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苗字が変わったら歯科医師免許の名前変更は必要?変更をしていない人の問い合わせ先、必要書類や書き方など、厚生労働省の情報を参考にしながら解説!

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苗字が変わったら歯科医師免許の名前変更は必要?

結婚や離婚などで苗字(姓)が変わった場合、歯科医師免許の氏名変更手続きは必ず行う必要があります。歯科医師免許は国家資格であり、免許証に記載される氏名は法律に基づいて管理されているため、戸籍上の名前に変更があれば速やかに届け出て免許上の氏名も修正しなければなりません。これは単なる任意の届け出ではなく法令で義務付けられた手続きです。以下では、この義務の根拠や具体的な内容について詳しく見ていきます。

法令で定められた氏名変更の義務

歯科医師免許の登録事項(歯科医籍)に変更が生じた場合、歯科医師法施行令第5条によって30日以内にその変更を届け出ることが義務付けられています。具体的な登録事項としては、「氏名」「本籍地の都道府県名(※日本国籍でない場合は国籍)」「生年月日」「性別」などが挙げられます。したがって、苗字が変わるということは登録事項の「氏名」に変更が生じることになり、変更日から30日以内に歯科医籍の訂正申請を行わなくてはなりません。

厚生労働省の案内でも、歯科医師免許を取得後に戸籍上の氏名等に変更があれば速やかに歯科医籍の訂正(免許証の書き換え)を申請する必要があると明記されています。例えば結婚による改姓は典型的なケースで、法律上の姓が変わったにもかかわらず免許証の姓を旧姓のままにしておくことは認められません。必ず正式な手続きを経て免許証記載の氏名を新姓に更新する必要があります。

なお、この届け出義務は法律で定められたものであり怠った場合は法令違反となります。現行の制度では、30日を過ぎても後述する遅延理由書を提出すれば手続き自体は受理されますが、歯科医師としての公的な記録を正しく保つためにも、期限内のできるだけ早い届け出が推奨されます。 日々の診療に追われる中でも、苗字が変わった際には忘れずにこの手続きを行うことが大切です。

歯科医師免許の氏名変更はどこで手続きする?

氏名や本籍地に変更が生じた場合の歯科医籍訂正・免許証書換え手続きは、居住地を管轄する保健所で行うのが原則です(2025年現在)。届け出自体は厚生労働省(医政局医事課試験免許室)に対して行われますが、実務的には都道府県知事を経由して提出する形になっており、具体的な窓口として各地域の保健所が受付を担当します。以下では、どの窓口に申請すればよいかと、困ったときの問い合わせ先について説明します。

住所地の保健所に申請する

歯科医師免許の氏名変更申請は、現在お住まいの地域の保健所に書類を提出して行います(いくつかの県では保健所ではなく県庁の担当課が窓口になる場合もあります)。厚生労働省の規定では「住所地の都道府県知事を経由して厚生労働大臣に提出する」と定められており、各自治体でその役割を担うのが保健所です。たとえば東京都内にお住まいの場合は各区の保健所、埼玉県にお住まいの場合は県内の保健所(さいたま市など政令市の場合は市の保健所)が窓口となります。

実際の手続きでは、準備した申請書類一式を保健所に持参し、窓口で提出します。保健所では書類に不備がないか確認したうえで、都道府県を通じて厚生労働省に書類が送付され、歯科医籍の訂正と免許証の書換え発行が行われます。受付時間は平日の日中(例えば月~金の8時30分~17時15分など)が一般的ですので、事前に各保健所の受付時間も確認しておきましょう。なお、一部の自治体では郵送での申請受付を行っていない場合がありますので(書類原本の提出や本人確認のため)、基本的には本人または代理人が窓口に出向いて申請すると考えてください。

