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歯科医師届出票とは?提出を忘れた場合の対応や提出方法、提出先など分かりやすく解説!

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歯科医師届出票とはどんな届出? 届出の目的と義務

歯科医師届出票とは、日本の歯科医師が2年に一度提出することを義務付けられている届出のことです。これは歯科医師法に基づく制度で、国内に住所を持つ歯科医師は、厚生労働省令で定められた2年ごとの年末時点(12月31日現在)の氏名・住所・就業状況などを翌年1月15日までに届け出なければならないと定められています。例えば2024年(令和6年)がその届出年にあたり、対象となる歯科医師は2025年1月15日までに届出票を提出する必要がありました。この届出制度の目的は、全国の歯科医師の分布や就業実態を把握し、医療行政の基礎資料とすることにあります。厚生労働省は歯科医師届出によって得られた情報を集計し、「医師・歯科医師・薬剤師統計」として公表しており、将来の医療政策立案の重要なデータとなっています。

届出票には歯科医師個人の基本情報や現在の勤務状況などを記載します。具体的には氏名、現住所、連絡先(電話番号やメールアドレス)、性別、生年月日といった基本事項のほか、歯科医籍登録番号および登録年月日(免許証に記載されています)、現在従事している勤務先の名称や所在地、業務の種別(例:病院勤務、診療所勤務、教育機関所属など)、主な従事内容や診療科目などが含まれます。また、勤務している場合には主たる従事先(複数勤務している場合は主な一箇所)を記入し、従事している歯科診療科名(一般歯科、矯正歯科、口腔外科など)も記載します。さらに歯科医師固有の項目として、広告可能な専門資格に関する欄もあります。これは学会等が認定した専門医資格で、行政が広告を許可しているものがあれば記載するものです(例:矯正歯科認定医、歯周病専門医などを取得している場合に該当します)。そのほか、卒業した大学名(歯学部)や臨床研修の修了状況を問う項目も設けられています。特に歯科医師は平成18年以降、医師と同様に卒後の臨床研修が制度化されているため、「臨床研修を修了したか」「修了した場合は研修先の名称」といった情報も報告対象です。これらの情報を記入した届出票を提出することで、国は歯科医師一人ひとりの免許保有状況や就業状況を正確に把握できるようになります。

厚生労働省によると、この届出を行わないと原則として歯科医師の氏名が「医師等資格確認検索システム」に掲載されなくなってしまうとされています。このシステムは国が運営する医師・歯科医師等の資格確認サイトで、正式に免許を持つ者であることを第三者が検索・確認できるものです。届出を怠って情報が未登録のままだと、他者から「本当に歯科医師免許を持っているのか」と疑われてしまう恐れがあります。実際に歯科医師として就業する際には資格確認が行われる場面もありますし、患者さんや就職先が念のため検索システムで確認するケースも考えられます。そのため、自身の名前が掲載されない状態を放置すると不要なトラブルや信用低下につながりかねません。こうした事態を避けるためにも、歯科医師届出票は決められた周期で忘れずに提出することが大切です。

届出の対象となる歯科医師は?

届出票の提出義務があるのは、日本国内で歯科医師免許を有している全ての方です。これは現在実際に歯科医療に従事しているかどうかにかかわらず、免許を持っている以上原則として全員が対象となります。たとえば開業医や勤務医はもちろん、産休・育休中で一時的に職務を離れている人、他業界で働いている人、さらには定年退職後や求職中で現在歯科医師として働いていない人であっても、免許証を保持していて日本に住所がある場合は届出が義務付けられます。長野県の案内にも「資格とは関係ない仕事に従事している場合や無職の場合であってもすべての免許保持者に届出義務があります」と明記されています。つまり、「今は歯科医師として働いていないから自分は関係ない」という認識は誤りであり、免許を持っている限り届出票の提出対象から外れることはありません。

