歯科医師は最短何歳からなれる?法律上の制限から、最短で歯科医師になる方法について、海外の例も踏まえて解説!
歯科医師は最短何歳からなれる?
歯科医師になるには高校卒業後に大学の歯学部で学び、国家試験に合格して免許を取得することが必要です。したがって、歯科医師になれる最短年齢は高校卒業後に必要な課程を修了した年齢となります。日本では一般的に高校卒業が18歳前後なので、その後の過程(大学6年+国家試験+臨床研修1年)を順調に進めばおよそ24~25歳で歯科医師として働き始める計算です。これはあくまで「最短」で進んだ場合の目安で、現実には個人の進路や試験の合否によって多少前後します。
歯学部を最短で卒業すると何歳になる?
歯科医師になる第一関門である大学歯学部の卒業までに通常6年間を要します。高校から直接歯学部に現役入学した場合、6年制の歯学部をストレートで卒業すると24歳前後になります。日本歯科医師会によれば、通常は歯科大学・歯学部で6年間学んで卒業し、歯科医師国家試験に合格して歯科医師免許を取得する必要があります。高校卒業が18歳として+6年ですから、順調にいけば大学卒業時は23~24歳となり、この段階で国家試験の受験資格を得るわけです。
臨床研修修了まで含めた歯科医師デビューの年齢
日本では2006年以降、歯科医師免許取得後に1年以上の臨床研修を行うことが義務付けられています。歯学部卒業後すぐに国家試験に合格し免許登録をしても、直ちに開業医として独り立ちできるわけではなく、指定の病院や診療所で臨床研修医として実地研修を積む必要があります。この臨床研修は原則1年です。そのため、歯学部卒業が24歳前後であれば、臨床研修を終えて晴れて歯科医師として勤務・開業できるようになるのは25歳前後になります。実際に「現役で歯科医師国家試験に合格し臨床研修を終えた場合、26歳になる」とする指摘もあり、だいたい25歳前後が歯科医師として働き始める最短年齢と言えるでしょう。
歯科医師になるには何年かかる?一般的なルートを解説
歯科医師になるまでに要する年数は、人によって多少異なりますが基本ルートでは高校卒業から通算7年程度です。ここでは一般的なステップに沿って、歯科医師になるまでに必要な年数とプロセスを解説します。高校を出てから歯科医師になるまでの道のりには、大きく分けて「大学での歯学教育6年間」と「国家試験合格・臨床研修1年以上」の二段階があります。
歯学部で過ごす6年間の学び
大学の歯学部(歯科大学)は6年制で、医学部と同様に長期の専門教育課程です。この6年間で基礎医学から歯科の専門知識・技術まで修め、所定の単位を取得して卒業することが求められます。ストレートに進級・卒業できれば、高校卒業からちょうど6年後に学士(歯学)の学位を得ることになります。例えば18歳で大学入学した場合は、順調にいけば24歳で大学卒業となります。歯学部では医師養成課程に似て全身の医学的知識も学びつつ、歯科保存学・口腔外科学・矯正学など歯科固有の専門科目を履修します。このカリキュラムを6年間で修めきることが、歯科医師への第一歩です。
国家試験と1年間の臨床研修
歯学部を卒業(または卒業見込み)すると歯科医師国家試験の受験資格が得られます。国家試験は毎年1回行われ、これに合格すると厚生労働大臣より歯科医師免許が付与されます。しかし合格・免許取得後も、すぐに一人前として開業できるわけではありません。卒後臨床研修が待っており、指定の研修施設で少なくとも1年間、研修医として実践的な訓練を積む必要があります。この研修を経て初めて、正式に歯科医師として独立した診療に携われます。したがって大学入学から数えると、6年+国家試験合格+1年研修で計7年ほどかかる計算です。現実には国家試験に落ちればさらに年数が延びますし、研修も最低1年であり場合によってはもう少し研修期間を延長することもあります。いずれにせよ、高卒から最短7年間程度は歯科医師になるまでに必要と見込んでおきましょう。
歯科医師国家試験を受けるための条件は?