わからないときの問い合わせ先

手続き方法や提出先について不明な点がある場合は、遠慮なく所轄の保健所や都道府県の衛生主管部局に問い合わせましょう。保健所の担当窓口では日常的に医療従事者の免許手続きを扱っており、必要書類の案内や書き方の指示なども行っています。また厚生労働省医政局医事課の試験免許室・免許登録係(電話:厚生労働省代表03-5253-1111 内線あり)も相談窓口として案内されています。実際の申請はまず自治体で受け付けますが、制度全般の質問や特殊なケースの確認は厚労省の担当部署に直接問い合わせることも可能です。

「結婚して姓が変わったが長年手続きをしていない」「どの書類を用意すればいいか自信がない」といった場合でも、まずは地域の保健所に連絡すれば丁寧に教えてもらえます。特に提出書類や戸籍の取り方などは各人の状況で異なる場合もありますので、不安があれば事前に確認しておくと安心です。期限を過ぎてしまった場合の対応策についても、後述するように相談に乗ってもらえますので、困ったときは一人で悩まず担当窓口に相談しましょう。

歯科医師免許の氏名変更に必要な書類は何?

氏名変更の手続きを行うには、決められた申請書類と証拠書類を揃える必要があります。主な必要書類としては、「籍訂正・免許証書換え交付申請書(所定の様式)」「現在所持している歯科医師免許証」「戸籍抄本または謄本(氏名変更の事実を証明するもの)」「収入印紙(登録免許税)」などです。場合によっては戸籍以外の書類や遅延理由書が必要になることもあります。以下で各書類の詳細とポイントを説明します。

戸籍抄本などの身分証明書類

まず欠かせないのが、戸籍抄本または戸籍謄本など氏名の変更を証明する公的書類です。日本国籍の方の場合、結婚や離婚に伴う姓の変更は戸籍に記録されますので、その記載事項を確認できる戸籍抄本(個人事項証明)もしくは戸籍謄本(全部事項証明)を用意します。戸籍抄本/謄本は発行から6か月以内の原本が必要で、コピーは不可です。この戸籍書類によって「旧姓から新姓に変更したこと」が公式に示されるため、免許の名簿訂正には必須の添付書類となります。

旧姓の併記を希望する場合(後述)や、長期間手続きをしておらず過去の変更履歴も含めて証明する必要がある場合には、戸籍の改製原本や除籍簿など追加の書類が求められることがあります。例えば、結婚で姓が変わった後に離婚で旧姓に戻り、さらに再婚したといった複数回の改姓を経ているケースでは、現在の戸籍だけでは全ての氏名変更経過を証明できません。その場合は現在の姓に至るまでのすべての変更履歴がわかる戸籍書類(改製原戸籍や除籍簿の抄本など)を揃える必要があります。こうした特殊なケースでは事前に保健所へ相談すれば、どの書類が必要か案内してもらえます。

なお、日本国籍ではない外国人歯科医師の方については、本籍地の代わりに「国籍」が登録されています。そのため氏名変更や国籍の変更を証明する書類が必要です。一般的には変更後の氏名が記載された住民票の写し(国籍等記載あり・マイナンバー省略)やパスポートなどの身分証明書、および改名や帰化の事実を示す書類を提出します。外国籍のケースは個々に状況が異なるため、該当する方は提出先に確認するとよいでしょう。

免許証と申請書、収入印紙

氏名変更申請の際には、現在手元にある歯科医師免許証の原本を必ず提出します。免許証は国家試験合格後に交付されたあの大きな証書です。コピーではなく現物を添付し、手続き完了まで預ける形になります(新しい氏名が記載された免許証が後日交付されます)。もし免許証を紛失している場合は、氏名変更と同時に免許証の再交付申請も行う必要があります。紛失やき損の場合は別途提出書類(本人確認書類や紛失届など)が増えるため、事前に窓口へ相談してください。

次に、籍訂正・免許証書換え交付申請書を用意します。これは氏名変更(および本籍地変更)用の公式な申請書です。様式は厚生労働省のウェブサイトからダウンロードできるほか、各保健所の窓口でも配布されています。申請書には後述するように現在の氏名や旧姓・新姓、免許証の番号、変更年月日など必要事項を記入します。用紙はA3判の用紙(両面)となっていることが多いので、ダウンロードする場合は印刷環境にも注意しましょう。窓口で直接もらえばサイズや様式の不備を心配せずに済みます。

