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歯科用レセコンとは? 歯科レセコンの価格比較とおすすめランキングや、失敗しない選び方について。電子カルテとの違いについても解説!
歯科医院の運営に欠かせないレセコン(レセプトコンピューター)について、最新情報を網羅した比較情報をお届けする。初めてレセコンを導入・選定する方や、現在使用中のレセコンの入れ替えを検討している方に向けて、各製品の機能や価格帯、ランキング上位のメーカー情報を整理し、最適な選択の判断材料を提供する。
目次
歯科レセコンとは何か?
歯科レセコンとは、歯科医院で保険診療を行った際に発生する診療報酬請求業務(レセプト作成)を支援する専用システムである。患者の保険証情報や診療内容を入力すると自動的に保険点数を算定し、診療報酬明細書(レセプト)を正確に作成・点検してくれるため、複雑な請求事務の効率化とミス防止に欠かせない。加えて会計処理や領収書・明細書の発行機能も備え、受付から会計までのバックオフィス業務を一元管理できる。2011年の診療報酬請求電算化の義務化以降、日本の歯科医院におけるレセコン普及率は約97%と非常に高く、保険診療を行う歯科クリニックではレセコン無しでの運営は難しい状況である。現在のレセコンは単なる点数計算機に留まらず、予約管理・患者情報管理・経営分析など歯科医院経営をトータルにサポートする業務システムへと進化している。
👉 レセコンと電子カルテの違い
レセコンが保険請求・会計に特化しており主に医療事務スタッフが操作するのに対し、電子カルテは患者の診療記録を電子管理するシステムで医師や衛生士が使用する点が大きく異なる。大規模病院では経理部門がレセコン、診療部門が電子カルテと明確に役割分担するが、一般的な歯科クリニックではレセコンと電子カルテが連携していたり一体化した製品を導入するケースも多い。電子カルテ一体型レセコンであれば診療内容を入力すると同時に電子レセプト(請求データ)が自動作成されるため、カルテ入力から請求までシームレスに完結できるメリットがある。一方、レセコンとカルテが別システムの場合は診療内容の重複入力が必要になる手間があるため、近年はレセコンと電子カルテの一体化・データ連携が進んでいる。要するにレセコン=保険請求用システム、電子カルテ=診療記録用システムだが、現在では両者を統合したオールインワン製品が主流になりつつある。
歯科レセコンの主な機能と役割
歯科レセコンの基本機能は、診療行為の記録に基づいて保険点数を自動計算し、レセプト(診療報酬明細書)を正確に作成・チェックすることである。これにより煩雑な算定ミスを減らし、請求業務の効率化と正確性向上に寄与する。さらに患者受付・会計処理や領収書発行、各種書類作成機能も備えており、受付から会計までの事務作業を一元管理できる。多くの製品は予約システムや患者管理システムとの連携機能も持ち、従来人手に頼っていたチェック作業の自動化によってスタッフ負担を軽減し、医院全体の業務効率アップに貢献する。
共通する主な機能は以下のとおり。
レセプト作成・点検
診療内容の入力だけで診療報酬を自動計算し、記載漏れや誤りをチェックして正確なレセプトを作成。オンライン請求用データの出力や送信にも対応。
受付・会計業務
来院受付から会計処理、領収書・明細書の発行まで対応。保険証情報のスキャン入力で転記ミス防止や会計時間短縮を図れる製品もある。
患者情報管理
患者基本情報、治療履歴、口腔内所見、処置履歴などをデータベースで管理。必要に応じてカルテ参照や統計分析も可能。
予約管理
予約システムと連携して再来院(リコール)管理や予約状況の一括把握が可能な製品も多い。無断キャンセル防止策や定期メンテナンス促進に役立つ。
その他の付加機能
訪問診療対応(訪問先での入力・介護保険請求)や在宅療養指導管理、薬剤情報提供書の発行、デジタル画像やレントゲンシステム連携、経営分析レポート作成など、製品により様々な機能を搭載している。
これらの機能により、歯科レセコンはレセプト請求や会計だけでなく歯科医院の幅広い業務を支える基幹システムとなっている。導入によりヒューマンエラーの削減や業務効率化、経営改善に繋がる点で、現代の歯科医院経営には不可欠なITツールである。
クラウド型とオンプレミス型の違い
歯科用レセコンは提供形態によって大きくクラウド型(オンライン型)とオンプレミス型(従来型)の2種類に分けられる。それぞれにメリット・デメリットがあり、自院の規模や方針に合った方式を選ぶことが重要である。
