歯科医師に休みはある?一般的な土日休みとの違いや休みの日の過ごし方などについて解説!
歯科医師にも当然ながら休日はあります。しかし、その休みの取り方や頻度は、一般的な会社員の土日休みとは少し異なります。多くの歯科医院は患者さんの都合に合わせて土曜や日曜も診療するため、歯科医師の休日は平日になるケースが多いのです。また、求人票に記載される「週休2日制」「完全週休2日制」などの言葉には注意が必要で、実際の休み方に違いがあります。本記事では、歯科医師の休み事情について、一般的な土日休みとの違いや勤務先ごとの傾向、求人情報の読み解き方、さらに歯科医師が休日をどのように過ごしているかまで詳しく解説します。
歯科医師に休みはあるの?
まず結論から言えば、歯科医師にもきちんと休みがあります。 ただし、その休みは一般企業のように毎週決まって土日に取れるとは限りません。法律の上でも、労働者には週に最低1日は休日を与えることが義務付けられており、歯科医師も例外ではありません。多くの歯科医院では週1日以上は必ず休診日が設けられており、その日に歯科医師も休みを取っています。
では、歯科医師の休日が一般の会社員と異なる点は何でしょうか。一つには、患者さんのニーズに合わせて診療日が設定されていることが挙げられます。平日は患者が通院しにくいため、多くの歯科医院では土曜日や日曜日にも診療を行います。その結果、歯科医師の休みは「日曜+平日1日」といった形になる場合が多く、土日が両方休みになるケースは少ないのです。また、小規模な歯科医院では人員が限られているため、交代で長期の休みを取りにくい事情もあります。つまり、歯科医師には休みがあるものの、休みの曜日や日数が一般的な土日休みとは異なることを理解しておきましょう。
週に1日以上の休日は法律で義務付けられている
歯科医師の勤務形態を考える前提として、労働基準法による休日の定めを確認しておきます。日本の労働基準法では「毎週少なくとも1日、または4週間で4日以上」の休日を与えることが使用者の義務とされています。これは歯科医師に限らずすべての労働者に適用されるルールで、仮に忙しい職場であっても4週のうち4日は必ず休ませなければならないという最低ラインです。したがって、どんな歯科医院でも法的には月に4日以上の休日(週平均1日)は確保されています。
ただし、この「週休1日」のルールはあくまで最低限であり、実際には多くの歯科医院で週休2日相当の休みを設けています。後述するように、「週休2日制」や「完全週休2日制」という形で週に2日の休みを設定する職場が一般的ですが、その休みが土日に固定されているかどうかが一般企業との違いとなります。
歯科医師の休日は一般的な土日休みとどう違う?
歯科医師の休日パターンは、会社員の土日休みと大きく異なる場合があります。 一般企業であれば土曜日・日曜日が休日というケースが多いですが、歯科医院では必ずしもそうではありません。多くの歯科医院では日曜日は休診日とする一方で、土曜日は午前中だけ診療して午後は休みにする、あるいは平日にももう1日休診日を設けるといった形態を取ります。例えば「日曜+水曜が休み」「日曜+木曜午後休診」といった具合です。
なぜこのように平日が休みになる歯科医院が多いのでしょうか?一つは前述の通り患者さんの都合です。平日は仕事や学校で忙しい患者さんのために、土曜(や地域によっては日曜)も診療する医院が多いため、その代わりにどこか平日に休みを取らざるをえません。特に木曜日を休診日にする歯科医院が多いのは昔からの慣習も関係しています。かつては木曜に歯科医師会の研修会や勉強会が開催されることが多かったため、多くの歯科医院が木曜を定休日にしていたのです。現在では研修やセミナーは土日に行われることも増え、必ずしも木曜休みに固執しない医院もありますが、それでも水曜または木曜を休みに設定する医院が比較的多い傾向があります。
もう一つの理由は人手不足と小規模経営です。ほとんどの歯科クリニックは医師1人、衛生士や助手数名という少人数で運営されています。このため、土日にしっかり休もうとすると診療日が減ってしまい経営上難しい場合や、交代で休みを回すだけの人員確保が難しい場合があります。結果として、「日曜+平日1日休み」「土曜午後と日曜休み」といった形で、週に1.5日〜2日程度の休みを確保するのが一般的になっているのです。
歯科医院の休診日はなぜ平日に多い?