そして、手数料として登録免許税に相当する収入印紙(1,000円分)を申請書に貼付します。この1,000円という金額は、氏名変更や本籍地変更の件数にかかわらず一件の申請につき一律で必要な費用です(※かつては変更項目ごとに1,000円ずつ必要でしたが、現在はまとめて申請しても1,000円で済みます)。収入印紙は郵便局や法務局で購入できます。保健所の窓口では販売していないため、事前に必要額の収入印紙を用意して申請書に貼り付けて提出してください。

そのほか、申請者の住所氏名を記載したハガキ(登録済証明書用ハガキ)を提出することで、手続き中に使える「登録済証明書」の発行を依頼することができます。登録済証明書とは、新しい免許証が交付されるまでの間に資格証明として使用できる仮の証明書で、有効期限は証明日から2か月間です。希望者のみの任意提出ですが、勤務先などから「氏名変更手続き中である証明が欲しい」と求められた場合に備えて、出しておくと安心です。申請時に専用ハガキ(または官製ハガキ)に85円切手を貼って提出すると、厚生労働省での登録後に証明書が郵送されてきます。

最後に、変更手続きが遅れた場合の遅延理由書にも触れておきます。もし戸籍の変更日から30日を過ぎて申請する場合、申請書の所定欄(裏面)に遅れた理由を記載する必要があります。具体的な書き方については後述しますが、この遅延理由書も申請時に提出すべき書類の一つとなります。以上が基本的な必要書類です。次の章では、これら書類を使ってどのように申請手続きが進むのか、その流れを解説します。

歯科医師免許の氏名変更はどう申請し、どんな流れになる?

必要書類の準備が整ったら、いよいよ正式な申請手続きを行います。歯科医師免許の氏名変更(歯科医籍訂正)申請は、書類提出から新しい免許証の受け取りまで一定の時間と手順を要します。ここでは保健所での申請から厚生労働省での処理、新免許証の交付に至るまでの流れと、処理にかかる期間や仮証明の活用について説明します。

保健所への申請から新免許交付まで

まず、準備した書類一式(申請書、免許証、戸籍抄本など、収入印紙貼付済みのもの)を住所地の保健所窓口に提出します。窓口では担当者が書類をチェックし、不備や不足がなければ受理されます。提出後、保健所(または都道府県の担当部局)から厚生労働省医政局の試験免許室へ書類が送付され、そこで歯科医籍(全国の歯科医師名簿)の訂正手続きが行われます。具体的には、あなたの旧姓を新姓に修正する登録作業がなされ、その後新しい氏名が記載された歯科医師免許証が発行されます。

新免許証の交付方法は自治体によって多少異なります。多くの地域では申請した保健所で新しい免許証を受け取る形になっており、交付準備ができた旨の連絡を受けてから本人(または委任状を持った代理人)が窓口に取りに行きます。一方、自治体によっては申請時に簡易書留用の切手を収入し、新免許証を郵送で受け取れるよう手配してくれる場合もあります。例えばさいたま市では、申請から3~4か月後に出来上がった免許証を原則として簡易書留で郵送する運用となっています。自分の地域が「窓口受取」か「郵送対応」かは、申請時に確認しておくと良いでしょう。いずれにせよ、新しい免許証が発行された後は、古い免許証は回収されたままとなります(※手元には戻りません)。新旧の免許証番号は同一で、発行日付と氏名のみが更新される形です。

