的に軽減する可能性が高い。例えば院長と助手のみの医院でDentisを導入したケースでは、紙カルテ管理やレセプト作業から解放され、診療と患者対応に集中できるようになった結果、患者満足度が向上したという声もある。また少人数だからこそ、システムトラブル時のリスクが心配かもしれないが、DentisのサポートがあるためIT担当者がいなくても安心して運用できる。費用対効果の面では、確かに月額費用の占める割合は大きくなるが、Dentisによって生み出された時間で新しい自費メニューに取り組んだり増患策を講じたりすれば、結果的に収支がプラスに転じることも十分考えられる。小規模医院ほど人的リソースに限りがあるため、Dentisのようなデジタルアシスタントを導入して院長の分身として働いてもらう価値は高いと言える。

複数の医院でDentisを共有して使うことはできるか?

可能である。Dentisはクラウド上でデータを管理するため、同一法人やグループ内で複数の歯科医院が契約して利用すれば、データ連携や共有が容易に行える。例えば患者の転院や紹介時に、関連医院間でDentis上の診療情報を閲覧できる設定にすれば、紹介状のやり取りなしにスムーズに情報共有できる(患者の同意とアクセス権設定は必要)。また本部機能を持つ法人なら、各医院の売上データや患者数統計をDentisから集計し、一元的に経営分析することも可能である。ライセンス形態としては医院ごとの契約になるため費用は院数に応じて発生するが、ユーザーアカウントはクラウド上で柔軟に発行できるので、複数クリニックのスタッフが同じDentisシステムにログインして使うことができる。注意点としては、医院間でデータを共有する範囲やアクセス権限を適切に設定することと、万一将来一部の医院だけDentisをやめる場合にデータを分離する手順を確認しておくことである。総じてDentisは多院展開する組織でもスケールしやすいシステムなので、将来的に医院拡大を考えている場合にも適した選択と言える。