以上の背景から、歯科医院では平日を休診日に充てるケースが多く見られます。具体的には「日曜日+平日1日休み」が典型例で、平日の中でも水曜か木曜を休みにする医院が目立ちます。このように平日に休みがあると、平日休みのメリットとして役所の手続きや銀行など、土日休みでは行きにくい用事を済ませやすい利点もあります。一方で土日休みではないデメリットとして、配偶者や友人と休日が合わず一緒に過ごしにくい、といった点も挙げられるでしょう。
なお、地域によっては年中無休で診療する歯科医院も存在します。都市部など競争が激しいエリアでは、患者サービスの一環としてあえて休診日を設けずシフト制で運営する所や、急患対応のため24時間・無休の歯科医院も一部あります。そうした特殊なケースを除けば、一般的には週1~2日の休みを設けているのが普通です。ですから、「歯科医師には休みがないのでは?」と心配する必要はありません。ただし休みの曜日が土日とは限らない点で、他職種とのスケジュールの違いが生まれやすい点は留意してください。
クリニック勤務と病院勤務で休日はどう違う?
歯科医師の勤務先として大きく分けると、町の歯科クリニック(開業医)で働く場合と、大学病院や総合病院の歯科口腔外科などで働く場合があります。これらでは勤務形態や休日の取り方に違いが見られます。
まず、一般的な歯科クリニック勤務の歯科医師の場合です。クリニックでは診療時間が予約制で管理されていることが多く、よほど患者対応が立て込まない限り残業はそれほど多くありません。診療終了時間になれば比較的定時に帰宅でき、夜間の急患対応なども滅多にないため、勤務時間は規則的です。休日は先述したようにクリニックの休診日に合わせて取得します。多くの街のクリニックでは完全週休2日か月8〜9日程度の休日体制を敷いており、きっちり休みを取れると考えて差し支えありません。実際には学会参加などで自主的に出勤しない週もありますが、それは後ほど触れる「休日の過ごし方」の話になります。
一方、大学病院や大規模病院で勤務する歯科医師の場合は、少し事情が異なります。病院勤務医は入院患者や全身疾患を抱える重症患者の対応もあるため、夜間や休日に呼び出しがかかったり、当直勤務をするケースがあります。例えば、救急で顎骨骨折の患者さんが搬送されれば夜中でも対応しなければならないことがありますし、患者容態によっては休日出勤が発生することもあります。その分、平日に代休を取得したり他のスタッフと勤務を調整して希望日に休むことも可能ではありますが、クリニック勤務に比べると休日が不規則になりがちです。
歯科クリニック勤務は規則的で残業も少ない
一般的な歯科クリニック(開業医や民間歯科医院)で働く歯科医師は、比較的規則正しい勤務リズムで働ける傾向にあります。診療時間は朝から夕方まで(例えば9時~18時や19時まで)に設定されていることが多く、予約制のため大幅な診療の遅れや長時間の残業は生じにくいです。患者対応が終われば当日のカルテ整理や器具の片付けを行い、概ね決まった時間に業務が終了します。
クリニックの休みもあらかじめ決まっており、クリニックの休診日=歯科医師の休日となります。例えば「水曜・日曜休診」の医院であれば毎週水曜と日曜が歯科医師の休みですし、「木曜午後・日曜休診」であれば日曜と木曜午後+他の半日が休みという形です。このように勤務スケジュールが安定しているため、生活リズムも整えやすく、プライベートの予定も立てやすいでしょう。緊急の呼び出しがかかることもほとんどなく、休日はしっかり休息や趣味に充てやすい環境です。ただし、経営者である院長(開業医)の立場の場合、休みの日にも経営のことを考えたり勉強したりと自主的に動くことはありますが、それは本人の裁量による部分が大きいです。
大学病院の歯科医師は当直や休日出勤もありうる