手続きにかかる期間と臨時証明書

氏名変更の届け出をしてから新しい免許証を受け取るまでの期間は、概ね1~2か月程度と案内されています。厚生労働省の案内によれば、申請書類が厚労省に到着してから交付までに通常約1~2か月を要するとのことです(年度末の3~5月など繁忙期はさらに時間がかかる場合あり)。これは申請の集中状況によっても前後しますが、少なくとも数週間から1、2か月程度は新免許証が手元に届くまで時間がかかると見込んでおきましょう。例えば2025年現在、東京都では申請から交付まで平均して1~2か月程度との案内が出ています。一方、さいたま市は通常3~4か月程度要するとも案内しており、地域や時期によって差があることが分かります。なるべく時間に余裕を持って手続きを済ませることが望ましいでしょう。

このように交付まで時間がかかるため、申請中に歯科医師免許証が手元にない期間が生じます。勤務先や関係機関に対して資格を証明しなければならない場面がある場合は、前述した「登録済証明書」を活用しましょう。登録済証明書は、厚生労働省が歯科医籍への登録訂正を行った証明として発行するもので、有効期限が2か月間の仮免許証のようなものです。氏名変更手続き中であることを示す公式な書面になりますので、職場などに「新しい免許証が届くまでの証明書を提出してください」と言われた場合に役立ちます。

登録済証明書を希望する場合は、申請時に所定のハガキに必要事項を記入し85円切手を貼って提出しておきます。申請書類とともにそのハガキが厚労省に送られ、名簿訂正が完了次第、記載された住所宛に証明書が郵送されてきます。証明書には「〇年〇月〇日付で氏名を〇〇から〇〇に変更登録した」旨などが記載され、正式な免許証が届くまでの間これをもって資格証明に代えることができます。有効期限の2か月を過ぎて新免許証がまだ届かない場合は、延長はできませんが証明書の再発行を申請することも可能です(オンラインでも発行手続き可能な職種もあります)。

氏名変更の申請書はどう書けばいい?

氏名変更手続き用の申請書(籍訂正・免許証書換え交付申請書)は、公的な書類であり記入にはいくつかの決まりや注意点があります。ここでは申請書の氏名欄の正しい書き方と、遅延理由書や備考欄の記入方法について説明します。正確に記入することで手続きがスムーズに進み、不備による差し戻しを防ぐことができます。

申請書の氏名欄の記入方法

申請書の「氏名」欄には、現在の戸籍に記載されているとおりの氏名(新姓)を記入します。これは非常に重要なポイントで、例えば結婚して苗字が「山田」から「鈴木」に変わった場合、申請書の氏名欄には戸籍上の新姓「鈴木」を正確に記入します。戸籍に登録されている漢字や読みがなを省略せず、そのまま書き写すようにしましょう。旧姓での署名や通称名の記載は認められません。また、戸籍と異なる略字や俗字を使うのも不可です。正式な文字で新しい氏名を記入してください。

なお、申請書には旧姓も併記する欄が設けられている場合があります。様式によりますが、「旧氏名(旧姓)」欄や、氏名欄の近くに旧姓を記入するスペースがあれば、そこに以前の姓(旧姓)を記載します。例えば「旧氏名:山田」といった具合です。ただし旧姓欄がなく、新姓のみを書く形式の申請書でも基本的には問題ありません。添付する戸籍抄本で旧姓から新姓への変更事実は証明されるため、記入欄に従って現在の氏名を正確に書けば大丈夫です。

また、氏名欄のフリガナ欄がある場合は、これも戸籍どおりの読み仮名を記入します。特に結婚等で名字が変わると読みも変わることが多いので、新しい名字のフリガナを書き漏らさないよう注意しましょう。厚生労働省の注意事項でも「申請書等の氏名欄には戸籍に記載されている文字で記入してください」と明記されています。新姓への改姓後は迷わず新姓を記入することが肝心です。

遅延理由書・備考欄の書き方

氏名変更の届け出が30日以内に間に合わなかった場合は、申請書の裏面や別紙に遅延理由書(届け出が遅れた理由の説明)を記入して提出する必要があります。遅延理由書は形式張ったものではなく、自由記述で構いません。例えば「結婚後の引越し等が重なり手続きが遅れました」「諸事情により届け出が遅延しました」など、簡潔に遅れた理由を記載します。あまり詳細に書きすぎる必要はありませんが、「うっかり忘れていた」のような率直な理由でも問題なく受理されています。重要なのは、遅れたことを放置せず理由書を添えて手続きを行うことです。