歯科医師になるには国家試験合格が不可欠ですが、その国家試験を受験するための資格要件が法令で定められています。原則として日本国内の大学で歯学の正規課程を修了することが条件ですが、例外的なルートも存在します。ここでは歯科医師国家試験の受験資格について整理します。
歯学部卒業が基本の受験資格
歯科医師国家試験の受験資格として最も一般的なのは、大学の歯学部(歯科大学)を卒業することです。これは6年制の正規課程を修めて卒業(または卒業見込み)であることを意味します。現実には国内の歯科医師志望者の大多数がこのルートを通ります。なお、歯学部卒業資格がなくても受験できるケースとして「歯科医師国家試験予備試験」に合格し一定の実務修練を積んだ者があります。予備試験とは大学に通わず独学などで歯科医学相当の知識を身につけた人のための試験制度ですが、非常に難関であり一般的ではありません。
予備試験や海外の歯科医師資格による受験資格
もう一つの例外は海外の歯科大学を卒業・海外で歯科医師免許を取得した者です。この場合、厚生労働大臣が国内の歯学部卒業者と同等以上の知識・技能を有すると認定すれば、国家試験の受験資格が与えられます。例えば外国で歯科医師として活動していた人が日本の歯科医師国家試験を受けるには、この認定を受ける必要があります。また前述の予備試験ルートでは、予備試験合格後に1年以上の歯科診療に関する実地修練を積むことも条件となっています。まとめると「歯学部卒業」「予備試験合格+実地修練」「外国の歯科医師資格等と認定」のいずれかが国家試験受験の条件となります。大半の人にとっては歯学部卒業が必要という認識で問題ありません。
歯科医師免許に年齢制限はある?
法律上、歯科医師免許を取得できる年齢に制限はあるのかという点も気になるかもしれません。医療系国家資格は人の生命に関わるため、人格面や年齢面での規定が存在します。ここでは歯科医師免許に関する年齢要件と法律の定めについて説明します。
歯科医師法で未成年者は免許不可
現行の歯科医師法では、免許付与の欠格事由として「未成年者」が挙げられています。つまり未成年者には歯科医師免許を与えないと法律で定められているのです(歯科医師法第3条)。この規定は、かつては未成年に加え成年被後見人等も含まれていましたが、令和元年の法改正で未成年のみとなりました。要するに「法律上まだ大人と認められない年齢の者」は歯科医師になれないということです。ただし現実には前述のように教育課程を終えるだけで最低でも20代前半になりますので、通常のルートで進む限り年齢制限が問題になるケースはありません。
成年年齢引き下げ後の免許年齢要件
日本では2022年4月に民法改正が施行され、成年(大人)とみなされる年齢が20歳から18歳に引き下げられました。それに伴い、医師・歯科医師免許の年齢要件も20歳以上から18歳以上に変更されています。つまり法律上は18歳であれば歯科医師免許を取得することが可能となったわけです。もっとも、現行の教育制度では18歳で歯科医師国家試験を受けること自体が不可能であり、18歳で免許を得るケースは事実上ありません。このため成年年齢の引き下げによって医療現場に何か影響が出ることはなく、依然として事実上は20代前半が歯科医師になりうる最も若い年齢層だと言えます。
最短で歯科医師になるにはどうすればいい?
では「できるだけ早く歯科医師になる」ためにはどのような点に気をつければ良いでしょうか。特別な近道は存在しませんが、ストレートに進むためのポイントがあります。鍵となるのは大学在学中の留年回避と国家試験に一発合格することです。以下ではそれぞれのポイントについて解説します。
歯学部で留年しないためのポイント
歯学部の6年間を最短で終えるには、1年も留年せず進級・卒業することが絶対条件です。歯学部のカリキュラムは専門科目が多く難易度も高いため、毎年確実に単位を取得していく努力が求められます。留年してしまうと卒業時の年齢がその分上がってしまい、歯科医師になる時期も遅れます。在学中の勉強計画や試験対策は計画的に行い、必要なら教授や先輩の指導を仰いで躓きを早めに解消しましょう。また、近年は社会人や大学既卒で編入してくる学生もおり、そういった方々は「後がない」という思いで必死に勉強するケースもあります。現役生も負けずに計画的な学習を続けることで、6年間ストレート卒業が見えてきます。
国家試験に一回で合格するためのポイント
歯科医師国家試験は毎年約60~70%前後の合格率で推移しています(回によって異なりますが、新卒受験者に限れば80%以上が合格する年もあります)。裏を返せば一度で合格できず何年も浪人する人も一定数いるということです。最短で歯科医師になるには、この国家試験に一発で受かることが極めて重要です。ポイントとしては大学在学中から計画的に国家試験対策を始めることが挙げられます。歯学部の授業内容は試験範囲と重なりますので、日頃の勉強をおろそかにしないことが基本です。また過去問題演習や模擬試験で自分の実力を客観的に把握し、弱点分野を補強していくことも有効でしょう。幸い歯科医師国家試験は新卒での合格率が高く、適切な準備をしていればストレート合格は十分可能です。一回で合格できれば、その分無駄な時間をかけず晴れて歯科医師としてのキャリアをスタートできます。