オンプレミス型(オンプレ型)
医院内にサーバーや専用PCを設置し、システム一式を自前で保有・運用する形態である。歴史が長く信頼性の高い製品が多く、カスタマイズ性や他システム連携性に優れ、高度な機能を搭載したモデルが多い傾向にある。院内LAN上にサーバーを置くためインターネット接続に依存せず安定稼働でき、医療データを院内完結で管理しやすい点がメリット。特に画像診断装置やデジタルレントゲン等との院内連携を重視する大規模歯科では、低遅延で連携しやすいオンプレ型が有利となる。また多くのメーカーは全国に保守網を持ち、対面サポートも充実している。一方で初期導入コストが高額になりやすく(後述)、システム更新時には各医院ごとに機器のリプレースやソフト更新を行う必要がある。例えばサーバーやバックアップ装置は通常5年程度でリース更新や買い替えが必要になり、そのたび数百万円規模の投資が発生する。また災害対策として自前で定期的にデータバックアップを行う手間もかかる。
クラウド型
ベンダー側が用意したインターネット上のサーバー(クラウド環境)でソフトウェアが稼働し、院内には専用機器を置かずに一般PCやタブレット端末からネット経由で利用する形態である。初期費用が安く導入ハードルが低いことから近年急速に普及している。パソコンとインターネット環境さえあれば短期間でセットアップ可能であり、機器リースや設置工事も不要だ。システム保守やデータバックアップはサービス提供側で自動実施されるため煩雑なメンテナンス作業も不要である。常に最新バージョンへのアップデートが行われるため、診療報酬改定や制度変更にも迅速に対応できる(実際、クラウド型なら点数改定後1~2日で自動アップデートされるのに対し、オンプレ型ではパッチ適用に1週間ほど要するケースもある)。さらに院外からでもネット経由でレセコンにアクセス可能なため、訪問診療先での入力や複数拠点(分院)間でのデータ共有にも便利である。例えば分院を複数持つケースでもクラウドで一本化すれば各院の情報をリアルタイム統合管理できる。ただしデメリットとして、カスタマイズの自由度はメーカー標準範囲に限られることが多く、院内ネットワークや他機器との特殊な連携はオンプレ製品ほど柔軟ではない。またインターネット接続が不可欠なため、通信障害時には業務に支障が出るリスクもある(※緊急時にはテザリングや予備回線の用意など対策を検討したい)。加えて長期間使い続ける場合は利用料の累積コストにも注意が必要である(後述)。
👉費用面の比較
クラウド型とオンプレ型では費用構造が大きく異なる。クラウド型は初期費用0円〜数十万円程度から導入可能で、端末に制約がなくソフト更新費用も基本不要である。一方、オンプレ型は初期費用が200万〜500万円程度と高額になるケースが多く、専用サーバー機や指定の高性能PC等の購入・設置費用が発生する。また5〜6年ごとにサーバー等の更新費用(ハード買い替え)が発生する点も負担となる。月額費用についてはクラウド型は月1万〜5万円程度が相場で、その中にシステム利用料とサポート費を含むことが多い。安価なプランでは月1万円台から利用でき、小規模院向けに端末3台まで定額、それ以上は追加課金といったライセンス形態も見られる。オンプレ型は基本的に月額利用料は発生しないが、保守契約料やアップデート費用が別途かかる。サーバ保守やトラブル対応費用に月数万円(年数十万円)程度を見込む必要があり、長期的に見るとクラウド型と同等か場合によってはオンプレの方が総コスト高くなるケースもある。つまり短期〜中期的にはクラウド型が安価で、長期運用するならオンプレ型が割安になる可能性もあるということだ。医院の資金計画や運営方針に基づき、どちらが適しているかを見極めたい。
👉運用・性能面の比較
クラウド型は経年による動作劣化が少なく常に軽快な操作感で使える傾向にあり、インターネットさえあれば院外からも柔軟にアクセスできる。一方、オンプレ型は院内サーバー機器の経年劣化により動作が重くなる可能性があるものの、院内ネットワーク環境下では高速レスポンスを発揮し大量データ処理にも耐えやすい。特にユニット台数やスタッフ数が多い大規模院では同時アクセス数が増えるため、サーバースペックやネットワーク帯域に左右されにくいオンプレ型が安定性の面で有利な場合もある。またチェアサイド端末を多数設置する場合は、クラウド型だと「○台まで定額、以降追加課金」といったプランでコストが膨らむ可能性があるため注意が必要である。逆に分院展開している医療法人では、クラウド型で全院のデータを一本化するメリットが大きい場合もある。なお、災害や停電時のリスク対策も検討しておきたいポイントだ。オンプレ型の場合、自院サーバー機器の故障や不具合に備えてバックアップ体制を整える必要がある(予備機の用意やメーカー保守契約など)。クラウド型でもインターネット障害時に備え、モバイル回線やオフライン運用手順を決めておくと安心である。