では海外にいる場合はどうでしょうか? 歯科医師法で定める届出義務は「日本国内に住所を有する歯科医師」に適用されます。したがって、住民票ごと海外に移して日本に住所がない場合には、その期間中は届出の必要はありません。例えば留学や海外赴任で長期滞在し、日本の住所をいったん抜いているケースが該当します。一方で、一時的な海外出張や研修で日本を不在にしている場合でも、日本に住民登録が残っているなら届出が必要です。もし届出の時期に帰国できない場合は、渡航前にあらかじめ届出票を記入して提出しておくことが推奨されています。このように、国内外問わず日本の歯科医籍に登録され住所が日本国内にある限り、全ての歯科医師免許保持者が届出を行う義務があることを押さえておきましょう。

届出はいつ行う? 提出時期と期限

歯科医師届出票の提出は2年に一度と決められており、そのタイミングと締め切りが法律で定められています。具体的には、厚生労働省令で指定された隔年(2年ごと)の年の12月31日時点を基準日として、その時点における情報を翌年1月15日までに届け出ます。どの年が届出年になるかは厚生労働省の告示によって定められており、直近では2024年(令和6年)が届出年でした。したがって、2024年12月31日現在の状況を2025年1月15日(水)までに報告する必要があったわけです。次回はそこから2年後、2026年(令和8年)の12月31日現在の情報を2027年1月15日までに提出するサイクルになると予想されます。なお届出年は2年ごとですが、西暦で言えば奇数年末基準・偶数年末基準と周期が決まっています(過去の例では2020年→2022年→2024年が届出実施年となっています)。

提出期限(1月15日)は厳守することが求められますが、仮に期限に遅れてしまった場合でも決してそのまま放置してはいけません。愛知県の案内でも「届出期限の2025年1月15日を過ぎているので、まだ届出を行っていない場合は速やかに届出てください」と注意喚起されています。法律上も「届出をしなければならない」義務がある以上、期限後であってもできるだけ早く提出する必要があります。多少遅れて提出したからといって即罰則が科されるわけではありませんが、遅延は望ましくありません。提出期限は隔年とはいえ毎回年明けすぐの1月15日と固定されています。忙しい年末年始の時期ですが、カレンダーやスケジュール帳にしっかり記入するなどして、うっかり提出し忘れることのないよう計画的に準備しましょう。

歯科医師届出票はどこに提出する? 提出先と窓口

届出票の提出先は、原則としてあなたの住所地または就業地を管轄する「保健所」です。保健所とは各都道府県や政令市などに設置されている公衆衛生の行政機関で、医療従事者の届出受付もその業務の一つです。歯科医師届出票は、まず居住地または勤務先所在地の保健所に提出され、そこから都道府県を経由して厚生労働省へと報告される仕組みになっています。届出にあたっては、自宅の住所と勤務先の所在地が異なる場合はどちらの保健所に出すべきか迷うかもしれません。この点については「住所地または就業地の保健所」のどちらでも提出可能とされています。例えば居住地と勤務先が別の都道府県であっても、自宅を管轄する保健所か職場を管轄する保健所のいずれか一方に届出票を出せば問題ありません。ただし二重に提出する必要はありませんので、一つの届出票を作成したら提出先は一箇所に絞って出してください。

提出先となる具体的な保健所名や所在地は、自身の住所地・勤務先の自治体のウェブサイトなどで確認できます。都道府県のサイトには「○○県所管保健所一覧」のようなページがあり、各地域を担当する保健所の住所・連絡先が掲載されています。政令指定都市や中核市の場合は市の保健所が担当することもあります。愛知県の届出案内ページでは、県内の保健所および名古屋市や豊橋市など市の保健所も含めて問い合わせ先リストが載せられていました。不明な場合は都道府県庁や市役所の医療担当部署に問い合わせれば、自分がどの保健所管轄か教えてもらえます。