大学病院や総合病院で勤務する歯科医師(いわゆる病院歯科医)は、クリニック勤務と比べて不規則な勤務となる場合があります。大学病院の口腔外科などでは、夜間や休日に救急患者を受け入れることがあるため、当直勤務が課されることがあります。例えば月に数回、夜通し病院に待機して救急の口腔外科症例に備えるといった当直が回ってくることもあり、そうした場合は通常の休みが削られてしまうことになります。
また、入院患者を受け持つ場合は土日であっても病棟回診や緊急処置のため休日出勤が発生するケースもあります。大学病院では医科の当直医と同様に、緊急時の呼び出しがまれにかかることもあり、プライベートの予定が直前で変更になることも否めません。そのため、病院勤務の歯科医師はクリニック勤務に比べ休日が不定期になりがちです。
もっとも、大学病院でもスタッフ間で休みの調整をすることは可能です。事前に申請すれば希望の日に休暇を取ったり、有給休暇をまとめて取得して連休にすることも十分できます。勤務先によっては振替休日制度が整備されており、週末に出勤した代わりに平日休みを取得することもあります。総じて言えば、病院勤務の歯科医師は忙しい反面、柔軟な働き方もできる余地があるということです。研修医の時期などは勤務が厳しいこともありますが、キャリアが進めば自分で休みを調整しやすくなる傾向にあります。
歯科医師の休日制度にはどんな種類がある?
歯科医師の求人情報を見ると、「休日:週休2日制(シフト)」「完全週休2日制(木・日)祝日あり」など様々な書き方がされています。歯科医師の休日制度にはいくつかのパターンがあり、それぞれ意味が異なります。ここでは求人票でよく見られる休日制度の種類と、その違いについて解説します。
完全週休2日制と週休2日制の違い
求人票における「完全週休2日制」と「週休2日制」は、一見似た表現ですが、実際には意味が大きく異なるので注意が必要です。
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完全週休2日制:文字通り毎週必ず2日の休日が確保される制度を指します。1年間を通じて週2日の休みが維持され、一度でも週1日しか休めない週があれば「完全週休2日制」とは言えません。多くの場合、毎週決まった曜日(例えば日曜と平日1日)が休日となります。
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週休2日制:こちらは月に1回以上、週2日の休みがあることを指します。最低でも月1回は「2連休の週」があるという意味で、極端な場合4週のうち1週だけ2日休みで、他の週は週1日休みというケースも含まれます。つまり、毎週2日休みが保証されているわけではないのです。
例えば、「基本は木曜と日曜が休みだが、月に1回だけ日曜診療の日がある」といった歯科医院では、月によっては週1日しか休みがない週が生じます。この場合、「完全週休2日制」ではなく「週休2日制」と表記されます。一方、毎週必ず木曜・日曜休みなら完全週休2日制です。
注意したいのは、祝日の扱いです。歯科医院では祝日を休診にすることが多いですが、その場合の振替出勤の有無がポイントになります。求人票で「完全週休2日制」とあっても、「祝日のある週は平日の休診日に振替診療する」という医院もあります。この場合、その週は結局週2日(祝日+日曜)しか休めず、平日休みがつぶれるため、「完全週休2日」の条件を満たしています。一方で「祝日があっても振替出勤なし」の医院では、祝日の週は週3日休みになることもあります。このようなケースは求人票で「週休2日制(祝日休み)」などと書かれることがあり、一見すると完全週休2日より休みが少ないように思えますが、実際は祝日分多く休めるため労働者にとって有利です。