導入費用とランニングコストの相場
レセコン導入にあたって経営者が最も気にするのが費用であろう。初期導入費用と月々の運用コスト、それに付随するサポート費用の相場について解説する。
初期費用の相場
前述のとおり提供形態によって大きく異なる。クラウド型は初期費用0円〜数十万円程度と、低コスト・低リスクで導入できるものが多い。小規模歯科医院では初期投資を抑えやすいのが利点である。例えば初期費用無料で始められるクラウド製品(後述「ジュレア」「アットレセ」など)も存在する。一方オンプレミス型は初期に200万〜500万円前後とまとまった投資が必要になるケースが多い。サーバー機や専用端末、院内ネットワーク構築費用などが含まれるためで、電子カルテや画像機器を同時導入する場合はさらに費用が上乗せされる。近年はIT導入補助金などの活用で初期費用の一部を国が支援してくれるケースもあるため、該当製品では補助金の申請を検討するとよい。いずれにせよ、医院の規模や必要機能を明確にし、初期投資に見合った効果が得られるかを判断することが大切である。
月額費用・保守費用の相場
クラウド型の月額利用料はおおむね1万円〜5万円程度がボリュームゾーンで、月額の中にシステム利用料とサポート料を含むプランが多い。安価なものでは月1万円台から利用可能だが、医院内で複数端末から同時利用する場合は上位プラン(料金帯が上がる)に移行することがある。実際、アットレセは月額約1.4万円で台数無制限利用可能だが、DentisやSunny-NORISは標準で月3〜4万円台のプランになっているなど、機能やサポート内容によって幅がある(後述比較一覧参照)。オンプレミス型は月額利用料こそ基本不要だが、保守サポート契約費が年契約で発生する。相場感としては年10万〜20万円(月あたり1万前後)の保守料を支払っている医院が多い。これには法改正時のソフト更新パッチ提供や、電話・遠隔サポート、場合によっては定期点検や訪問修理対応などが含まれる。またリース契約の場合はリース料の分割払いが月々発生する点にも留意が必要だ。長期的に見ると、クラウド型は利用期間が延びるほど総支出が累積するのに対し、オンプレ型は初期投資を回収できればその後の維持費は低減するため、5年〜10年以上のスパンで比較したトータルコストも考慮すべきである。
その他の費用要素
レセコン導入時には周辺機器やオプション機能の費用も発生し得る。例えば保険証スキャナや受付用の順番表示モニタ、自動釣銭機(自動精算機)連動などを導入する場合、それぞれ機器代や連携費用が追加となる。またオンライン資格確認(マイナンバーカードの保険証利用)に対応するための顔認証付きカードリーダー設置費用なども昨今は必要になってきている。これらは医院の方針によって必要・不要が分かれるため、自院に本当に必要なものだけを選定することでコスト最適化が可能だ。IT導入補助金については、クラウド型・オンプレ型を問わず対象ツールに認定されたレセコンであれば初期費用や年間費用の一部について補助金交付を受けられる(補助率や上限額は年度や事業類型によって異なる)。2025年度も歯科向けレセコンの多くがIT補助金対象ツールとなっているので、導入時には各製品の補助金対応状況もチェックすると良いだろう。
主要な歯科レセコン製品の比較一覧
現在市販されている主要な歯科用レセコンの特徴や価格帯を比較しやすいよう一覧表にまとめた。クラウド型・オンプレ型それぞれに特徴ある製品が多数あるが、特に導入シェアが高い定番製品や新興の注目製品を中心にピックアップしている(※価格は税込、簡易な参考値)。
| 製品名(メーカー) | タイプ | 初期費用 | 月額費用 | 特長・補足 |
|---|---|---|---|---|
| POWER5G(デンタルシステムズ) | クラウド型 | 187,000円〜 | 25,300円 | Windows/Mac対応。直感的UIで初めてでも操作簡単。高速レセプト請求搭載。電話サポートは土曜も受付。 |
| palette(パレット)(ミック) | オンプレミス型 | 要問い合わせ ※Entryプラン1,903,000円 | 月額16,280円〜 ※Entry版6,600円 | 歯科向けソフト老舗メーカー。必要機能を選んでカスタマイズ可。クラウド経由の最新プログラム配信で常に最新版維持。 |