申請書の様式によっては、裏面下部に「遅延の理由」欄が設けられているので、該当する方はそこに記入します。用紙に欄がない場合や書き切れない場合は、別紙に理由を書いて添付しても構いません。理由書には日付・氏名を記入し、捺印が求められるケースもあります(申請書自体に押印欄が無い場合でも、理由書には署名または押印するよう求められることがあります)。書式は窓口で指示がありますので、それに従ってください。

また、申請書表面の「備考欄」が空いている場合には、必要に応じて補足事項を記入します。例えば「○○大学附属病院勤務、旧姓で活動中」など、免許行政上伝えておきたい事項があれば簡潔に書きます。ただし通常の氏名変更手続きでは、備考欄に特記すべきことは特にありません。備考欄は空欄でも差し支えないでしょう。強いて言えば、同時に旧姓併記を希望する場合に「旧姓併記希望」と一言書いておくと親切かもしれません(戸籍抄本の提出で判断されるので必須ではありません)。

いずれにしても、届出が遅れた方も速やかに手続きを行えば免許証の書換え自体は問題なく進みます。遅延理由書を含め、書類の書き方で不安がある場合は提出前に保健所で確認すると良いでしょう。正確に記入された申請書と必要書類が揃えば、後は新しい免許証が交付されるのを待つだけです。

歯科医師免許に旧姓を併記することはできる?

結婚等で苗字が変わっても、仕事上は旧姓のままで通したいと希望する歯科医師も多くいます。研究論文や職場での呼称など、旧姓のほうが周知されているケースもあるからです。こうしたニーズに対応するため、歯科医師免許証に旧姓(旧苗字)を併記する制度が整備されています。つまり、新しい免許証に旧姓もあわせて記載してもらうことが可能です。以下では旧姓併記のメリットと、その手続き方法について解説します。

旧姓併記のメリットと制度

旧姓併記とは、婚姻等で姓が変わった場合に、新姓だけでなく旧姓も免許証上に付記して表示できる制度です。例えば旧姓が「山田」、新姓が「鈴木」の場合、新しい免許証の氏名欄に「鈴木(山田)」といった形で両方の姓が記載されます。旧姓のみを単独で記載することはできませんが、新姓の後にカッコ書きで旧姓を残すことが認められているのです。この制度により、結婚前の名字で築いた信用や実績を、新姓へ変更後も免許証上で確認できるようになります。

旧姓併記のメリットは、職場や学会などで旧姓を引き続き使用しやすくなる点です。免許証という公式な資格証明書類に旧姓が併記されていれば、対外的な証明の場面でも「旧姓=本人」であることを説明しやすくなります。患者さんや同僚が旧姓になじみ深い場合でも、免許証に旧姓が書かれていれば安心です。日本医師会の調査でも、多くの医師・歯科医師が結婚後も旧姓で働き続けたいと希望しており、この旧姓併記制度はそうしたニーズに応えるものと言えます。

制度自体は2018年頃から本格的に運用が始まりました(それ以前は戸籍名のみの表記が原則でしたが、関係団体の働きかけもあり制度変更されました)。ただし注意点として、旧姓併記をしていても、万一免許証を紛失・再発行する際にはその時点の戸籍姓(新姓)のみで再発行される決まりがあります。つまり旧姓併記はあくまで現在の免許証に旧姓を載せておけるという措置であり、将来にわたって旧姓使用が法的に保障されるわけではありません。とはいえ、日常の実務においては免許証さえ手元にあれば旧姓の証明ができますので、希望者にとって有用な制度であることは間違いありません。