💡ポイント: 求人票で「完全週休2日制」と書かれていても、祝日の週の振替出勤があるかどうかを確認しましょう。「完全週休2日=毎週2日休み」なので振替があっても形式上問題ありませんが、実際の休日総数は減ります。逆に「週休2日制(振替なし)」のほうが年間の休みは多くなるケースもあります。近年では「祝日の振替出勤なし」の歯科医院も増えてきているため、面接時には祝日を含めた休日体制を質問することをおすすめします。
週休2.5日制・週休3日制を採用する歯科医院も増加中
従来は週休2日が主流でしたが、最近では週休2.5日制や週休3日制を掲げる歯科医院も登場しています。週休2.5日制とは、週に2日+半日の休みがある形態です。例えば「週休2日+平日半日休み」といった具合で、半日勤務の日を設けて実質的な休みを増やす工夫です。あるクリニックでは「週休2日(木・日)に加え平日半日休み」を取り入れ、さらに毎日の昼休みを2.5時間と長めに設定することでメリハリのある働き方を実現している例もあります。
また、思い切って週休3日制を導入する歯科医院も出てきています。週休3日制では毎週3日休みとなるため、年間休日は150日程度と格段に増えます。疲労回復やプライベート充実のメリットが大きく、特に子育てや介護と両立したいスタッフには好評です。歯科医院で週休3日を実現するには、人員配置を増やしてシフト制にするなどの工夫が必要ですが、一部では「診療日は長めの時間働き、その代わり休日を増やす」という勤務形態で実現されています。
ただし週休3日制には給与面のデメリットもあり得ます。勤務日数が減るぶん基本給を抑えるケースもあるため、収入とのバランスを考える必要があります。それでも働きやすさを重視して週休3日を取り入れる院長も増えており、近年の働き方改革の流れも相まって少しずつ浸透しつつあります。求人情報でも「週休3日応相談」「完全週休2日または3日選択可」といった記載を見かけることがあります。自分のライフスタイルに合った休日制度を選べる求人があるのは、求職者にとって嬉しい傾向と言えるでしょう。
固定休とシフト休の違い
歯科医師の求人には「休日:日曜+平日1日(シフト)」のように書かれていることがあります。ここで出てくる「固定休日」と「シフト休日」の違いも押さえておきましょう。
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固定休日:特定の曜日が常に休日になる方式です。例えば「毎週日曜日と毎週木曜日が休み」のように、休みの曜日が決まっています。このメリットはプライベートの予定を立てやすいこと。毎週同じリズムで休めるため習い事や家族との予定も組みやすく、生活のリズムが安定します。デメリットは平日に用事ができた際に休みをずらせないことですが、その場合は有給休暇を使うなどの対応になります。
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シフト休日:曜日が固定されず、毎週または毎月の勤務表で休みの日を調整する方式です。歯科医院では、日曜だけ固定休にして他の休みはスタッフ間で交代制にするケースがあります。例えば「日曜日+他1日はローテーションで休み」といった形です。シフト休日のメリットは、他の日に用事ができた場合に休みを振り替えてもらいやすいこと。平日で特定の予定がある場合、その週だけ休みの曜日を変えるといった柔軟な対応が可能です。一方デメリットは休みの曜日が一定せず予定を立てにくいことです。毎月シフトが出るまでどの日が休みかわからないため、長期的なプライベート計画が立てづらい面があります。
実際の求人では、「日曜+平日1日(シフト制)」という条件が多く見られます。この場合、日曜は必ず休みで、もう1日は毎週あるいは毎月決められた日に休むという意味です。面接時にはシフト休日の運用について、「希望はどの程度聞いてもらえるのか」「月ごとに休み希望を申請できるのか」などを確認すると良いでしょう。固定休かシフト休かで働き方の自由度が変わるため、自分に合ったスタイルかどうか見極めることが大切です。
土日祝休みの歯科医師の仕事はある?