| Sunny-NORIS(サンシステム) | クラウド型・オンプレ型 | 296,000円〜 | 40,000円〜 | クラウド/オンプレ選択可。手厚いサポート(電話・メール・FAX・訪問)に定評。保険証スキャナ・電話着信管理など充実。 |
| Opt.one3(オプテック) | オンプレミス型 | 約1,500,000円〜 (基本構成) | 月額23,900円〜 +端末数課金 | 電子カルテ一体型。誰でも見やすい時系列カルテ画面。iPad問診票アプリ等モバイル活用も◎。※価格は電子カルテ+レセプト構成の場合 |
| DOC-5 プロキオン(モリタ) | オンプレミス型(院内LAN型) | 要問い合わせ | — | 大手歯科メーカー製。算定ガイド表示や自動レセチェック機能で見落とし防止。既存PC活用で導入コスト削減可。 |
| Withシリーズ(メディア) | クラウド型・オンプレ型 | 要問い合わせ | — | 医療面接ガイド機能で全身疾患や服薬情報を考慮した注意点を表示。電話着信時に患者情報ポップアップ機能あり。 |
| iQalte(アイカルテ)(プラネット) | 要問い合わせ ※基本オンプレ型 | 初期0円〜 (会員・非会員共通) | 非会員20,900円〜 ※会員プラン別途 | 紙カルテの1号紙・2号紙様式を踏襲した画面で直感操作。文字が大きく鮮明で視認性◎。会員向けプランあり(歯科医師会等向け)。 |
| ジュレア(ピクオス) | クラウド型 | 0円 | 25,300円 | 初期費用ゼロ・専用端末不要で低コスト導入。台数無制限で月額一律。予約システム標準搭載で入力二度手間なし。 |
| Win Smile IV(リード) | 要問い合わせ(オンプレ型中心) | 要問い合わせ | — | 地域密着型サポート(関東地方限定サポート)。保険請求ルールの変更にも柔軟に迅速対応。処置経過や次回処置を図解表示するユニーク機能。 |
| アットレセ(ベントサイド) | クラウド型 | 0円 | 14,410円 | 初期費用・サポート料無料で利用可能。3ヶ月の無料お試し期間あり。機能を絞りつつ必須機能(レセプト出力、エラーチェック等)は網羅。 |
| WiseStaff(ワイズスタッフ)(ノーザ) | オンプレミス型 | 要問い合わせ | — | 歯科向け標準機能を網羅するシェアNo.1製品。多数の他社システムと連携可能。オプションで介護請求や歯周検査機能を追加可能。 |
| Dentis(デンティス)(メドレー) | クラウド型 | 500,000円 | 40,000円 | クラウド型歯科業務支援システム。予約〜カルテ〜レセプトまでフル統合。スタッフスケジュール管理機能やオンライン診療連携等、最新機能を搭載。 |
※上記は主要製品の一例。他にも「ORCA(オルカ:医科で普及するオープンソースレセコンの歯科版)」や「大樹(タイジュ:操作が簡単なスタンドアロン型)」「カルテット(電子カルテ一体型)」「デンタルクイーン」など多くの製品が市場に存在する。それぞれ特徴や導入条件が異なるため、自院のニーズに合った製品を選ぼう。
歯科レセコンのシェアと人気ランキング
では実際にどのレセコンが多くの歯科医院で使われているのだろうか?少し前のデータになるが、歯科医師向け情報サイトWHITE CROSSによる2019年調査では、次のようなメーカー別シェア結果が報告されている。
・1位 WiseStaffシリーズ(ノーザ) / 18% シェア。
・2位 palette(ミック) / 13%。
・3位 DOC-5 (PROCYON)(モリタ) / 9%。
・3位 Opt.oneシリーズ(オプテック) / 9%。
・3位 POWER (4G)シリーズ(デンタルシステムズ) / 9%。
・6位 Withシリーズ(メディア) / 7%。
・7位 iQalte(プラネット) / 5%。
(※同率3位が複数あるため順位は7位まで記載)
この調査時点ではノーザ社「WiseStaff」シリーズがトップシェアで、次いでミック社「palette」、モリタ社「DOC」シリーズ、オプテック社「Opt.one」、デンタルシステムズ社「POWER」シリーズがほぼ同水準で続いている。上位の製品群で市場の半分近くを占める状況であり、これら大手メーカーは信頼性やサポート体制の面でも評価が高い傾向にある。ただし歯科レセコン市場は新興クラウド型メーカーの参入もあって年々動向が変化しており、近年ではクラウド型のDentisやアットレセ、ジュレアなども導入件数を伸ばしている。実際、上述のランキングに登場しないクラウド専業製品でもユーザー数を急増させている例があるため、「どの製品がシェア上位か」だけでなく自院の重視ポイントに照らして適切な製品かを見極めることが重要である。