旧姓併記のための必要書類

旧姓併記を希望する場合、基本的な手順は通常の氏名変更と同じですが、提出書類に注意が必要です。具体的には、戸籍抄本(または謄本)を用意する際に必ず旧姓から新姓への変更経過がわかるものを取得し、添付しなければなりません。通常の氏名変更手続きでも戸籍抄本は必要ですが、旧姓併記では特にその戸籍で旧姓と新姓の両方が確認できることが重要です。市区町村役場で戸籍を請求する際には「結婚による氏名変更の履歴が載った戸籍抄本が欲しい」旨を伝えると確実でしょう。

実務上、現在の戸籍に改姓の履歴が記載されていればその戸籍抄本だけで足りますが、戸籍が改製されていて最新の戸籍に旧姓の記載がない場合は、改製原戸籍や除籍謄本などを追加で取得する必要があります。いずれにせよ、旧姓併記をするには役所発行の書類で旧姓と新姓のつながりを証明することが必須です。通常の氏名変更手続き以上に戸籍書類が重要になる点に留意してください。

旧姓併記の申請そのものは、氏名変更の届け出と同時に行います。申請書に明確な旧姓併記希望欄がない場合でも、提出書類によって旧姓併記を希望していることが判断されます。例えば板橋区の案内では「免許証の氏名に旧姓の併記を希望する場合には、氏名の変更経過が確認できる戸籍抄本が必要」とされています。裏を返せば、変更経過がわかる戸籍を添付すれば免許証に旧姓も記載してもらえるということです。

必要に応じて、申請書の備考欄や窓口で「旧姓併記を希望します」と伝えておくと確実でしょう。交付される新しい免許証には、新姓の後に括弧書きで旧姓が記載されます。例えば「氏名:鈴木花子(山田)」という形式です(医師免許証では既にそのような記載例が報告されています)。旧姓併記の免許証が手に入ったら、職場の名札や各種登録でも旧姓を使用しやすくなるでしょう。公的書類上は新姓に一本化しつつ、仕事の場では旧姓も公式に示せるので、結婚後もキャリアを継続しやすくなる利点があります。

本籍地が変わったら免許の変更手続きは必要?

歯科医師免許証には氏名のほか「本籍地の都道府県名」が登録・記載されています。そのため、戸籍上の本籍地を変更した場合(例:結婚して夫の本籍に入った、転籍した等)にも、歯科医籍の訂正手続きを行う必要があります。ただし、本籍地の変更手続きについては一つ注意点があり、同じ都道府県内で本籍地を移した場合には手続き不要という例外があります。以下で詳しく説明します。

本籍地変更も歯科医籍の訂正対象

歯科医籍に登録される「本籍地」とは戸籍の属する都道府県名のことです。例えば戸籍が東京都品川区にあれば「本籍地:東京都」、大阪府内にあれば「本籍地:大阪府」と免許証に記載されています。もし結婚や転籍によって本籍地の都道府県が変わった場合(例:東京から神奈川へ、本籍を夫の地元に移した等)、氏名変更の場合と同様に30日以内に届け出が必要です。これは歯科医師法施行令で定められた登録事項の変更に該当し、氏名と同じく義務として手続きを行わねばなりません。

具体的には、氏名変更時と同じ申請書を用いて「本籍地◯◯県から◯◯県への変更」を届け出ます。必要書類もほぼ同様で、戸籍謄本/抄本(新しい本籍地が記載されたもの)を添付し、免許証原本を提出して訂正を受けます。手数料も1,000円の収入印紙で変わりません。本籍地の変更届け出と氏名変更届け出が同時に発生した場合でも、まとめて一度の申請で手続きできます(この場合も収入印紙は合計1,000円です)。

注意すべきなのは、本籍地の都道府県名が変わった場合のみが対象だという点です。次で述べるように、都道府県の範囲内で本籍を移しても免許証の記載事項は変わらないため、手続きは不要となります。逆に県境をまたぐ本籍変更(例:東京都から神奈川県へ)は必ず手続きが必要ですので、見落とさないようにしましょう。