ここまで、歯科医師の休日は平日になることが多いと説明しましたが、「土日祝が休み」という歯科医師の求人も存在します。では、そうした土日祝休みの歯科医師の仕事とは具体的にどんなものがあるのでしょうか。
結論から言えば、土日(祝)休みの歯科医師求人は数は多くありませんが存在します。主に考えられるのは以下のようなケースです。
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行政機関や公的機関で働く歯科医師:たとえば厚生労働省や保健所などに所属する公衆衛生歯科医師や、自治体の歯科健診業務に携わる場合、公務員として勤務するため基本的に土日祝日は休みになります。勤務時間も官公庁の規定に準じており、1日7~8時間程度で残業も少なめです。公務員歯科医師(例えば医系技官や自治体職員)であれば暦通り土日祝休みが原則となります。ただしその分、臨床現場とは違うデスクワーク中心の業務だったり、給与体系が民間開業医より低めだったりという点もあります。
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教育・研究機関で働く歯科医師:大学の歯学部で教員(助手・講師など)として働く場合や、企業の研究職(歯科材料メーカーの開発担当など)として勤務する場合も、基本的には土日祝が休みとなることが多いです。大学勤務の場合、カレンダー通りに授業日程が組まれ長期休暇も大学のスケジュールに準じます。ただし大学病院で臨床も兼務する場合は前述のように土日に呼ばれるケースもゼロではありません。
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企業内歯科医師・産業歯科医:一部大企業では社員向けに歯科診療所を設置していることがあり、そこで勤務する歯科医師は企業の就業カレンダーに沿って働きます。多くは平日昼間のみ開設で、土日祝日は会社自体が休みのため歯科も休診となります。こうしたポジションは数少ないですが、勤務環境としては土日休み・残業少なめで安定しているのが特徴です。
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土日休みの民間クリニック:患者ニーズを考えると珍しいですが、中には敢えて土日を休診にして平日だけ診療しているクリニックもあります。例えば診療時間を平日夜遅くまで延長することで土日は休みにする、高度な専門治療のみを行い来院数を限定している、といった医院です。このような求人は多くありませんが、地域や科目によっては見られます。求人サイトで条件検索すると「土日祝休みOK」の歯科医師求人もヒットします。実際、2025年現在でも都心部を中心に完全土日休みの歯科クリニック求人が散見されます。
行政機関や教育機関の歯科医師は土日休みが基本
前述の行政系の例をもう少し詳しく見てみます。医系技官と呼ばれる厚生労働省の歯科医師採用枠では、国家公務員として勤務し厚労行政に携わりますが、その勤務体制は「原則として土・日・祝日休み」で定時も短めと紹介されています。自治体の歯科保健担当職員も同様に土日休みが基本です。また、学校歯科医(学校医)として学校検診を行う歯科医師は、非常勤扱いで年に数回学校に行く業務なのでまた別ですが、基本的に学校が休みの土日は仕事はありません。
大学の教員(歯学部の講師など)もカレンダー通りの休みです。研究日などで平日が潰れることはありますが、学内規定で土日は休みとなっているのが一般的です。これら行政・教育分野の歯科医師は臨床から離れたキャリアにはなりますが、規則正しい土日祝休みを手にできる代表例と言えます。
クリニック勤務で土日休みを得るには
民間の歯科医院で土日休みを希望する場合、選択肢はかなり限られます。方法の一つは非常勤やパートで勤務先を組み合わせることです。例えば「平日だけ開院のクリニックを掛け持ちする」「自分自身で開業し診療日を平日のみに設定する」といった形です。実際、平日専門の診療所(例えば企業内クリニック)で週数日働き、残りは別の平日診療のみの医院で働くという歯科医師もいます。このようにすれば土日に働かずに済みますが、求人は多くないため見つけるのが大変かもしれません。
もう一つは就職先の条件交渉です。どうしても土日を休みにしたい事情がある場合、面接時に相談してみる価値はあります。例えばある程度規模の大きなクリニックで常勤歯科医が複数いる場合、土日に交代で休みを取得できる可能性があります。「週休2日で土日のいずれかと平日1日が休み」といったシフト制にしている医院もあるため、そうした職場なら隔週で土日連休にするような働き方も理論上は可能です。ただし患者需要を考えると土曜は繁忙日なので、土曜を完全に休みにできる勤務先は少ないのが現状です。
求人数で見ると、「土日祝休み」を条件に検索してヒットする歯科医師求人は確かに存在しますが、ごく少数です。そのため、土日完全休みを最優先にすると就職先の選択肢が狭まる点には注意しましょう。妥協策として「週休3日で日曜含む連休取得可」の職場や、「非常勤で土日以外の曜日を勤務」など柔軟な働き方を検討することもポイントです。近年は働き方の多様化に伴い、歯科業界でも休日重視の求人が徐々に増えていますので、情報収集をしながら自分に合った職場を探してみると良いでしょう。
歯科医師の年間休日はどのくらい?長期休暇は取れる?