失敗しない歯科レセコンの選び方
続いて、レセコンを選定する際に注目すべきポイントを解説する。以下の項目に沿って自院の要件を整理し、比較検討すると失敗が少ない。
1. 必要な機能の洗い出し
現在の業務で困っていることや改善したい課題を明確にし、それを解決できる機能を持つレセコンを選ぶ。例えば訪問診療を行っているなら介護保険請求や訪問先での入力に対応した製品が望ましい。自費診療が多いなら物品在庫管理や見積書作成機能があると便利だ。診療内容や医院形態(一般歯科・矯正専門・訪問専門など)によって求められる機能は異なるため、「この機能は必須」「これは不要」と取捨選択しよう。
2. 費用対効果・コスト構造
初期費用と月額費用のバランスを確認する。開業当初で資金に余裕がない場合は初期負担の軽いクラウド型が有力だが、長期的な支払い総額も考慮したい。逆にある程度予算が取れるなら、最初に買い切ってランニングコストを抑える方法もある。自院の予算規模や収支計画に基づき、無理のない費用モデルを選ぶことが大切だ。またIT補助金の対象か否かも費用面では見逃せないポイントである。
3. 導入形態(クラウド型 or オンプレ型)
前述のとおり両者にメリット・デメリットがあるため、自院の状況に適した方式を選ぶ。複数スタッフで同時入力する場合や院内ネットワーク連携重視の場合はオンプレ型が安定しやすい。一方、開業したての小規模院や将来の分院展開を視野に入れる場合はクラウド型でスモールスタートするのも良い選択肢である。例えば、PC操作が苦手な先生でも扱いやすく費用も安いとの理由で地方開業医が「大樹」(シンプルなスタンドアロン型レセコン)を導入し短期間で運用できた例もある。逆に若い院長で将来多店舗展開を考えるケースでは、最初からクラウド型を選び小さく始めて成長に合わせ拡張するのも賢明だ。
4. 電子カルテ機能の有無
レセコンとカルテを一体化するか分離するかも検討ポイントだ。電子カルテ一体型ならカルテ入力と同時にレセプトが作成され業務効率が高い。歯科医師自らカルテ入力するスタイルなら一体型が望ましい。一方、紙カルテ派の先生や診療記録をあまり細かく電子化しない場合は、レセコン単体(請求特化型)でも問題ない。最近はほとんどのレセコンが電子カルテモジュールや連携オプションを備えているため、自院の運用フローに合わせて選ぶと良い。
5. 使いやすさ(操作性)
現場スタッフが直感的に操作できるUIかどうかも重要。レセコンは毎日の受付・会計業務で使うため、操作が複雑すぎると業務効率を下げストレスになる。例えばPOWER5Gは紙カルテに近い画面構成で直感的・シンプルと評判であり、iQalteは手書きカルテ様式そのままの画面でベテランにも分かりやすい。一方で高度な機能を備える製品は画面が情報豊富になる傾向があるため、実際のデモやトライアルで自分たちの扱いやすさを確認したい。操作マニュアルや研修の有無もチェックポイント。
6. サポート体制・ベンダーの信頼性
レセコンは不具合が起きると医院業務が止まってしまうため、サポートの手厚さは極めて重要だ。電話サポートの受付時間(平日夜間や土日の対応可否)、リモートサポートの有無、トラブル時の現地駆け付け対応などを確認しよう。例えば土曜もサポート対応してくれるメーカーや、地域密着で迅速訪問してくれる代理店があると安心感が違う。また法改正へのアップデート提供スピードも重要だ。過去に「点数改定に製品の対応が間に合わずレセプト返戻トラブルになった」例も聞かれるため、改定情報に素早く対応してくれるメーカーを選びたい。加えて、購入後のアップデート料金や保守契約の費用も製品により異なるため事前に確認しておく。
7. 将来的な拡張性・データ移行
医院の成長や方針転換にもシステムが対応できるかを考えておこう。ユニット増設やスタッフ増員で端末を追加したい場合にライセンス追加費用が高額だと負担になる。人数無制限で使えるプランなのか、追加ライセンス費用体系はどうかを確認する。また分院を開設した際に本院とデータ連携できる仕組み(クラウド一元管理やデータ出力機能)はあるかもポイントだ。さらに、将来レセコンを乗り換える際のデータ移行についても頭に入れておきたい。患者情報や処置履歴の移行がスムーズにできるか、他社からの移行実績があるかなど、事前にメーカーに相談しておくと安心である(実際、後述の導入事例②では処置データ移行が問題なく行えたことが製品乗り換えの決め手となった)。