同一都道府県内の本籍地移動は不要

本籍地変更の届け出については、同じ都道府県内で本籍地を移しただけの場合は手続きをする必要がありません。これはどういうことかというと、免許証には本籍地の「都道府県名」しか記載されていないため、都道府県が変わらない移動(例えば東京都内で本籍を〇〇区から△△市に移した等)では免許証記載事項に変更が生じないからです。 免許証上は引き続き「本籍地:東京都」のまま変わりませんので、わざわざ訂正する必要がないという理屈になります。

一方、本籍地が都道府県レベルで変わる場合(例:大阪府から兵庫県へ本籍を移した)は免許証の都道府県名表記も変わるため、届け出が必要になります。これをまとめると、「免許証に記載された都道府県名が変わる本籍移動なら手続き要、変わらないなら手続き不要」ということです。ちなみに日本国籍でない方の場合、本籍地欄は国籍となっていますので、国籍そのものが変わった(例:帰化により国籍日本に変更等)ケースでは変更届け出が必要になると考えられます。この点も実務上は氏名変更とほぼ同様の扱いです。

以上を整理すると、例えば結婚して配偶者の本籍(同じ都道府県内)に入っただけで都道府県は変わらなかった場合は氏名変更の届け出だけすればOKですが、結婚により本籍が他県に移った場合は氏名変更と本籍地変更の両方の届け出が必要、ということになります。自治体の案内でも「免許証に記載の都道府県内で本籍地が変わる場合は手続き不要」と明記されていますので(氏名変更は必要)安心してください。自分のケースがどちらに当たるか不明なときは、保健所に問い合わせれば判断してもらえます。

歯科医師免許は住所変更の届け出が必要?

歯科医師免許の登録事項に「現住所」は含まれません。そのため、引越しなどで居住地の住所が変わっても、歯科医籍の訂正手続きは必要ありません。ここでは免許証に登録されている情報と、住所変更時に気を付けるべき点について説明します。

免許証に登録される情報は本籍地

日本の医師・歯科医師免許証には、氏名や本籍地(都道府県名)、生年月日、免許番号、発行日などが記載されていますが、現住所(居所)の記載欄はありません。免許証における「本籍地」は本人確認情報の一部として用いられるもので、現住所とは別物です。例えば免許証に「本籍地:北海道」とあっても、それは戸籍が北海道にあることを示すだけで、現在どこに住んでいるかは示していません。

したがって、引越して住所が変わっても免許証自体の記載事項には影響がないことになります。歯科医籍(名簿)にも住所の登録項目は無いので、厚生労働省や都道府県に対して住所変更を届け出る必要もありません。住所変更届が必要なのは運転免許証のように現住所が記載されている証明書の場合であり、歯科医師免許証はそれとは異なる性質です。極端な話、国内どこに転居しても免許証の氏名と本籍地が変わらなければ、名簿訂正の手続きは一切不要です。

住所変更では免許の訂正は不要

上述のように、歯科医師免許に関して住所変更の届出義務はありません。引越し先がどこであれ、免許証は今までどおり有効であり、特に行政手続きをする必要はないのです。例えば転勤で別の都道府県に引っ越した場合でも、免許証は引き続き使用できます。住所が変わったことを理由に免許証を書き換える制度もありません。

ただし、歯科医師として勤務する上では別の手続きが発生する可能性があります。それは保険医(保険診療の担当医)に関する登録情報の変更です。もし引越しによって管轄の地方厚生局の区域をまたぐ場合(例:関東信越厚生局管内から東海北陸厚生局管内へ異動する等)や、氏名が変わった場合には、保険医登録事項の変更届を提出する必要があります。この手続きは歯科医師免許とは別に、健康保険法に基づいて各地方厚生(支)局に届け出るものです。たとえば保険医として東京から大阪に転居した場合や、結婚で姓が変わった場合には、所轄の地方厚生局に対して保険医名簿の訂正届を出す必要があります。保健所では扱っていないのでご注意ください。

保険医登録に関する届け出は本題とは別手続きですが、実務上は重要ですので概略に触れました。歯科医師免許そのものについては、住所変更のみなら手続き不要と覚えておきましょう。引越し後も免許証はそのまま使用できますが、紛失しないよう大切に保管してください。

歯科医師免許の氏名変更をまだしていないときはどうする?