次に、歯科医師の年間トータルの休日について考えてみます。週単位ではクリニックごとに休みが異なりますが、年間で見ると一般企業と比べてどうなのでしょうか。また、お盆や年末年始などの長期休暇は取れるのかも気になるところです。
歯科医院の平均年間休日は100〜120日程度
厚生労働省の調査によれば、一般的な企業の平均年間休日数は約120日程度とされています(令和4年度就労条件総合調査)。これは週休2日(年間104日)に加えて祝日や年末年始休暇などを含めた数字です。一方、歯科医院の年間休日数は全国平均でおよそ100〜120日程度とされています。100日というと一般企業より少ない印象ですが、これは土曜診療がある分だけ休日が減る傾向を反映したものです。
実際、週休2日制を採用している歯科医院では年間休日が100〜120日程度、週休2日+祝日休診の場合は120日以上になるというデータがあります。言い換えれば、祝日も含めて完全に休める環境であれば年間120日超、祝日が振替出勤になる場合や土曜が半日勤務の場合は100日前後に落ち着くことが多いということです。この数字には法定の年次有給休暇の消化率は含まれていません。もし有給休暇をしっかり取得できればさらに休みは増える計算ですが、医療業界ではなかなか有給を消化しづらい職場もあるのが実情です。
他業種と比べると、サービス業全般がシフト制で休日が少なめな傾向にあるのと同様に、歯科医療業界も平均すると年間休日はやや少なめです。ただし最近ではスタッフ確保のために休日数を増やす歯科医院もあり、「年間休日120日以上」を打ち出す求人も増えています。週休2.5日や週休3日制を導入して年間休日を大幅に増やす試みも、スタッフの満足度向上や離職防止に効果があるとされ注目されています。
有給休暇や長期休暇は取得できる?
年次有給休暇については、労働者が半年勤続すれば最低10日付与される法定制度があります。歯科医師であっても常勤職員であれば当然この有給休暇は発生します。ただ、実際に有給を「取得できるか」は職場の雰囲気や人員体制によります。小規模な歯科医院では、歯科医師が休む=診療ができないことを意味するため、院長本人以外の勤務医は有給を取りづらいという声もあります。逆に、大きめの医院で複数歯科医師がいる場合は交代で有給を取りやすいでしょう。
近年は働き方改革で年5日の有給休暇取得が義務化されています(2019年施行)ので、歯科医院でも最低限の有給は消化させるようになっています。求人票に「有給:法定通り」などと書かれている場合、その職場では法定の有給日数がきちんと付与され消化できる体制と言えます。とはいえ、患者対応の調整が必要な職種なので、有給をまとめて連続取得して長期旅行…というのは容易ではないかもしれません。実際にはお盆休みや年末年始休みの前後に有給を1〜2日くっつけて連休を伸ばす、といった使われ方が多いようです。
では、お盆(夏季)休暇や年末年始休暇はどうでしょうか。これらは法律上の休日ではなく各医院ごとの任意の休みですが、多くの歯科医院でお盆と年末年始には数日間の休診があります。例えば「8/13〜15は休診」「12/29〜1/3は休診」といった具合で、患者さんにも事前に告知してまとめて休みを取ります。したがって歯科医師もその期間は休みとなります。長期休暇が全くないということはなく、一般企業と同様に夏冬にそれぞれ5日前後の連休が設けられる医院が大半です。
ただし、これも医院によって差があります。中には「祝日以外はカレンダー通り診療し、年末年始も短め」という医院や、逆に「夏季に1週間以上の長期休暇を設定している」医院もあります。求人情報に「夏季○日・年末年始○日」と具体的に記載がある場合は、その休暇日数もチェックしましょう。連続休暇の日数は医院の方針が表れる部分で、長めに確保しているところはスタッフ思いの傾向があります。一方、休暇が短い代わりに有給を使って各自調整するような職場もありますので、自分がどちらを望むかによります。
総じて、歯科医師もまとまった休暇を取る機会はきちんとあります。年末年始休暇はほとんどの医院で設定されていますし、お盆休みも最近はきちんと取る医院が増えました。有給休暇についても法律遵守の流れから取得が奨励されつつあります。ただ、患者対応という職務上、自分ひとり休むとその分患者さんを診られなくなるというプレッシャーも感じやすいため、遠慮してしまう人もいるようです。勤務先を選ぶ際には、有給消化率や休暇取得実績なども可能であれば聞いてみて、休みやすい職場かどうかを見極めると良いでしょう。
歯科医師は休日に何をして過ごす?