以上の点を総合的に検討し、自院のニーズに合致したレセコンを選ぶことが肝要である。費用や機能比較で迷ったら、信頼できる同業の先輩開業医やメーカーの相談窓口(コンシェルジュサービス等)を活用し、第三者の意見も参考にすると良いだろう。
サポート体制とメンテナンス
前述の選定ポイントでも触れたように、レセコンのサポート体制は極めて重要な要素である。導入後に安心して使い続けるために、以下の観点でサポート内容を確認しておきたい。
問い合わせ対応
電話やメールでの問い合わせ窓口の有無と、その対応時間帯を確認する。平日日中のみのメーカーもあれば、土曜や夜間までサポート可能なメーカーもある。自院の診療時間帯に合わせて適切なサポートが受けられるかチェックしよう。最近はリモート(遠隔操作)サポートで画面を共有しながら問題解決してくれるサービスも一般的である。
アップデート対応
診療報酬の改定や制度変更時に、メーカーが迅速にソフトウェア更新パッチを提供してくれるかは重要だ。クラウド型であれば自動アップデートで常に最新版が適用されるが、オンプレ型ではメーカーから提供される改定モジュールを適用する必要がある。改定情報の周知や適用方法について手厚くサポートしてくれるか確認したい。過去には改定対応の遅れが医院の収益に影響した例もあるため油断できない。
障害時の対応
レセコンが故障した場合の備えも確認しよう。オンプレ型ならハード故障時に代替機を迅速に調達できるか、クラウド型でもネット障害時に一時的にオフライン運用する手順があるかなど、最悪のケースを想定した準備が必要である。メーカーと保守契約を結び、トラブル発生時には迅速なリモート対応や必要に応じた訪問修理を受けられる体制を整えておくことが望ましい。
地域サポート
メーカーや販売代理店の対応エリアも確認ポイントだ。例えばWin Smile IVは手厚いサポートを実現するため関東地方のみをサービスエリアとしている。地方の医院であれば、その地域に拠点や担当者を持つメーカーだと安心感がある。遠隔地でもオンラインで十分サポート可能なケースも多いが、初期導入時の設定やトラブル時の駆け付けなど、地理的要素も考慮しよう。
費用・契約
サポート内容に対する費用も重要だ。保守契約料に何が含まれるか(電話サポート、リモート対応、現地対応の範囲など)を確認し、追加費用が発生し得るケース(時間外対応費、部品交換費など)も把握しておく。クラウド型の場合は月額費用に基本サポートが含まれているが、オンプレ型ではサポート内容に応じて数段階の保守プランがある場合もある。自院に必要十分なサポートを受けられるプランを選択したい。
レセコンは導入して終わりではなく、長く使い続けるための伴走支援が欠かせない。サポート体制がしっかりしたメーカーであれば、点数改定の情報提供や操作方法のレクチャー、新機能の案内なども受けられ、結果的にレセコンを使いこなして医院業務の質を向上させることにつながる。安心して任せられるパートナーとしてのメーカー選びという視点も持とう。
レセコン選定・導入の失敗例と注意点
最後に、歯科レセコンの選定や導入にまつわるありがちな失敗パターンを紹介する。以下のような点に注意し、同じ轍を踏まないようにしよう。
コスト優先で機能不足の製品を選んでしまった
「月額費用の安さ」だけで選んだ結果、必要な機能が足りず業務に支障が出るケース。例えば訪問診療を行うのに介護請求非対応のレセコンを選んでしまい、後から手作業処理が発生した…など。→対策:価格だけでなく必要機能を満たすかを最優先に考える(前述のポイント1)。
最新の法制度に対応できず返戻トラブルに
点数改定やオンライン請求義務化など制度変更に製品が追随できず、請求ミスや返戻(支払基金からの返戻)が発生するケース。メーカーから改定パッチ提供が間に合わなかったり、担当者任せで適用漏れが起きた例がある。→対策:改定情報への対応実績がある信頼性の高いメーカーを選び、改定時は必ずアップデート確認を。
サポート対応が不十分で業務が滞った
トラブル発生時に連絡がつかなかったり、解決まで時間がかかってレセプト提出が遅れた例。サポートに入っていなかったため高額なスポット対応費用が発生した例も。→対策:サポートの評判も事前にチェックし、必要に応じて手厚い保守契約を結ぶ。特にオンプレ型はハード故障含めてリスクに備える。