提出方法としては、保健所の窓口に直接持参するか、郵送で送付するかの2通りがあります。持参する場合は平日の日中に保健所へ出向く必要がありますが、担当者にその場で確認してもらえるメリットがあります。郵送の場合は、提出期限必着が望ましいため余裕をもって投函しましょう(基本的には期日までの消印有効ではなく、期日までに到着することが理想です)。郵送時は簡易書留など記録が残る方法で送ると確実です。なお、自治体によってはオンラインシステム整備に伴い郵送先として専用私書箱を設けている場合もあります(例えば横浜市では保健所に設置した私書箱で郵送受付をしています)。いずれの場合も、提出後に不備があれば後日保健所から連絡が来ることがあります。提出前に記入漏れや記載ミスがないか十分確認し、必要に応じて控えのコピーを手元に保管しておくと安心です。

歯科医師届出票はどう提出する? オンライン提出は可能?

近年、この届出手続にはオンライン提出の仕組みも導入されています。従来、医師・歯科医師・薬剤師による届出(いわゆる「三師届」)は紙の届出票を用いた方法しかありませんでしたが、2022年(令和4年)届出時から一部でインターネットを利用したオンライン届出が可能となりました。ただし誰もがオンラインでできるわけではなく、病院や診療所、薬局、介護施設、行政機関、大学などの「医療機関等」に勤務している場合に限り、勤務先を通じてオンライン届出システムを利用できるという仕組みです。具体的には、医療従事者届出システム(厚労省が設置した専用サイト)上で勤務先の担当者が従業員の情報を一括入力・送信する形態となっています。各職場でIDと初期パスワードが配布され、従事先の医療機関等がとりまとめてオンライン申請を行うため、勤務先任せで自分では何もしなくてよいケースもあります。実際、病院勤務の歯科医師であれば人事担当部署が届出票提出を案内し、一括で職員分を提出してくれることが多いでしょう。このオンライン化によって、勤務者側は紙を郵送する手間が省けるメリットがあります。

一方で、勤務先がない場合や医療機関等に所属していない場合には、現状オンライン届出は利用できません。例えば開業歯科医師や非常勤で複数院をかけもちしている方、大学を離れて研究職に就いている方、あるいは現在無職の方などは従来通り紙の届出票で届け出る必要があります。紙による届出を行う際は、まず届出票の用紙を入手しなければなりません。用紙は各地の保健所窓口で配布されているほか、厚生労働省や都道府県のウェブサイトから様式をダウンロードして自分で印刷することも可能です。印刷環境がない場合でも、事前に保健所に連絡すれば郵送で送ってもらえるケースもあります。用紙を入手したら、前述した内容について漏れなく記入します。記入例や記入要領も厚労省サイトで公開されているので、不明点があれば参照するとよいでしょう。記載が終わったら、先述のとおり住所地または就業地の保健所へ郵送または持参して提出します。

なお、一部の自治体では独自の電子申請システムを使って個人でオンライン届出を行える場合があります。例えば愛知県では、医療機関に所属していない免許保持者向けに県の電子申請・届出システムから届出票を提出することが可能であると案内しています。このように地域によっては個人単位のオンライン受付を用意しているケースもありますが、全国一律の仕組みではないため注意が必要です。基本的には勤務先経由のオンラインか個人で紙提出の二択と考えておき、住んでいる地域の案内に従って手続きをしてください。

歯科医師届出票を提出し忘れたらどうする?

うっかり届出票の提出を忘れてしまった場合、どのように対処すればよいでしょうか。まず前回の届出をしていなかったからといって、過去の分を遡って提出する必要はありません。厚生労働省や自治体も「前回分の届出は不要です。その代わり今回の届出を必ず行い、今後は忘れず提出してください」と案内しています。例えば2022年の届出を失念してしまった場合でも、2024年の届出(2025年1月締切)をきちんと提出すれば過去分を改めて提出する必要はありません。過ぎてしまったものは取り戻せませんので、気づいたタイミングで直近の届出を速やかに実施することが大切です。そして、今後二度と提出し忘れがないよう、自身でスケジュール管理を徹底しましょう。次回の届出年をカレンダーに書き込んだり、所属する歯科医師会等からの通知に注意したりして、意識的に備えることが求められます。