「結婚後しばらく経つのに、歯科医師免許の姓変更手続きを忘れていた」という場合でも、できるだけ早く手続きを行えば問題ありません。ここでは、30日を過ぎてしまった場合の対処と、迷ったときの相談先についてまとめます。大切なのは放置せず行動を起こすことです。

30日を過ぎてしまった場合の対応

氏名や本籍地の変更から30日を経過していても、速やかに申請すれば免許証の書換え交付を受けられます。前述のとおり、申請書裏面などに遅延理由書を記載し提出すれば、原則として受理されます。ペナルティとして追加の費用が課されることもなく、手数料も通常どおり1,000円です。ですので「今からでは遅いから…」と諦める必要は全くありません。

ただし、変更から時間が経っている場合は提出書類に注意が必要です。特に戸籍抄本について、現在の姓に至るまでの変更履歴をすべてカバーできるものを用意しなければなりません。例えば5年前に結婚して姓が変わったが手続きをしていなかった場合、その5年前の改姓事実が載った戸籍抄本を取る必要があります。既に戸籍が改製されているときは改製原戸籍も必要になるかもしれません。 手続きが遅れた方は、申請前に一度保健所に相談すると「どの戸籍を取れば良いか」などアドバイスをもらえるでしょう。

また、免許証の旧姓と現姓が大きく異なる状態で業務を続けていると、公的な書類提出時などに不便が生じることがあります。勤務先によっては早めの手続きを促されるケースもありますので、遅れてしまった場合でも一刻も早く届け出ることが自分のためにも望ましいです。

不安なときは保健所に相談する

氏名変更の届け出を長期間していなかった場合、「今から出して叱られないだろうか」「必要書類がちゃんと揃うだろうか」など不安に思うかもしれません。そのようなときは、迷わず所轄の保健所に相談しましょう。保健所の担当者は過去にも同様のケースを数多く扱っていますので、親身に状況を聞いた上で適切な案内をしてくれます。「〇年前に改姓したが未手続き」であることを伝えれば、戸籍書類の集め方から遅延理由書の書き方まで具体的に教えてもらえます。

問い合わせ先は、氏名変更手続きの通常の窓口と同じで構いません。保健所の他、都道府県の衛生主管課や厚生労働省医政局の免許登録係でも相談を受け付けています。電話や窓口で事情を伝えれば、「まず戸籍をこのように取得してください」「申請書のここにこう書いてください」といった具体策を教えてもらえるでしょう。決して叱責されたり罰則を受けたりすることはありませんので、安心して問い合わせて大丈夫です。

なお、届け出を怠ったまま放置することは法令上好ましくありません。極端に長期間(例えば改姓から何年も)未届ですと、場合によっては行政から注意喚起を受ける可能性もゼロではないでしょう。しかし実際には、本人が届け出ない限り免許証の旧姓は更新されず放置されるだけです。ですから、「今から手続きして間に合わせよう」という姿勢が何より重要です。幸い、厚生労働省も窓口での相談やフォロー体制を整えており、板橋区など自治体の案内にも「申請期限を過ぎている方は事前にお問い合わせください」と丁寧に書かれています。

最後になりますが、苗字の変更や本籍地の異動は人生の大きな節目であり、つい歯科医師免許の届出は後回しになりがちです。しかし歯科医師という専門職にとって免許は最も根本的な資格証です。公的な信用を保つためにも、氏名や本籍地に変更があった際はできるだけ早めに正規の手続きを踏むようにしましょう。疑問点は専門機関に確認しつつ、確実に手続きを完了させることが大切です。変更手続きを済ませておけば、今後安心して歯科医師としての業務に専念できますし、公式書類上の不整合に悩まされる心配もなくなります。ぜひ本記事の情報も参考にして、円滑に氏名変更の届け出を進めてください。

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