リース契約更新時の出費に驚いた
オンプレ型をリース導入したものの、5年後のリース満了時に更新料(再リース料)や機器買い替え提案を受け、思わぬ追加費用に戸惑うケース。場合によってはサポート終了で新製品への移行を迫られることもある。→対策:導入前にリース期間終了後の扱いや、機器更新サイクルと費用見込みを確認しておく。必要なら買取も検討する。
既存システムや機器との連携不備
使用中の予約システムやデジタルレントゲンとレセコンが連携できず、二重入力やデータ不整合が発生したケース。→対策:導入前に周辺システムとの連携要件を整理し、対応可能な製品かを確認する。主要な予約システムや画像ソフトと連携実績がある製品が望ましい。
操作が複雑で使いこなせない
機能豊富だがUIが複雑なレセコンを導入し、スタッフが慣れるまでに非常に時間がかかったケース。「宝の持ち腐れ」で一部機能しか使わずじまいになることも。→対策:導入前にデモ機で操作感を試したり、メーカーの研修サポートを活用する。徐々に使える機能を増やす計画を立てるのも良い。
データ移行に失敗した/断念した
レセコン乗り換え時に、旧システムから患者データや処置履歴を移行できず、結局膨大な手入力を強いられたケース。→対策:乗り換えを検討する際は事前にデータ移行方法をメーカーと詰めておく。多くの場合、患者基本情報はCSV等でエクスポート入稿できるが、カルテ記録や処置履歴は完全移行が難しい場合もある。移行実績豊富なメーカーを選ぶと安心だ。
以上のように、選定時には機能・費用・サポート・連携・操作性・移行といった多角的な視点で検討し、将来的なリスクも見据えておくことが大切である。しっかり準備しておけば、レセコン導入が「失敗」ではなく医院発展のための「成功投資」となるだろう。
導入事例
最後に、実際の歯科医院におけるレセコン導入の成功事例を2つ紹介する。自院の状況に近いケースがあれば、ぜひ参考にしていただきたい。
【ケース1】訪問歯科診療にクラウド型レセコンをフル活用
[課題]
神奈川県のA歯科クリニック(一般歯科・訪問診療併設)。在宅高齢患者が多く訪問歯科診療を積極的に実施しているが、従来は訪問先での処置内容をメモし、帰院後にレセコンへ入力・会計処理を行っていた。そのため事務作業が増え業務時間が長時間化する課題があった。
[解決策]
院長の判断でクラウド型レセコン(POWER5G)を導入し、ノートPCを携行して訪問先で直接入力・会計まで完結する運用に切り替えた。結果、「わざわざ診療所に戻る必要がなくなり、事務作業負担が軽減、業務時間が短縮できた」と院長は効果を語る。月額利用料に複数端末ライセンスが含まれているため院内では受付と診療室で同時にレセコン操作でき、患者の待ち時間も減少したという。訪問先にネット環境が無い場合もスマホのテザリングで問題なく接続できており、「どこでも使える利便性」と「バックアップ不要の安心感」を手に入れたと満足している。
【ケース2】旧システムから円滑に乗り換え、コスト大幅削減
[課題]
名古屋市のB歯科医院(一般歯科・小児歯科)。先代から引き継いだオンプレミス型レセコンを長年使用していたが、リース契約満了後も毎年再リース料と高額な保守料を払い続ける必要があり、院長は負担に感じていた。さらにソフト老朽化でサポート終了が近いと知らされ、新システムへの移行を検討開始。
[解決策]
複数製品を比較検討した結果、クラウド型レセコン(POWER5G)への乗り換えを決断。決め手は「処置データの移行」をしっかり支援してもらえることと、ソフト購入が一度限り(買い切り)で定期買い替えが不要な点だった。実際の移行作業では過去の処置履歴も含めデータを全く問題なく引き継ぐことができ、移行期間中も担当者の親身なサポートのおかげでスムーズに切り替え完了。費用面でも、以前は毎年再リース料約3.5万円+保守料約10万円を支払い、さらに新システム提案では月4万円のサブスク料を「永遠に払い続ける」形態だったのに対し、乗り換え後は再リース料も不要で定期的な買い換えコストもゼロになり、トータルコストに大いに満足しているという。さらに自動バージョンアップで常に最新状態で使え、バックアップの手間も無くなったことから災害時の安心感も得られたと語っている。
以上の事例からも、クラウド型レセコンの柔軟性・利便性や乗り換えによるコストメリットがお分かりいただけるだろう。それぞれの医院で事情は異なるが、自院の課題にマッチしたシステムを選べば大きな効果が得られる好例と言える。
よくある質問(FAQ)
Q1. 歯科レセコンの初期費用と月額費用はどのくらいか?