最後に、歯科医師が休みの日をどのように過ごしているかについて触れてみます。医師と聞くと「休みの日も呼び出されて忙しいのでは?」というイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし歯科医師は一般的な医師(内科医や外科医)に比べると、休日に緊急対応で呼び出されることは少ない職種です。そのため、休みの日は比較的自分の好きなことに充てやすいと言われています。
休日は趣味や家族との時間に充てられる
歯科医師の多くは、休日にはしっかり休息を取ったり趣味を楽しんだりしています。平日は診療で忙しく体力も使う仕事のため、休みの日くらいはゆっくり体を休めることが大切です。実際、「趣味のゴルフに行く」「買い物や映画鑑賞をする」「家族サービスの時間にあてる」など、一般の会社員と同じようにプライベートを満喫している歯科医師が多いようです。
また、歯科医師は比較的経営者や自営業の方も多い職業ですが、開業医の先生でも休みの日は家族と過ごす時間を大切にしている人が少なくありません。子どもの学校行事に参加したり、一緒に旅行に出かけたりと、オンオフを切り替えているケースが見られます。休日出勤の少なさは歯科医師の働き方のメリットであり、その分プライベートの予定を立てやすい職業と言えるでしょう。
もっとも、勤務先によっては先述のように地域の当番医制度で年に数回休日診療にあたることもあります。そうした場合は休日が潰れてしまいますが、その頻度は多くなく、振替休日が与えられることもあります。総じて言えば、歯科医師は休日の呼び出しがほぼなく、趣味・レジャーや家族との時間を取りやすい職業です。特にクリニック勤務の方であれば、連休には旅行に出かけたりといったことも十分可能でしょう。
学会や研修に参加してスキルアップする人もいる
とはいえ、すべての歯科医師が休みの日を遊んで過ごしているわけではありません。向上心の高い歯科医師にとって、休日は自己研鑽の時間でもあります。歯科医療は日進月歩で新しい技術や知見が出てくる分野です。そのため、多くの歯科医師が所属学会やスタディグループの学会・研修会に休日を利用して参加しています。
例えば、日本歯科医学会や各専門分野の学会は土日を使って年次大会を開催することが多く、最新の研究発表を聞いたり実習セミナーを受けたりするために歯科医師が全国から集まります。中には数日間にわたり遠隔地で行われる学会もあり、必要な単位を取得するために遠方でも参加しなければならない場合もあります。そうなると、有給休暇などを使って平日も含めて学会出張に出かけることになります。
また、学会以外にも歯科医師会の研修や勉強会、院内のカンファレンスなどが休日に行われることもあります。特に開業医の先生は、新しい技術習得のためのセミナーや他院の見学会などに積極的に参加する人も多く、休日返上で勉強に励むケースも見られます。勤務医であっても、キャリアアップや専門医資格取得のために休日にコース受講する人もいます。
さらに、大学などで研究に携わっている歯科医師の場合、むしろ「休日こそ研究を進めるチャンス」と捉えていることもあります。平日は臨床で忙しく研究の時間が取りにくいため、週末にじっくり実験や論文執筆を行うというスタイルです。特に若手で学位取得を目指している先生などは、休みを研究に捧げていることも珍しくありません。
このように、歯科医師の休日の過ごし方は人それぞれです。しっかり休んで英気を養う人もいれば、将来のために勉強に励む人もいます。いずれにしても、オンとオフの切り替えがしやすいのが歯科医師という仕事の特徴です。一般の医師に比べて緊急対応が少ない分、自分の意思で休日の予定を決めやすいと言えるでしょう。休みの日に十分リフレッシュして心身の健康を保つことは、歯科医師として長く活躍するためにも非常に大切です。勤務環境によってはまだ休日が少なかったりしますが、働き方改革の浸透によって徐々に改善傾向にあります。自分に合った働き方を選び、プライベートも充実させながら歯科医師という仕事に取り組んでいけるのが理想的ですね。