海外では何歳で歯科医師になれる?国ごとの違い
日本では歯科医師になるまで最短でも20代半ばですが、海外では教育制度の違いから資格取得年齢が国によって異なります。ここでは海外の例をいくつか紹介し、日本との違いを見てみましょう。国によって歯科医師になるまでの年数(ひいては最年少で資格取得できる年齢)が大きく変わります。
アメリカでは歯科医師になるまで8年以上
アメリカ合衆国の場合、歯科医師になるには基本的に大学を卒業してから歯科大学(Dental School)に進学する必要があります。一般的なモデルでは、まず4年制大学で学士号を取得(この時点で22歳前後)し、その後歯学系の専門大学院でさらに4年の歯科医学課程を修了します。したがって高校卒業から通算すれば最低でも8年を要する計算で、ストレートに進んでも早くて26歳前後でDDS(Doctor of Dental Surgery)またはDMD(Doctor of Dental Medicine)の学位を取得することになります。さらに米国では卒業後に数年間のレジデンシー(研修医期間)を経て一人前になるのが通例であり、専門分野によっては30歳近くまで研修が続く場合もあります。そのため、アメリカの歯科医師は日本より初期キャリアの段階で年齢が高めで、30代で歯学生というケースも珍しくありません。
イギリスやオーストラリアでは5年で資格取得
イギリスやオーストラリア、ニュージーランドなどの国では、歯科医師は高校卒業後に直接大学の歯学部に進むパターンが一般的です。この場合、教育課程は5年制であることが多く、日本より1年短いのが特徴です。例えばイギリスの大学で歯学部に18歳で入学したとすると、5年後の23歳前後で歯科医師資格を取得することが可能になります(英国では卒業と同時に歯科医師登録が行われます)。オーストラリアやNZも基本5年制の歯学部が一般的で、ストレートなら23歳程度で資格取得となります。ただし各国の制度によって細かな違いがあり、イギリスでは卒業後に1年間の研修制度(DFT: Dental Foundation Training)が課されるなど、実際に独立開業できるまでに追加の研修を要する場合もあります。またアジアの近隣国では韓国・台湾などは日本と同じく6年制ですが、台湾では大学によって5年制課程を持つ場合もあるようです。このように海外では国ごとに歯科医師になるまでの年限が様々ですが、いずれにせよ日本のように20代前半で資格取得できる国もあれば、アメリカのように20代後半以降になる国もあります。
30代からでも歯科医師を目指すことはできる?
ここまで最短で歯科医師になるケースを中心に述べてきましたが、では逆に年齢を重ねてから歯科医師を目指すことは可能なのでしょうか。結論から言えば、社会人経験後や30代からでも歯科医師になることは可能です。実際に近年では20代後半~30代で歯学部に入学する人も一定数存在し、大学によっては2年次や3年次に編入学できる制度で門戸を開いています。この章では、年齢が高めから歯科医師を目指すケースについて解説します。
社会人から歯学部に入学するケース
社会人を経てから歯学部に入る人もおり、そうした方は入学時点で既に20代後半や30代ということがあります。例えば実際に筆者が20代後半で歯学部に編入し、32歳で歯科医師になったという報告があります。日本の歯学部では学士入学や編入制度を設けている大学もあり、他分野の大学を卒業後に再度歯学部3年次に編入するといった道も存在します。アメリカでは4年制大学卒業後に歯学部に入るため、もともと歯学部生の年齢層が高く30歳を超える学生も多いですが、日本でも近年はキャリアチェンジで歯科医師を目指す人が増えています。法律上も上限年齢は定められていないので、必要な課程を修了し国家試験に合格すれば何歳であっても歯科医師免許を取得できます。
年齢が高い場合に注意すべきこと
社会人経験後に歯科医師を目指す場合や、30代で歯学部在学という場合には、若いうちに目指す場合と比べていくつか注意点があります。まず、経済的・時間的負担をしっかり計画することです。30代で学生に戻る場合、学費や生活費の工面、卒業までの年数(少なくともあと6年)は現実問題として考慮が必要です。家族がいる場合はその支援も欠かせません。また、年上の学生として在学する精神的プレッシャーもあります。実際に30代で歯学部に通う人からは「毎年が背水の陣のような緊張感」との声も聞かれます。同世代が社会で活躍する中、自分は学生の身分であることに葛藤を感じる場面もあるでしょう。しかし裏を返せば社会経験を積んだ大人だからこそ、目的意識を強く持って勉強に集中できるという利点もあります。実際に編入組の学生は非常に高いモチベーションで最短で卒業・国家試験合格まで駆け抜けるケースもあります。年齢が高いからといって歯科医師になるチャンスが閉ざされることは決してありません。大切なのは明確な目標と計画を持ち、必要な努力を積み重ねることです。年齢に関係なく、志を持つ人には歯科医師への道が開かれています。