A. クラウド型なら初期0円〜数十万円、月額1万〜5万円程度が一般的である。安い製品では月1万円台から利用可能だ。オンプレ型は初期に数百万円(200万〜500万円程度)かかるケースが多いが、月額利用料は基本不要(代わりに年数十万円の保守費用)となる。長期的にはオンプレ型の方が総支出が抑えられる場合もあり、一概にどちらが安いとも言えない。医院の規模と運用期間を考えてコスト比較すると良い。
Q2. クラウド型とオンプレミス型ではどちらを選ぶべき?
A. 一長一短であり、小規模開業院や分院展開予定があるならクラウド型が手軽でおすすめ。【初期費用が安く導入が容易】【院外からアクセス可】【常に最新アップデート】といった利点がある。一方、ユニット台数やスタッフが多い大規模院ならオンプレ型が安定しやすい。【院内LANで高速に動作】【カスタマイズしやすい】【ネット障害の影響を受けにくい】メリットがある。要は医院の規模や重視点で選択すべきで、迷う場合はメーカーや導入支援業者に相談すると良い。
Q3. 歯科レセコンと電子カルテは両方必要なの?
A. ほとんどの歯科医院ではレセコンとカルテ機能を連携または一体化させているため、別々に用意する必要はない場合が多い。最近のレセコン製品は電子カルテモジュールを内蔵しており、カルテ入力と同時にレセプト作成まで完結できる「電子カルテ一体型レセコン」が主流である。紙のカルテ併用派であっても、請求漏れ防止のため簡易カルテ機能を使うケースもある。要するにレセコンさえ導入すれば会計・請求業務は網羅でき、必要に応じて電子カルテ機能も利用可能という製品がほとんどである。
Q4. クリニックの規模によって最適なレセコンは変わる?
A. 変わる。医院の規模や診療内容に応じて適した製品は異なる。例えばスタッフ数が少ない小規模院では、高機能すぎるものよりシンプルで低コストなレセコンで十分なことが多い。PC操作が苦手でも画面が見やすくサポートが手厚い製品が良いだろう。一方、スタッフ多数の中規模〜大規模院では、電子カルテ一体型で同時入力や情報共有がしやすいシステムが向いている。機能要件も増えるため、WiseStaffやWith(高機能オンプレ型)を導入して元を取るケースや、Dentisなどフル機能統合型クラウドで一気に院内DXを進める選択肢もある。要は自院の業務フローに合った機能を持つかがポイントであり、ユニット台数・スタッフ数・将来構想を踏まえて選ぶと良い。
Q5. 一度導入したレセコンを別メーカーに乗り換えることはできる?
A. 可能である。実際に他社レセコンから乗り換える歯科医院も少なくない。ポイントは過去データの移行だが、多くのメーカーでは患者基本情報や残高情報の移行ツールを用意している。ただしカルテ内容や細かな処置履歴は完全移行が難しい場合もあり、乗り換え前後の一定期間は並行運用やデータ確認が必要になることもある。導入実績豊富なメーカーなら移行支援も手厚く、「処置データも含め問題なく引き継げた」という成功事例もある。乗り換え検討時はメーカーに遠慮なく相談しよう。
Q6. レセコン導入に補助金や助成金は使える?
A. 使える場合がある。国のIT導入補助金制度では、対象ITツールとして登録されたレセコンを導入する際に初期費用や年間利用料の一部を補助してもらえる。年度や募集時期により条件は異なるが、2025年度も多くの歯科レセコンが対象となっている。例えばクラウド型の月額費用や、オンプレ型のソフト購入費用が補助金交付の対象となり得る。詳しくは各製品の公式サイトや導入支援事業者が案内しているので、導入前にチェックしてみよう。また自治体によっては開業支援策として医療機器導入補助を行っているケースもある。
Q7. レセコン選びで失敗しないための一番のポイントは?
A. 自院のニーズを徹底的に洗い出し、複数製品を比較検討することに尽きる。何を優先したいか(機能、費用、サポート等)を明確にし、それにマッチする製品を選べば大きな失敗は防げる。わからないことはメーカー担当者や導入支援サービスに質問し、不安要素を残さないようにしよう。レセコンは高額投資だが、適切に選べば必ずその価値以上の効率化と安心をもたらしてくれる。ぜひ本記事の情報も活用しながら、納得のいく一台を選んでほしい。
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