では、届出を怠った場合に罰則はあるのでしょうか? 結論から言うと、法律上罰則規定は存在します。歯科医師法では、所定の届出を行わなかった者に対し「50万円以下の罰金」に処すことができる旨が定められています。具体的には歯科医師法第31条第2項第1号で、先述の第6条第3項(2年ごとの届出義務)に違反した場合は50万円以下の罰金に処すると規定されています。同様の罰則は医師法や薬剤師法にも規定されており、届出制度は法律で強制力を持って担保されているのです。ただし実際の運用において、届出忘れで直ちに罰金が科された例はほとんど聞かれません。行政としてはまずは督促や周知を行い、任意の提出を促すのが通常だからです。とはいえ、法律上罰則が存在する以上「最悪の場合は罰金もあり得る」ということは念頭に置いておく必要があります。また罰金云々を抜きにしても、前述のように未届による資格確認システム非掲載という実質的な不利益があります。歯科医師としての信用や社会的な証明に関わる問題でもあるため、たとえ罰金を科されなくとも届出漏れの代償は小さくありません。従って、届出を忘れることのないよう十分注意し、万一忘れていた場合でも次の機会には必ず提出するようにしましょう。

歯科医師届出票を提出する際の注意点

最後に、歯科医師届出票の提出にあたって押さえておきたいいくつかの注意点をまとめます。まず、届出票の様式は最新版を使用することが重要です。届出票のフォーマットや記載項目は見直し・変更される場合があります。厚生労働省も「届出項目に変更があるため、令和4年以前の届出様式は利用できません」と注意を促しています。古い用紙を流用すると記入項目が不足したり項目番号がずれていたりする恐れがあるため、毎回届出年ごとに最新の様式をダウンロードするか、保健所で新しい用紙を受け取って記入しましょう。また、記入にあたっては厚労省が公開している「記入要領」や「記入例」を参考にするとスムーズです。特に医籍登録番号や臨床研修修了の有無といった項目は普段馴染みがないため、記入例で書式や記載例を確認してから書き込むと間違いが防げます。なお、届出票の提出に際して手数料や添付書類は必要ありません。免許証のコピー提出などは求められておらず、届出票本体のみで受付してもらえます。ただしコピーを取って控えに残しておくことは推奨します。

次に、個別の郵送通知が来ない可能性がある点にも注意してください。医師や歯科医師の届出制度は法律で義務付けられているものの、納税通知のように全員に役所から案内ハガキが届く仕組みにはなっていません。多くの場合、厚生労働省や都道府県は公式ホームページ上で届出時期にお知らせを掲載したり、医療機関や関係団体を通じて周知したりするにとどまります。勤務先がある方は職場経由で案内されることもありますが、開業医や職場を持たない方は自分で情報をキャッチしなければなりません。そのため、「知らないうちに締め切りが過ぎていた…」ということにならないよう、自主的に注意しておく必要があります。具体的には、届出年の前年から年末にかけて厚労省や都道府県のウェブサイトを確認したり、所属する歯科医師会のニュースレターなどに目を通したりしましょう。SNSやメールで届出時期を知らせるサービスは今のところ一般的ではありませんが、自分でスマートフォンのカレンダーにリマインダーを設定しておくのも有効です。「毎奇数年度の末に届出がある」と覚えておき、年末の時期になったら意識的に届出準備を始める習慣をつけると良いでしょう。こうした工夫によって提出時期を見逃さず、期限内に確実に届出を済ませることができます。

以上のポイントを踏まえて、歯科医師届出票の提出を適切に行いましょう。届出は法律上の義務であると同時に、歯科医師自身の情報を社会に示す大切な手続きでもあります。決して難しい内容ではありませんので、定められた周期で忘れずに対応し、歯科医師としての信用と行政への協力をしっかり果たしていきましょう。

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